第2巻ユ

□第35話 過去a
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「セフィリアさん、早く来て下さい。エバンスさんの様子が・・・・」

「ちょっと、馬鹿ハンター、どうしたの`しっかりしなさい。」

「はあ、はあ、はあ・・・・夢か・・・・嫌なことを思い出してしまった・・・・」

私はマリーとセフィリアに起こされてようやく悪夢から覚める。

「大丈夫ですか`すごい汗ですよ・・・・」

マリーが心配そうに私を見る。

「ああ、心配をかけてすまない。昔の夢をみてしまっただけだ。」

「昔の夢って・・・・何かあったの`」

「ああ、思い出したくもなかったがな・・・・」

セフィリアは私を気遣いそれ以上は聞こうとはしなかった。

「何ですか`その夢って`聞かせてください。」

マリーの言葉にセフィリアが後ろからマリーの頭を殴る。

「セフィリアさん、何するんですか`」

「あなたね、普通そんなこと聞く`誰でも言いたくないことくらいあるでしょ`」

「いや、別にかまわないさ。もう過ぎたことだ。セフィリアも聞きたいだろ`」

セフィリアは静かに頷く。

「私がまだ15歳の時のことだが、私は友人と森で遊んでいたのだ。」

「あの〜、15歳の時ってエバンスさんって今何歳なんですか`」

マリーはおもいっきり私の話しの腰を折る。

「24歳だが・・・・話しを続けてもよいか`」

マリーはコクリと頷く。

「その頃はモンスターなんて存在しなかったから森で遊ぶなんて当たり前のことだったのだ。」

「でも、森で遊ぶなんて何をしていたのよ`」

今度はセフィリアが話しの腰を折る。

「いや、それは・・・・・・・・・・だ。」

「え`聞こえないんだけど`」

「剣士ごっこだ。」

私はおもいっきり赤面する。
マリーとセフィリアは大笑いする。

「と、とにかく森で遊んでいた時に突然モンスターに襲われたのだ。何年も経ってからわかったのだがそのモンスターはリオレウスだったのだ。」

「リオレウスって言ったら森の王者じゃないの。あなた、よく生きていたわね`」

「ああ、最初の一撃で友人は・・・・・・」

「私は必死で逃げた。もちろん逃げ切れるとは思っていなかった。」

「それでやっぱりダメだったんですか`」

ダメなら私はここには居ないだろヤヤヤヤ
私はツッコミをいれるのもバカバカしいと思い、スルーする。

「もうダメだと思ったその時にリオレウスの背後から大剣でリオレウスに斬りかかるハンターがいたのだ。」

「どうして、その時代にハンターなんているのよ`モンスターは存在していなかったのよ。」

「私に聞かれてもわかる訳がないだろ。でも実際にモンスターもハンターも存在したのだ。」

「今はそんなことどうでもいいわ。で`どうなったの`」

自分から聞いておいてそんなこととは・・・・

「私はそのハンターの鮮やかな大剣さばきに心を奪われた。そのハンターは一撃も攻撃を受けることもなくリオレウスを撃退したのだ。」

「そのハンターのことは他に覚えていないの`」

「なんとなく名前だけは覚えているのだが・・・・私達とは違う独特の名前だった。島国から来たとも言っていたぞ。」

「で`名前は`」

「tomoと言っていたな。」

「確かに私達とは違うわね。島国ってどこよ`」

「だからそれを私に聞かないでくれ。」

「考えられることはその島国にはもうその頃からモンスターがいたということね。」

そう考えるのが自然だろうな。

「今の話でわかったと思うが私が大剣を愛用しているのはそのハンターへの憧れからなのだ。」

「でも実力は遠く及ばないでしょ`」

「それは言うな・・・・ん`マリーはどうした`」

「話に飽きて寝たわよ。自分から聞いておいて・・・・」

私はマリーに毛布をかけてやる。

「ご主人様、セフィリアさん朝食の用意ができたニャ。フローラさんももう待ってるニャ。」

私とセフィリアは食卓に向かう。マリーはもう少し寝かせてやろう。


・・・・・つづく。

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