マ第6巻マ

□第168話 宿命の対決!?アリスVSメアリー!
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「お師匠様、起きて下さい。」

メアリーは既に拳を握り待ち構えている。
最近のメアリーのパンチは破壊力を増してきている。成長という意味では嬉しいことだが、その成長を私にぶつけられるのはたまったものではない。

「おはよう、メアリー。」

私は殴られる前に勢いよく起き上がるが・・・・

バキッ!!!

「おごぉっ!!!」

既に拳を振り下ろしていたメアリーの拳が起き上がった私にカウンターで入る。

「ごめんなさい、大丈夫ですか?」

「あ、ああ、大丈夫だ。しかし、かなり力がついてきたな。セフィリアほどではないがかなり痛かったぞ。」

「ありがとうございます。お師匠様のおかげです。」

「何してるのよ?早く起きてきなさい。アリスさんが来ているわよ。」

「お母さんが?すぐに行きます。」

メアリーは猛ダッシュで食卓へ向かう。私も食卓へと向かう。

「おはようございます、アリスさん。」

「おはようございます、お邪魔しています。」

前回はアリスさんの記憶喪失騒動であまり話もできなかったが今回はメアリーの成長等の話題で盛り上がった。

「パンチ力なんて飛躍的に上がりましたよ。脚力もさすがはアリスさんの娘だと思うほど速くなりました。」

「それなら今日はメアリーの成長ぶりを見るために私が稽古をつけようかしら。」

「よろしくお願いします。」

私達は朝食を済ませて修行の準備にとりかかる。

「何事も準備が必要よ。準備運動で腕立て伏せ500回、腹筋800回、30メートルダッシュ100本よ。」

ふ、増えてる・・・・。

「私はアリスさんの指示には従うわよ。」

アリスさんを崇拝しているニーナは早速準備運動を開始する。
それにつられて皆、準備運動を始める。

「終わりました。」

マリーがアリスさんとほぼ同時に準備運動を終了させる。

「やっぱりマリーさんは凄いですね。ソードも言っていましたがハンターでないのが惜しいですね。」

「私はハンターより料理をしているほうが性に合っていますから。」

これだけ厳しい準備運動の直後に世間話をするなんてバケモノだな。

「私も終わったわよ。さすがにちょっとキツイわね。」

セフィリアも準備運動を終えたが少し息が切れている。
私とニーナも終えるが、その場に座りこんでしまう。

「さ、さすがにキツイわね。少し休ませてもらうわ。」

「メアリー、アシュリー、アレックス。無理はするな。」

私とニーナでもキツイ準備運動だ。子供達には相当厳しいはずだ。

「わ、私は大丈夫です。もう終わりますから。」

メアリーは最後のダッシュを終えて倒れ込む。

「本当に成長したわね。エバンスさんとニーナさんは大丈夫だと思ったけど、まさかメアリーも出来るとは思っていなかったわ。」

現にアシュリーとアレックスは途中リタイアだった。

「さて、本題よ。メアリー、勝負よ。」

「勝負って?」

メアリーがアリスさんに尋ねる。もとより私もアリスさんの発言の真意が解らなかった。

「言葉通り、私と組み手をするのよ。もちろん真剣勝負で。」

「お母さんに勝てるわけないよ。」

「お言葉ですがアリスさん。私も勝負になるとは思えません。」

真剣勝負ならなおさら勝負になるわけがない。私はアリスさんの真意を聞き出す。

「もちろん、それは解っています。メアリーは私に一発でもクリーンヒットすれば勝ちです。逆にメアリーがギブアップするかエバンスさんがストップしない限りメアリーは何度でも挑んでもいいわ。」

なるほど、それならばメアリーにも勝機はある。

「でも・・・・、やっぱり無理です。」

「メアリー、私に勝ったら私が愛用している【双龍剣、天地】をあげるわ。」

「ホント?やる。私、お母さんに勝つ。」

メアリーはやる気満々だ。

「エバンスさん、恐らくメアリーは意地でもギブアップしないと思います。危ないと判断したら止めてください。」

アリスさんの娘だ。間違いなく自分からギブアップしないだろうな。

「わかりました。」

アリスさんとメアリーが対峙する。

「それでは、はじめ。」

メアリーが合図とともにアリスさんに襲い掛かる。

「は、早い。」

メアリーの瞬発力に驚いたアリスさんは少し態勢を崩す。

「もらった〜〜〜!」

メアリーはアリスさんにパンチを繰り出すが間一髪アリスさんはパンチをかわす。

「今のは危なかったわ。今度は私から行くわよ。」

アリスさんが動いたと思った瞬間、メアリーに近付きパンチを繰り出す。
メアリーは腹筋に力を入れてパンチを受け止め逆にパンチを繰り出す。

「くっ!!」

アリスさんは避けるが腕にパンチが当たる。

「浅い。ノーカウント」

私は冷静に判断しクリーンヒットではないと判定する。

「本当に強くなったわね。お母さん嬉しいわ。」

「お師匠様やニーナさん、皆のおかげよ。」

「ありがとう、エバンスさん。」

アリスさんが私に礼を言う。

「スキあり。」

メアリーはアリスさんのスキをついてキックをだす。

「甘い。」

アリスさんは避けたと同時にメアリーの背後に周りこみ手刀を繰り出す。

「うっ!!!」

手刀はメアリーの首筋をとらえメアリーは倒れ込む。

「これ以上やったら私が本当に本気になりそうだから・・・・」

アリスさんは親心からメアリーを気絶させて終了させるという手段に出た。

「ま、まだ出来ます。」

メアリーは立ち上がりアリスさんに向かっていく。
完全に油断していたアリスさんは虚を突かれメアリーのパンチを腹部にマトモに受けてしまう。

「クリーンヒット!!勝負あり。勝者メアリー」

「や、やった。やりま・・し・・・た・・・」

勝ち名乗りを聞いたメアリーは先程のダメージから気絶する。
私は倒れ込む前にメアリーを抱き支える。

「よくやった。」

私はメアリーを家に運びベッドに寝かせる。

「アリスさん、油断していたとはいえ完敗ですね。」

「ええ、でも激痛や悔しさよりも喜びの方が大きかったわ。」

恐らく負け惜しみではなく本音だろう。

「一番驚いたのはスピードね。まさか、あれほどの瞬発力があったなんて・・・・。」

「私も驚いたわ。もしかしたら私も負けるかもしれないわね。」

ニーナもメアリーの瞬発力に驚いている。

「とにかく約束通り【双龍剣、天地】はメアリーにプレゼントするわ。」

そういってアリスさんは双剣を私に手渡す。

「確かにお預かりしました。でも愛用の剣なのでしょ?どうするのですか?」

「大丈夫よ。愛用の剣はまだまだあるから。一応、念のために予備の武器も持って来ているから帰りも心配ないわ。」

「そういえばセフィリアの姿が見えないが?」

私は辺りを見渡しセフィリアの姿が見えないのを不思議に思う。

「お風呂じゃない?エバンス確認してみたら?」

「もし本当にいたら私がただでは済まないぞ。アリスさん確認してもらえますか?」

「わかったわ。」

アリスさんは風呂場を確認する。

「いないわね。ついでだからお風呂借りるわね。」

アリスさんはそのまま風呂に入る。

「本当にどこにいったのだ?」

私はセフィリアの研究室をのぞいてみる。

「あ・・・・・・」

セフィリアは着替えの最中だった。

「これで二回目ね。覚悟は出来てる?」

「・・・・で、できていません。しばしの猶予を・・・」

「そうね。・・・って待つわけないでしょ。」

バキッ!!!

「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」


・・・・つづく。

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