マ第6巻マ

□第165話 番外編!三人娘の過去!
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私の名前はセフィリア。18歳、才色兼備の学者よ。私が学者になったのは2年前。最年少記録を大幅に更新したみたいだけど私から言わせれば当然よ。

コンコンコン!!

「失礼します。今日からこちらの研究所にお世話になるフローラです。よろしくお願いします。」

「セフィリアよ。よろしく。随分若いけど助手かしら?」

「いえ、新人の学者です。セフィリアさんって最年少学者のセフィリアさんですか?」

私の他にも天才がいるのね。ま、私には負けるけど。

「そうよ。あなたの年齢は?」

「20歳です。私、あなたの事を知って若くても学者になれると励まされて頑張れました。よろしくお願いします。」

「よろしくはいいけど一応あなたのほうが年上だから敬語を使わなくてもいいわよ。」

「はい・・・・、でもセフィリアさんは先輩になるわけですから・・・」

「いいのよ、私は先輩だから敬語を使わない、あなたは年上だから敬語を使わない。これでどう?」

「ふふふ、そうですね。では改めて・・・・・・
よろしく、セフィリア。」

「こちらこそ、よろしく。フローラ。」

私とフローラはすぐにお互いを認め合い仲良くなったわ。
頭の堅いオヤジ共とは違い私の学説を素直に受け入れてくれるフローラは私の心の支えになっていたわ。

「ねえ、セフィリア。近くにランチが美味しい喫茶店を見つけたのだけど行ってみない?」

「ゴメン、まだちょっと手が離せないのよ。また、今度行きましょう。」

「それなら大丈夫よ。出前もしてくれるみたいだから。」

「それじゃあ、フローラに任せるわ。」

この出前が失敗だった。少なくともその時はそう思った。

コンコンコン!!

「失礼します。気まぐれランチ二人前をお持ちしました。」

「あら、子供がアルバイトをしているの?偉いわね。そこに置いておいて。」

「やっぱり子供にしか見えませんよね・・・・。私、こう見えても23歳です。」

賢明な読者様ならもうおわかりですね。
これが私とマリーの初めての出会いだった。

「わ、私より年上・・・・・。」

「あの〜、もしかして学者さんですか?」

「あなた、ここの建物が何だと思って入ってきたの?学者以外に何がいるのよ?」

「いえ、あまりにも若くて美しいですから学者には見えなくて・・・・」

「あなた、良い子ね。名前は?」

「マリーです。ところで何の研究ですか?」

「ちょっとね、ポッケ村について調べているのよ。」

この時から私はポッケ村について調べていた。まさか3年後に村長になるとは思いもしなかったけど。

「あ〜〜〜〜〜!!!」

マリーが突然大声をあげる。
私とフローラは食べていたソバを吹き出す。

「な、何よ?どうしたの?」

「セフィリアさんって最年少学者のセフィリアさんですよね?私、大ファンなんです。」

大ファンならどうして今まで気付かなかったのよ?

「そんなことで大声を出さないでよ。びっくりするじゃない。」

「こんなに身近にいたんですねえ。感動です。」

全然、人の話を聞いていないわね。

「それよりもマリーの方が年上なんだから敬語はやめてくれない?私が年上に見られるじゃない。」

「すみません、どうしても敬語になってしまうんです。兄達が物凄く厳しくて敬語以外話せなくなってしまったんです。」

どんな家族よ。

「とにかく出前はいただいたから早く帰りなさい。」

「あっ!そうでした。店長に怒られてしまいます。それでは失礼します。」

騒がしい子・・・じゃなかった。騒がしい娘だったわ。

・・・・翌日。

「で、どうしてマリーがいるわけ?仕事はどうしたの?」

「ご心配なく。出前の帰りですから少しならバレません。」

そうじゃなくて邪魔なんですけど・・・・・。

「セフィリア・・・・」

フローラはマリーの姿を確認すると静かにドアを閉じて去っていく。

「待ちなさい。」

私はフローラを追い掛け首根っこを掴んで部屋へ入れる。

「私、研究の続きがあるから。」

フローラは意地でも出ていこうとするが私も意地でも逃がさなかった。
これが毎日のように続いた。

・・・・・・・・・・・

「・・・・・セフィリアさん。」

「セフィリアさん、起きてください。」

「ん、ああ、マリー、おはよう。」

「おはようじゃないですよ。もうすぐエバンスさん達も帰ってきますよ。」

どうやら昼寝をしていて夢を見ていたみたい。

「どうしたのですか?」

「フローラとマリーに出会った時の夢を見たのよ。」

「あの時はこうしてポッケ村に来てこんな生活をするなんて夢にも思いませんでしたね。」

「ホントよね。出会った頃のマリーなんて邪魔者以外の何でもなかったのに。」

「ヒドイです。そんな風に思っていたんですか?」

「最初の頃よ。今は大事な仲間よ。」

「セフィリアさん・・・私もセフィリアさんを姉のように慕っていますよ。」

「あんたの方が年上でしょ?」

「ただいま。何か楽しそうだな。」

「お帰りなさい。セフィリアさんと出会った頃の話をしていたんです。」

マリーが馬鹿ハンターに昔話を話しだす。

「セフィリアさんって当時から胸以外は私より立派でしたから。」

「胸以外は余計よ!!」

バキッ!!!

「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」


・・・・つづく。

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