マ第6巻マ

□第170話 セフィリアの弱点を探せ!
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バキッ!!!

「おごぉっ!!」

熟睡中のダイナマイトパンチはハンパなく痛い。そして目の前には悪魔のように微笑むセフィリアの姿が。

「頼むから一度起こしてから殴ってくれ。」

「イヤよ。どうせ殴るから一緒じゃない。」

ダメだ。この女には何を言っても無駄だ。
というか、なぜ私とセフィリアの力関係がこんなに違うのだ?そもそも、ここは私の家だし生活費も私が出しているではないか。

「なにをブツブツ言ってるの?早く食卓へ来なさい。」

私は渋々食卓へ向かう。

「おはよ・・・どうしたの?」

ニーナが私の顔を見て尋ねる。

「セフィリアには弱点がないのか?と思って・・・・・」

私は以前からの復讐心もありニーナに相談する。

「私も協力するわ。村長の弱点って私も気になるし。」

ニーナは嬉しそうに協力を名乗り出る。

「朝食を食べたら早速始めよう。」

「エバンスさん、ニーナさん、朝食の準備が出来ましたよ。」

私達は朝食をとる。

「お師匠様、今日はどうするのですか?」

私とニーナはドキッとする。

「今日はオフよ。体を休めるのもハンターの仕事だから。」

ニーナが何とかごまかす。

「ねえ、メアリー、それだったら買い物にいかない?」

アシュリーがメアリーを買い物に誘う。

「女の子は買い物でストレス解消できるからいいんじゃない?行ってきなさい。」

私とニーナは二人にお小遣いを渡す。

「ありがとう、いってきます。」

私達は二人を見送り作戦会議に入る、

「意外と普通の女性と同じかもしれないな。女性が嫌いなのって何だ?」

私はニーナに尋ねる。

「女性が嫌いなものといったらやっぱりゴ○ブリよ。」

いや、それは男でも嫌いだぞ。でもやってみる価値はあるな。

「それじゃあ、調達をお願いね。」

「なに〜〜〜〜!?イヤだ。私もゴキ○リは苦手なのだ。」

「それじゃあ、どうしようもないじゃない。」

「キャ〜〜〜〜、ゴ○ブリ〜〜〜〜!!!」

マリーが悲鳴をあげる。これはチャンスだ。

「セフィリア、ゴ○ブリが出たらしい。マリーが騒いでいるぞ。」

「はあ、またなの?」

またとは?
セフィリアはマリーが悲鳴をあげたリビングに向かい紙を丸めて躊躇なくゴキ○リを叩きのめす。

「マシュー、ほうきと塵取り。」

「はいニャ。」

セフィリアはゴ○ブリの死骸を処分する。

「全然怖がっていなかったな。」

「というよりゴ○ブリにとっての天敵って感じだったわ。」

私達は改めて作戦を練り直す。

「次に女性が嫌いなのは何だ?」

「そうね、不潔な人かしら?エバンス、今から修業をして汗だくになりなさい。」

私はニーナに命令されて汗だくになる。
さらに泥に放りこまれる。

「これでよし。村長の前に行きなさい。」

私は汗まみれ泥まみれでセフィリアの前に立つ。

バキッ!!!

「おごぉっ!!!」

「家が汚れるでしょ。」

私は殴られて風呂場に放りこまれる。
風呂に入り汚れを落として再び作戦を練り直す。

「確かに嫌がっていたが弱点とは言えないだろう。」

「私でも同じ事をしたと思うわ。」

こら、それでは意味がないだろ。

「こうなったらフローラさんかマリーさんに聞くしかないわね。」

そうだな。付き合いも長いし何か知っているかもしれない。

「フローラは他人の弱点を教えて楽しむなんてことは有り得ないからマリーに聞くのが一番だろう。」

私達はマリーがいるリビングへと向かう。

「え?セフィリアさんの弱点ですか?そんなのないと思いますよ。」

「やっぱり?」

「でも、面白そうですね。私も協力します。」

マリーを仲間に加えて作戦会議に入る。

「もしかして自分より強気な人が弱点かもしれませんよ。今までそんな人居なかったじゃないですか?」

「なるほど。で、誰がその役をするのだ?」

マリーとニーナが私を見る。

「私がやるのか?イヤだ。殺される。」

「もし、弱点なら千載一遇のチャンスを逃すことになりますよ。」

マリーに説得されて私はセフィリアの前に立つ。

「何よ?」

「おい、セフィリア。ここの主人は私だ。これからは私の命令に従うのだ。よいな?」

「イヤよ。どうしてもというなら私を倒しなさい。」

セフィリアはキッパリと拒否する。

「いえ、すみませんでした。」

私はあっさりと引き下がり作戦を練り直す。

「今までの経緯から無理なことは解っていたけど。」

それなら始めから言ってくれ。間違いなく寿命が縮まったぞ。

「やっぱりセフィリアに弱点はないのか?何とかギャフンと言わせたいものだが・・・・」

「エバンスさん、後ろ・・・・・・」

マリーが怯えた表情で後ろを指差す。

「へえ〜、私の弱点を探していたの?ご苦労なことね。ニーナとマリーもグルかしら?」

「わ、私とマリーさんは今聞いたところよ。ねえ?」

「は、はい。私とニーナさんは止めようとしたんですよ。」

「こ、こら。裏切るな。どこに行くのだ?一人にしないでくれ。」

ニーナとマリーはダイニングへ避難する。

「さて、馬鹿ハンター。どういうつもりかしら?説明してくれる?」

「あ、いや、あの〜。セフィリアの弱点を知っていたらいざという時に助けになると思って・・」

「ねえ、馬鹿ハンターが嘘をつくとき左手で髪の毛を触るって知ってた?」

私の左手は今まさに髪の毛を触っている。
私は慌てて左手を膝の上に戻す。

「今更、遅い!!!」

バキッ!!!

「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」

「残念だけど私には弱点なんてないわよ。」

「それはどうかしら?」

フローラがリビングへやってくる。

「セフィリア、私のプリンを食べたでしょ?あなた、以前も同じ事で私に怒られたでしょ?」

フローラの説教は一時間ほど続いた。

「ごめんなさい。」

セフィリアの弱点はまさかのフローラの説教だった。


・・・・つづく。

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