マ第6巻マ

□第163話 神撃、再び?
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「お師匠様、朝ですよ。起きてください。」

「甘い、甘いわよ。エバンスを起こすにはこうすればいいのよ。」

ニーナは私をベッドから引きずり出しそのままアーサーさんの店へ向かう。

「おはようございます。何か着の身着のまま来た感じですね。」

着替える間も与えられずにパジャマのままだから当然だ。

「で、情報はありますか?」

「密林にババコンガ亜種がいます。どうし・・」

アーサーさんが全てを話す前にニーナは契約書にサインをしている。
私はステファニーさんに情報料を支払う。

「ただいま。あれ?お客さんかな?」

私はリビングへと向かう。

「馬鹿ハンター、ちょっと来て。」

私は家の外へ連れ出される。

「どうしたのだ?あの客人は誰だ?」

「それが【俺は神撃のtomoだ】と言っているのよ。」

「tomoさん?そんなわけないだろう。どう見ても不細工ではないか。」

tomoさんと名乗る男は男前のtomoさんとは似つかないほど不細工だった。

「とにかく平静を装い彼等の目的を探ろう。」

「そうね。」

私達は家に入りtomoさん(?)達と話をする。

「tomoさん、そちらの二人は?」

「副隊長の999と総隊長補佐のG ATTUINでんがな。」

言葉もおかしいではないか。

「ところでこちらにはどういった御用件でしょうか?」

「セフィリアちゃんに会いに来たに決まってまんがな。」

「あんた、絶対にtomoさんじゃない!!」

バキッ!!

「どういう意味よ?」

「おごぉっ!!!」

tomoさんが貧乳のセフィリアに興味がないという意味だ。
と私は心の中だけで反論する。

「それにしても999さんとG ATTUINさんもニセモノよね?」

「それはそうだろう。999さんも以前に見た時は筋肉質のがっちり型だったのに目の前にいるのはヒョロっとしたヤセ男ではないか。」

「実はこっちが本物で以前に見たのがニセモノだったりして。」

「とにかく今日の狩猟に参加してもらって判断しよう。」

私は今日の狩猟に参加してもらうようtomoさん(?)にお願いする。

「ええよ。任せときなはれ。」

私達は朝食を済ませ密林へ向かう。

「お師匠様、あの人達大丈夫でしょうか?」

「どういう意味だ?」

「どういう意味って・・・・例えば自称999さんは風が吹いただけで吹き飛ばされそうですよ。」

「まさか・・・・」

その時、少し強い風が吹く。

「うわぁ〜〜〜〜!!」

自称999さんは本当に吹き飛ばされそうになり自称G ATTUINさんに支えられる。

「・・・・ま、何とかなるだろう。」

「いたわよ。お先に。」

ニーナがババコンガ亜種を発見し先陣をきる。

「tomoさん、お願いします。」

自称tomoさんは大剣を取り出しババコンガ亜種に向かっていく。
動きは悪くはないが私でもあれくらいは出来るという動きだ。

「俺の出番でっしゃろ。」

その不思議な言葉、何とかならないのか?
自称999さんがランスを構え突撃する。

「999さん、危ない。」

ババコンガ亜種が投げた汚物が自称999さんを直撃する。

「な、なんじゃこりゃ〜〜〜〜!!」

「999〜〜〜〜!!!」

自称tomoさんが自称999さんを救出しようと走り出した所を自称G ATTUINさんが制する。

「アカン、もう無理や。助からん。」

自称999さんは倒れこみ二度と動くことはなかった。

「こうなったら999の弔い合戦でんがな。いきまっせ。」

自称tomoさんはババコンガに突撃する。

「危ない。」

ババコンガもtomoさん目掛けて突撃する。

「大剣ガ〜〜〜ド!!」

自称tomoさんは大剣でガードする。

「あれ、どこいった?」

「tomoさん、また突撃してきています。」

「大剣ガ〜〜〜ド!!」

しかしババコンガは自称tomoさんの背後から突撃してきていた。

「な、何でやね〜〜ん!!!」

自称tomoさんはババコンガの突撃を背後からまともに喰らい倒れ込む。

「やっぱり【神撃のtomo】を名乗って一儲けというのは無理だったか。」

自称G ATTUINさんはそう言って逃げていった。

「さて、ここからが本番だ。いくぞ。」

アシュリーがシビレ罠を仕掛けババコンガ亜種を罠にかける。

「メアリー、大丈夫か?」

人が傷付くと暴走するメアリーが気になり私は声をかける。

「はい、大丈夫です。一気に決着をつけましょう。」

メアリーが成長したのかメアリーにとっては何でもないことなのかは解らないが暴走する気配はない。

「そろそろシビレ罠の効果がきれるころよ。離れて。」

ニーナの指示で離れた瞬間ババコンガのシビレ罠がきれて再び汚物を投げる。

「にぎゃ〜〜〜!危な〜〜〜い!!!」

私は間一髪避ける。

「それにしても下品なモンスターですね。お母さんが居たら瞬殺ですよ。お母さんは下品なことは大嫌いですから。」

き、気をつけよう。アリスさんの前で下品な行動は厳禁だな。

「ほら、無駄口を叩いてないで行くわよ。」

ニーナが再びババコンガへ突撃する。
私とメアリーも後に続く。

「みなさん、逃げてください。」

アシュリーの叫び声で私達はババコンガから距離をとる。
その瞬間ババコンガは特大の放屁を炸裂させる。

「あんなのを喰らったら臭いが移って間違いなくセフィリアに殴られるな。」

「お師匠様、ここにシビレ罠を仕掛けました。」

メアリーの仕掛けたシビレ罠へババコンガを誘導する。

「よし、終わらせるぞ。いくぞ、必殺!1日1回限定適当大剣振り回し。」

「いきます、必殺!1日1回限定、超双剣乱舞。」

「必殺!貫通弓の舞。」

三人の必殺技とニーナの顔面メッタ斬りが決まりババコンガは絶命する。

「ふぅ〜、終わった。」

「ところであのニセモノのtomoさんと999さんの屍をそのままにしておくのは可哀相ね。」

「そうだな。埋葬してあげるか。」

私達は二人の屍を海が見える丘に埋葬した。

「さて、帰るか。」

私達は家に戻る。

「おかえり、あら?ニセモノはどうしたの?」

私はセフィリアに説明する。

「そう、目的は金儲けだったわけね。」

「しかし、私は彼等を守れなかった。ニセモノだと解っていながらフォローすら出来なかった。」

私は悔しさから涙がこぼれる。

「馬鹿ハンター、泣きたいならおもいっきり泣きなさい。私の胸を貸すわ。」

「いや、貧乳の胸を借りても泣けないな。」

「こ、このバカタレ〜〜〜〜!!!」

バキッ!!!

「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」


・・・・つづく。

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