マ第6巻マ

□第167話 砂漠の覇者!
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「ご主人様、起きるニャ。朝だニャ。」

よしっ!!マシューなら間違いなく私の言うことを聞くだろう。

「すまない、もう少しだけ寝かせてくれ。」

「わかったニャ。」

作戦成功。これでもう少し眠ることができる。

「ご主人様が起きなければセフィリアさんに報告するように言われているニャ。」

「ま、待て。今、起きるからセフィリアには言わなくていいぞ。」

やはり相手の方が一枚上だったようだな。
私はゆっくり起き上がり食卓へ向かう。

「おはよう、行くわよ。」

私はいつものようにニーナに首根っこを掴まれアーサーさんの店へ連行される。

「おはようございます。今日は厄介なモンスターが目撃されていますよ。」

モンスターなんて全てが厄介ではないか。
私が心の中でツッコミをいれていると不審な動きをしているニーナが目に入る。

「こ、こら、まだモンスターが何かも聞いていないのにサインをするな。」

既にニーナは契約書にサインをしていた。

「で、モンスターは何ですか?」

「ディアブロスです。砂漠にいますので気をつけてくださいね。」

私はステファニーさんに情報料を支払い家に戻る。

「ただい・・・・」

バキッ!!!

「おごぉっ!!!」

マリーの剛腕パンチが飛んでくる。

「ごめんなさい。」

言い訳をするとまた殴られる。学習した私は言い訳をせずに朝食をいただく。

「お師匠様、大丈夫ですか?」

ふいにメアリーが私に尋ねる。

「何がだ?」

「お師匠様って突進系のモンスターは苦手ですよね?」

・・・・・そういえばそうだな。ティガレックスなんて典型的な突進系だしな。

「メアリー、大丈夫よ。」

ニーナが私の代わりに答える。大丈夫というのは私を信用しているということか。

「だってエバンスには得意なモンスターがいないじゃない。全てが苦手なようなものだからいつもと変わらないわよ。」

「あ、そうですね。」

どういう意味だ。
納得するな。

「とにかく出発するわよ。」

私達は砂漠へ向かう。

「お師匠様、あれじゃないですか?」

私は遠くに見える影を確認する。
だんだん影が大きくなってくる。

「にぎゃ〜〜〜〜!!!危な〜〜〜〜い!!!」

ディアブロスが突進してくる。私はアシュリーを抱え、ニーナはメアリーを抱えて避ける。

「さて、行くわよ。」

ニーナが先陣をきりディアブロスに斬りかかる。

「私達もいくぞ。」

私とメアリーが続き、アシュリーが援護射撃をする。

「突進も厄介だが体当たりにも気をつけるのだぞ。ほら、くるぞ。」

ディアブロスは体当たりを試みる。私達は難無く避ける。・・・・が。

「どっしぇ〜〜〜〜〜。なぜ私ばかり狙うのだ〜〜〜〜?」

ディアブロスがこれでもかとばかりに私に突進してくる。

「でも、お師匠様のお陰で私は剣を研ぐことができるので助かりますよ。」

好きで囮になっているわけではないぞ。

「仕方ないわね。アシュリー、閃光玉を投げてあげて。」

「はい。」

ニーナの指示でアシュリーが閃光玉を投げる。視界を奪われたディアブロスは突進できずにようやく立ち止まる。

「た、助かった。死ぬかと思った。」

命からがら逃げ切った私には目もくれずニーナ達はディアブロスを斬り刻む。

「少しは私の心配を・・・・・」

「ブツブツ言ってないでシビレ罠を仕掛けなさい。」

「はい。」

私の抗議はあっさり却下される。
ニーナの指示に従い私はディアブロスの足元にシビレ罠を仕掛ける。

「ほら、仕掛けたら攻撃を手伝いなさい。」

「はい。」

完全にニーナの言いなりだ。しかし文句を言っているヒマはない。
私は大剣を構えてディアブロスを斬り刻む。

「そろそろシビレ罠の効果がきれます。」

私達は一旦距離をとる。シビレ罠の効果がきれてディアブロスは再び私に突進してくる。

「ぎえ〜〜〜〜〜!!!やっぱり〜〜〜〜!!」

「お師匠様ってモンスターに好かれていますよね。」

私とは対照的にメアリー達はのんびりと追われている私を眺めている。

「アシュリー、ここにシビレ罠を仕掛けて。」

「はい。」

ニーナの指示でアシュリーがシビレ罠を仕掛ける。

「エバンス、こっちに来なさい。シビレ罠があるわ。」

私は最後の力を振り絞りニーナ達の方向へ全力疾走する。

「お疲れ様、あとは任せなさい。」

シビレ罠へ誘導した私はその場に倒れ込む。

「いきます、必殺!1日1回限定、超双剣乱舞。」

「必殺!貫通弓の舞。」

「これで終わりよ。」

メアリーとアシュリーの必殺技とニーナの顔面メッタ斬りでディアブロスは息絶える。

「お、終わった。帰って風呂に入りたいぞ。」

追われている時にクーラードリンクの効果がきれた私は全身汗だくだった。

「今日はエバンスが一番頑張ったから一番風呂を譲るわ。いいでしょ?メアリー、アシュリー。」

「はい、もちろんです。では帰りましょうか。」

私達は家に戻る。

「お帰り。お疲れ様。」

「ただいま。」

私は挨拶だけでフラフラと風呂場へ直行する。

ガラッ!!!

「!!!!!!」

「きゃ〜〜〜〜!!ハンターさんのエッチ!!」

まさかフローラが入っていたとは・・・・・・
はっ!!!!

私は背後に殺気を感じた。

「いい度胸ね、馬鹿ハンター。」

「こ、これは不幸な事故だ。フローラにはあとでキチンと謝罪するから。な?」

「それじゃあ、これも不幸な事故よ!!!」

バキッ!!!!

「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」

どこが事故だ〜〜〜!!


・・・・つづく。

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