マ第6巻マ
□第159話 どっちが最強?
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「お師匠様、起きてください。」
「あと、5分。」
バキッ!!
「おごぉっ!!」
メアリーだけだと油断していた私はセフィリアのダイナマイトパンチを喰らってしまう。
「ほら、早く起きてtomoさん達を起こしてきなさい。」
結局、tomoさん達はピーターさんの家に泊まった。そしてtomoさんの夜ばいを防ぐ為、フローラがマリーの家に泊まったようだ。
「それじゃあ、tomoさん達を起こしにいこうか。」
「私も行きます。」
メアリーがついてくる。
「ピーターさん、おはようございます。ってどうしたのですか?顔色が悪いですよ。」
「エ、エバンスさん・・・・、昨日のハンターさん、tomoさんが死んでます。」
「え〜〜〜〜〜!?」
私は慌ててtomoさんが眠っている部屋に向かう。
確かに微動だにせずに目も少し開いている。
私はtomoさんの呼吸を確認する。
「大丈夫です。生きています。」
「本当ですか?良かった。」
ピーターさんはホッと胸を撫で下ろす。
「tomoさん、起きてください。」
全く起きる気配がない。
「おはようございます。あっ、ダメですよ。総隊長殿は一度眠ると他人が起こしても起きないですよ。」
功さんが目を覚まして言う。
「それじゃあ、どうすれば?」
「放っておきましょう。それが一番ですよ。」
マユリさんも功さんに同調するように言う。
私は二人の意見に流されとりあえず功さんとマユリさんを連れて家に戻る。
「ただいま。あれ?アリスさん、来ていたのですね。」
「ええ。お邪魔しています。」
アリスさんと会話をしているときにtomoさんが走ってくる。
「起こしてくれや。放っていくってひどすぎるやろ。」
「ちゃんと起こしましたよ。ねえ、功さん。」
功さんは静かに頷く。
tomoさんは功さんが頷いているのを確認すると静かになる。
「エバンスさん、そちらの方達は?」
「アリスさんは初対面でしたね。tomoさんと功さんとマユリさんです。」
「tomoさんってもしかして【神撃のtomo】?」
「何ですか?【神撃のtomo】って?」
「神の一撃を持つハンターってことよ。」
「久しぶりに言われたな。懐かしいわ。」
どうやら【神撃のtomo】=tomoさんのようだ。
「聞いたことがあるわ。【神】の通り名を持つ二人のハンターがいるって。その二人が今、目の前にいるなんて・・・・」
ニーナは感激しているようだ。
「それよりも綺麗な姉ちゃんやなぁ。」
tomoさんはアリスさんを見て呟くように言う。
「tomoさんって巨乳好きじゃなかったですか?」
アリスさんは小さいとは言わないまでも大きいとまでは言えない。
「いや、基本は大きいのがいいけど、彼女はまた違うものを感じる。」
tomoさんの言い分も解る気がする。それほどアリスさんには何か違う物を感じる。
「お母さんは強い人しか興味はありませんよ。」
「お母さん?何や、人妻かいな・・・・・・」
tomoさんは残念そうな表情をする。
「大丈夫ですよ。お母さんバツイチですから。」
「ホンマ?よっしゃ。」
tomoさんはあっさり復活する。
「tomoさんってマリーのことを気にいってたんじゃなかったですか?」
「もちろんマリーちゃんもいいよ。でも今はこっちや。」
「気に入ってくれたのは有り難いですけどメアリーが言ったように強い人しか興味ないですから私。」
「大丈夫、俺は強いから。」
確かに物凄く強いけど自分で言うか・・・・・。
「それでしたら勝負ですね。」
メアリーが対戦を煽る。
「それは無理や。女を殴るなんか俺の性に合わへん。」
「恐らく当たらないから大丈夫よ。」
アリスさんは自信満々で言う。挑発しているようだ。
同じ【神】の通り名を持つハンターなのだから実力は解っているはずだ。
「それでも無理や。」
tomoさんはあくまでも挑発に乗らない。
「みなさん、朝食の準備が出来ましたよ。」
マリーが空気を読まずに朝食を運んでくる。
とりあえず私達は朝食にする。
「おかわりお願いします。」
マユリさんは3回目のおかわりだ。朝からよく食べるな。
「どうしても勝負しないのですか?」
「何か別の方法やったらエエよ。」
別の方法って・・・・・
コンコンコン!!!
「エバンスさん、アーサーです。」
「どうしたのですか?」
「密林にイャンクックが二頭現れたのですが討伐に行ってもらえないのですか?」
これだ!!!
「解りました。すぐに行きます。」
私はアーサーさんに情報料を支払う。
「アリスさん、tomoさん。勝負の方法がありました。密林にイャンクックが二頭いますのでタイムアタックをしましょう。」
「もちろん私はOKよ。tomoさんは?」
「それやったらエエよ。ほな行こか。」
私達はストップウォッチを持って二手に別れる。
「イャンクックを発見した時点でストップウォッチをスタートさせるのだ。そこから討伐までの時間で勝負だ。アリスさんとtomoさん以外は手を出してはいけない。これで良いですね?」
アリスさんとtomoさんが頷く。
私とメアリーがtomoさんについていきニーナとアシュリーがアリスさんについていく。
「見つけました。」
メアリーがイャンクックを発見しストップウォッチをスタートさせる。
「じゃ、いこか。」
tomoさんがイャンクックに向かっていく。
先手必勝とばかりにイャンクックを切り刻む。
「よし、終わらすぞ。」
ダウンしたイャンクックにtomoさんが大剣を振り下ろす。
ズド〜〜〜〜〜ン!!!
地響きが響き渡りイャンクックが息絶える。
これが神の一撃か・・。
「メアリー、タイムは?」
「・・・・1分24秒です。早過ぎます。」
確かにバケモノ並のタイムだ。
私達はアリスさん達を捜す。
「あら、エバンス。まだイャンクック見つからないの?」
「そういうニーナこそ見つからないのか?」
私達はばったり出会う。
「もう倒したわよ。やっぱりアリスさんはバケモノよ。」
「こっちも倒したぞ。」
私達は家に戻ってからタイムを発表することにした。
「ただいま。」
「お帰りなさい。どうです?やっぱり総隊長殿の方が凄いでしょ?」
留守番をしていた功さんとマユリさんが聞く。
「結果発表は今からです。」
タイムを計っていたメアリーとアシュリーが同時にストップウォッチをテーブルの上に置く。
「tomoさん、1分24秒。
アリスさん、1分21秒。アリスさんの勝ちだ。」
「今回は私が勝ったけど次は解らないわね。いい勝負だったと思うわ。」
アリスさんがtomoさんに握手を求める。
tomoさんはアリスさんの手を両手で握る。
「俺の強さが解ったやろ。だから・・・・・」
「楽しそうね、tomo。今、地獄に落ちても悔いはなさそうね。」
フローラがtomoさんの後ろで指をポキポキ鳴らしている。
「い、いや、これは・・・・ごめんなさい。」
「問答無用!!!!」
「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」
「あの二人どういう関係?」
「tomoさんの天敵です。」
・・・・つづく。