マ第6巻マ

□第166話 師弟交代!?
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「師匠、起きてください。」

最近はメアリーもセフィリア化してきて怖くなったがアシュリーならば大丈夫だろう。

「あともう少しだけ。」

「あっ、セフィお姉さん。」

「おはよう、アシュリー。・・・・・あれ?セフィリアは?」

アシュリーは窓の外を指差す。セフィリアは外で体操をしている。

「だ、だまされた。」

「別に騙してはいませんよ。セフィお姉さんの姿が見えたから言っただけです。」

私はぐうの音も出ず、諦めて食卓へ向かう。

「おはよう、行くわよ。」

私はニーナに首を掴まれる前にドアの前に進む。

バンッ!!!

「おごぉっ!!!」

勢いよく開かれたドアが私の顔面をとらえる。

「やっぱり朝の体操は気持ち良いわね。って馬鹿ハンター、そんなところで寝てたら風邪をひくわよ。」

最近こればっかりだな。

「ほら、早く行くわよ。」

ニーナが私を引きずって行こうとする。

「待って、ニーナ。」

セフィリアがニーナを制止する。

「どうしたの?」

「ちょっと話があるから馬鹿ハンターとニーナとメアリーとアシュリーはリビングに集まって。」

セフィリアに呼び出され私達はリビングに集まる。

「今は大丈夫だけど今後、ガンナーでないと厳しいモンスターが現れるかもしれないわ。だから今日は弓の修業をしてもらうわ。」

「弓の修業と言われても私には弓の心得がないぞ。」

「ちゃんと弓の心得がある人がすぐ側にいるじゃない。」

セフィリアがアシュリーを見て言う。

「私ですか?私が師匠に教えるなんて恐れ多いですよ。無理です。」

「いいからやりなさい。」

「は、はい。」

半ば強制的にアシュリーに返事をさせる。

「それじゃあ食事を済ませたら始めるわよ。」

私達は食事を済ませ修業の準備をする。

「え〜っと、まずは何から始めましょうか?」

アシュリーは初めての教える立場に戸惑う。

「弓矢を放つのに大事なのは腕力と胸筋よ。腕立て伏せ1000回はじめ。」

戸惑うアシュリーを見かねてセフィリアが指示を出す。

「なぜセフィリアがいるのだ?」

「こういう時の為よ。ぐずぐずしない。始めなさい。」

私はセフィリアの迫力に押されて腕立て伏せを開始する。

「さ、さすがに1000回は厳しいぞ。」

「私達でも厳しいからメアリーとアシュリーには無理じゃないかしら?」

ニーナの言う通りメアリーとアシュリーは途中で腕立て伏せの態勢を取れなくなってしまう。

「やっと終わった。」

私とニーナが腕立て伏せを終了する。
メアリーとアシュリーは今回は無理と判断され800回で終了する。

「さて、アシュリー出番よ。あの木を狙って弓矢を放ってみなさい。」

「はい。」

アシュリーの放った矢は見事に50メートル離れた木に命中する。

「さすがね。次、馬鹿ハンター。」

私は弓を構えて力一杯弓矢を引き放つ。

キラ〜〜〜ン☆

弓矢は天高く舞い上がり、ついには見えなくなった。

バキッ!!!

「おごぉっ!!!」

「加減というものを知らないの?」

セフィリアに加減のことを言われたくない。

「何か言った?」

「いえ。何も言っていません。」

「アシュリー、馬鹿ハンターに弓の指導をお願い。」

「はい、わかりました。」

私は弟子のアシュリーから弓の基本を教わる。

「次、ニーナ。」

「こんなの簡単よ。」

ニーナは自信満々で弓矢を放つ。
弓矢はとんでもない方向に飛んでいく。

「うおりゃ〜〜〜〜!!当たれ、当たれ、当たれ〜〜〜〜!!!」

ニーナはキレて次々と矢を放つが全く当たらない。

「アシュリー、ニーナにコントロールのつけ方を教えてあげて。」

「はい、わかりました。」

ニーナもアシュリーから弓の基本を教わる。

「次、メアリー。」

「はい、緊張しますね。」

メアリーが放った矢は見事に木に命中する。

「もう一回。」

セフィリアが指示を出す。

「はい。」

再び放った矢が木を命中する。

「以前にお父さんからもらった弓で練習したことがありますから。」

そうだった。メアリーも経験者だ。

「それじゃあアシュリーがニーナに、メアリーが馬鹿ハンターに弓を教えてあげなさい。」

「はい、お任せください。」

私とニーナはメアリーとアシュリーから弓矢を教わる。
客観的に見ると大人が子供から教わるという異様な光景だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「それじゃあ、練習の成果を見せてもらうわ。まずはニーナ。」

「いくわよ。」

シュッ!!!

弓矢は鋭く弾丸のように飛んでいき見事に木をとらえる。

「よしっ!!!」

ニーナはガッツポーズをする。

「次、馬鹿ハンター。」

「ええ〜っと、力を入れ過ぎず、しっかり目標を見て神経を集中させて撃つ。」

ビローン!!

弓矢は私の1メートル先でポトリと落ちる。

「力を抜き過ぎよ!!」

バキッ!!!

「おごぉっ!!!」

「もう一度。」

私はもう一度弓矢を放つ。

シュッ!!!

弓矢は鋭く飛んでいき見事に木に命中する。

「やった。成功したぞ。」

「やりましたね、お師匠様。」

私はメアリーとハイタッチをする。

「ねえ、さっきから偉そうに指示してる村長はどうなの?」

ニーナはセフィリアに弓を渡す。

「私を試すつもり?いいわ。やりましょう。」

セフィリアは弓を構えて矢を放つ。

キラ〜〜〜ン☆

弓矢は私が最初に失敗した時と同じように天高く舞い上がり見失う。

「偉そうなこと言って出来ていないじゃない。」

「私はハンターじゃないからいいのよ。」

ヒュ〜〜〜〜〜!!!
ゴ〜〜〜〜ン!!!

「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」

私の頭の上にセフィリアの放った矢が突き刺さった鳥が落ちてくる。

「狙い通りね。」

う、うそをつくな〜〜〜〜〜!!!

薄れゆく意識の中、私は心の中でツッコミをいれる。


・・・・つづく。

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