マ第6巻マ

□第160話 歩く辞書!?
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「お師匠様、朝ですよ。起きてください。お姉様も居ますよ。」

「は、はい。おはようございます。」

セフィリアが居ると聞いて私は跳び起きる。

「あ、あれ?セフィリアは?」

辺りを見渡すがセフィリアの姿がない。

「食卓にちゃんと居ますよ。」

騙された・・・・。確かにメアリーは居ると言っただけでここに居るとは言っていない。

「早く食卓にいきましょう。」

私はメアリーに手を引かれ食卓へと向かう。

「おはよう。」

「おはよう、馬鹿ハンター。tomoさん達が帰ったら何か急に静かになったわね。」

tomoさん達は999さんを捜すと言って昨日の夜に帰っていった。

「いつもの日々に戻っただけなのに何か淋しいな。」

「そうね。いつもの日々ということで行くわよ。」

ニーナに首根っこを掴まれアーサーさんの店へと向かう。

「おはようございます。今日は樹海でナルガクルガが目撃されています。どうしますか?」

私はニーナを指差す。既にニーナは契約書にサインをしている。

「相変わらず即決ですね。それでは情報料をお願いします。」

ステファニーさんに情報料を支払い家に戻る。

「ただい・・・」

バキッ!!!

「おごぉっ!!!」

久しぶりで忘れていた。
私はマリーの剛腕パンチを不意打ち気味に喰らう。

「すみません。すぐにいただきます。」

私は言い訳をせずにすぐに朝食を食べる。

「お兄さん、いつになったら僕を連れていってくれるのですか?」

アレックスは狩りに行きたいようだ。

「マリー、どう思う?」

私はアレックスの師匠であるマリーに聞いてみる。

「まだ少し早いですね。まだアシュリーさんのレベルにも達していませんから。」

命に関わる仕事だからマリーも辛口に評価する。

「というわけだ。マリーからゴーサインが出るまではお預けだ。」

「わかりました。もっと修業を頑張ります。」

アレックスは修業の準備をし私達は狩りの準備をする。

「それじゃあ、行くわよ。」

キリン装備に着替えたニーナが気合いを入れて言う。

「お師匠様、私も早くニーナさんと同じ装備がしたいです。」

「私も。」

メアリーとアシュリーがニーナの装備を見て羨ましそうに言う。

「メアリーとアシュリーならニーナよりセクシーになるかもしれないな。」

バキッ!!!

「おごぉっ!!!」

「どういう意味よ?」

冗談で言ったのだがニーナの目は本気だ。

「い、いや。深い意味はないぞ。」

「明らかに私の胸を見て言って・・・・」

「師匠、いました。ナルガクルガです。」

私達は臨戦態勢に入る。

「お先に。」

もちろん先陣を切ったのはニーナだ。
ナルガクルガのスピードに負けないスピードで追い掛ける。

「よく、あのスピードについていけますねぇ。」

メアリーが関心するのも頷けるほどナルガクルガの動きは素早い。

「関心してないで手伝いなさいよ。」

「は、はい。」

ニーナの迫力に押されてすぐに返事をする。
迫力というよりは追うのに必死なのだろう。

「メアリー、止まった時がチャンスだ。一気に間合いを詰めるぞ。
アシュリーは援護を頼む。」

「はい。」

メアリーとアシュリーは同時に返事をしてナルガクルガが動きを止めるその時を待つ。

「今だ、いくぞ。」

ナルガクルガが止まった瞬間を見逃さず私とニーナとメアリーはナルガクルガをメッタ斬りにする。

「離れてください。」

聞き覚えのない声が響く。そしてナルガクルガを見ると目が赤く光っている。

「目が赤くなった時は怒っている時です。その時はこの落とし穴を仕掛けます。」

見知らぬ男はそういって落とし穴を仕掛ける。

「このシビレ罠ではダメですか?」

私は男に尋ねる。

「怒っている時は落とし穴がいいんです。常識ですよ。
ほら、掛かりましたよ。」

ナルガクルガが落とし穴にハマリもがき苦しんでいる。

「何をしているんですか?攻撃してください。」

男の言葉で我に返り攻撃する。

「長いこと抜けられないものなのだな。」

ナルガクルガはまだもがき苦しんでいる。

「ナルガクルガの怒り時はこんなものです。」

ようやくナルガクルガは落とし穴から抜け出す。

「離れて。」

男が再び大声をあげる。私達が離れたその時、ナルガクルガは体を反転させ尻尾を鉛の塊の如く振り落とす。

「あ、危なかった。あれを喰らったらタダでは済まなかっただろう。」

「とりあえず、あなたが持っているシビレ罠を仕掛けてください。」

私は男の言うがままにシビレ罠を仕掛ける。

「また、怒らせて落とし穴に落としますから。」

男はそう言って私をシビレ罠の近くに立たせて囮として使う。

「お師匠様、行きましたよ。」

ナルガクルガは物凄いスピードで私に突進してくる。

「にぎゃ〜〜〜!!」

私は必死に避けてナルガクルガをシビレ罠にかける。

「とにかく怒らせてください。」

男に言われるがまま私達はナルガクルガをメッタ斬りにする。
するとナルガクルガの目が再び赤く光る。

「みなさん、こっちです。」

男はすでに落とし穴を仕掛けていた。
私達はナルガクルガを誘導するように落とし穴に落とす。

「いくぞ、必殺!以下省略。」

「いきます、全文省略」

「必殺!貫通弓の舞。」

そしてニーナの顔面メッタ斬りが決まりナルガクルガは落とし穴にハマったまま絶命する。

「ありがとうございました。おかげで助かりました。」

私は男にお礼を言う。

「いえ、別にたいしたことではないです。そのかわりなんですがポッケ村の場所を教えてもらえないですか?」

「私達、ポッケ村から来たので一緒に行きませんか?」

「ありがとう。あ、申し遅れました。僕はリースです。こっちはヨッシーさん。」

「あ、ご丁寧にどうも。私はエバンスです。あと右からニーナ、メアリー、アシュリーです。」

「エバンスさん・・・・あ、ちょうどよかった。うちの総隊長を探しているんですけど知りませんか?前に総隊長がエバンスさんがどうのこうのと言っていましたので。」

今まで黙っていたヨッシーさんが話す。

「総隊長ってtomoさんですか?昨日帰りましたけど。」

「遅かったか・・・・」

リースさんがガックリ肩を落とす。

「まあ、いいです。ありがとうございました。・・・・・それよりも、あなたたち、よくその装備でナルガクルガを倒しましたね。」

リースさんが私達の装備を見て言う。

「もちろん、素材の問題もありますがこれは酷いですよ。」

リースさんはオススメの装備などを細かく資料も見ずに教えてくれる。

「ちなみにヨッシーさんの装備はレックス一式を揃えましたがこれも今のヨッシーさんの素材を見て私がオススメしたものです。」

「おかげで狩りが楽になりました。」

ヨッシーさんもリースさんに感謝しているようだ。

「でも、そちらのニーナさんだけはしっかりした装備ですね。僕好みの装備です。」

「そうでしょ?ほら、解る人には解るのよ。」

ニーナは嬉しそうに私に言う。

「いえ、装備は僕好みですけどセクシーさが足りないですね。」

リースさんはニーナの胸を見て言う。

「貧乳で悪かったわね!!!」

バキッ!!!

「ぎゃぴ〜〜〜!!!」

「リースさん、大丈夫ですか?ダメだ、気絶してる。総隊長もいないことですし、僕達はこれで失礼します。」

ヨッシーさんはリースさんを担いで帰っていった。


・・・・つづく。

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