マ第6巻マ

□第158話 最悪の組み合わせ!
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「馬鹿ハンター起きなさい。」

「は、はい。おはようございます。」

セフィリアには逆らわずの誓いが体中に染み付いた私はすぐに起き上がる。

「ちっ、もう少し寝てたら良かったのに。
まあ、起きたのだから早く食卓に来なさい。」

舌打ちをしなくても・・・。何が何でも殴りたいのか?
私は殴られないためにも、さっさと食卓へ向かう。

「おはよう、行くわよ。」

寝ぼけ眼の私をニーナが引きずっていく。

コンコンコン!!

「お客さんだ。誰だろう?」

私がドアを開けると元村長が立っている。

「お疲れ様でした。」

イヤな予感がした私はドアを閉める。

バキッ!!!

「おごぉっ!!!」

セフィリアのダイナマイトパンチが炸裂する。

「何やってるのよ。今、おばあちゃんが居たでしょ?」

セフィリアはドアを開けて元村長を招き入れる。

「傭兵、また雪山草を頼むべ。」

やっぱり・・・・・。

「お兄さん、僕も付き合いますよ。」

「悪い事は言わない。やめておけ。雪山草を採りに行って何も起こらなかったことなど一度もない。」

私の言葉に一瞬たじろいだがアレックスはそれでも行くと言う。

「それじゃあ、頼んだべさ。」

元村長は帰ろうとするがセフィリアが朝食に誘う。

「セフィリアと食事とは何年ぶりだべか?懐かしいべさ。」

私達は朝食を済ませ雪山へ向かう。
元村長はというとセフィリア、マリー、フローラとお茶会を始めている。

「気をつけて行くだべよ。」

他人事のように見送る元村長。私はセフィリアと元村長の血の繋がりを再認識する。

「お兄さん、ロクなことがないというのは例えばどういうことですか?」

アレックスがふいに聞いてくる。

「例えば、ティガレックスが突然現れて追い掛け回されたり・・・・」

「こんな風にですか?」

アレックスは目の前のティガレックスを指差す。

「そう、そう。こんな風に・・・・・・・。
ぎゃ〜〜〜〜〜!!出た〜〜〜〜〜!!!」

ティガレックス恐怖症の私は突然現れたティガレックスを見てパニックに陥る。

「うるさい。アレックス、エバンスを落ち着かせて。」

ニーナがアレックスに言いティガレックスに向かっていく。

「お師匠様、いい加減に慣れてください。」

メアリーにも叱られる。

「いやぁ、びっくりした。もう大丈夫だ。」

ティガレックスが私目掛けて突進してくる。

「甘い。」

落ち着きを取り戻した私はティガレックスの突進を余裕で避ける。

「お師匠様、後ろ。」

メアリーの言葉で後ろを振り向くとティガレックスはドリフトのように急転回して再び私に向かってくる。

「ぎゃ〜〜〜〜〜!!!助けて〜〜〜〜!!!」

パニックになる私にアシュリーの冷ややかな言葉が飛ぶ。

「師匠、ティガレックスはシビレ罠に掛かっていますよ。」

確かにティガレックスはシビレ罠に掛かり身動きが取れない状況だ。

「よし、行くぞ。・・・・ん?あれは?」

私の視界にキリンが入ってくる。

「キリンだ〜〜〜!!」

キリンという単語にニーナがいち早く反応し逃げ出す。

「最悪の組み合わせですね。ティガレックス嫌いのお師匠様とキリン嫌いのニーナさん。それが同時ですからね。」

「とにかく閃光玉を投げておきますね。」

アシュリーが閃光玉を投げてティガレックスの視界を奪う。

「アシュリーとアレックスは攻撃をしなくてもいいからティガレックスを見張ってくれ。」

「はい、僕はアシュリーの近くでキリンの攻撃に備えます。」

アシュリーは遠くから視界を奪われたティガレックスを狙撃する。

「メアリー、とにかくキリンを倒してニーナを戦線復帰させるぞ。」

「はい。」

私とメアリーは全力でキリンに斬りかかる。

「師匠、ティガレックスが行きました。」

「お師匠様、キリンがイカズチを落としますよ。」

「だぁ〜、いっぺんに言わないでくれ。」

そんなことを言ってもどうしようもない。とにかく私は必死で両方避ける。
キリンのイカズチに直撃したティガレックスは息絶える。

「物凄い偶然だが、とにかくティガレックスは倒した。後はキリンだ。ん?キリンはどこに行った?」

「お師匠様、後ろ。危ない。」

キリンの突進が目の前まで迫っている。

「うわぁ〜〜〜〜!!」

私は死を覚悟した。

「あれ?痛くない。死ぬ時とはこんなものなのか?」

「おい、兄ちゃん。俺がおらんかったら死んでたで。」

こ、この声は・・・・・

「tomoさん。どうしたのですか?」

「そんなことより先にキリンや。」

tomoさんの一撃で倒れているキリンをメアリーとアレックスが斬り続けている。

「俺が決める。」

tomoさんは大剣を構えて力の限り振り下ろす。

「おら〜〜〜〜〜!!」

ドオ〜〜〜〜〜ン!!!

tomoさんが振り下ろした大剣は地響きがするほど強烈な一撃だった。
当然、そんなものを喰らったキリンは即死だ。

「あ、ありがとうございます。カッコイイお兄さん。」

ニーナはtomoさんとは初対面だったな。
ネコをかぶっている。
ん?いや、一度昔に助けられているはずだが・・。私の勘違いか?
まあ、いいか。

「ん、ああ、別にいいよ。」

tomoさんは素っ気ない返事だ。

「早く帰ってマリーちゃんに会わせてや。」

あっ、そうか。ニーナに素っ気ない理由が解った。

「それよりもtomoさんの後ろにいる二人は?」

「ああ、うちの隊員の功塾長殿とマユリくんや。」

塾長?どういう意味だ?

「それよりもウチの副隊長の999を見てないか?」

「999さんですか?いえ、あれ以来来ていないですけど。まだ行方不明なんですか?」

「そうやねん。まっ、ほっといても勝手に帰って来るやろうけど。俺って優しいから捜してるっちゅう訳や。」

「総隊長殿、ウソはダメですよ。マリーちゃんに会いに行こう。って嬉しそうに言ってたでしょ?」

後ろの功塾長殿という人がツッコミをいれる。

「どうして?私には見向きもしないで、どうしてマリーさんなの?」

「ニーナ、残念だがtomoさんは巨乳好きなのだ。諦めろ。」

バキッ!!!

「おごぉっ!!」

「ほらっ、兄ちゃん。行くで。」

私達はtomoさん達を連れて家に帰る。

「お帰り・・・・・って何でtomoさんがいるの?」

私はセフィリアに事情を説明する。

「あっ、エバンスさん、お帰りなさい。」

「マリーちゃん!!」

tomoさんがマリーに飛び付く。

バキッ!!!

「痛っ!!誰や?」

「久しぶりね、tomo。」

「う、フローラ・・・。お久しぶりです。」

「何をしに来たのかしら?」

「ゆ、行方不明の隊員を捜しに・・・・・」

「行方不明の隊員捜しとマリーに飛び付くことの因果関係は?」

「あ、ありません。ごめんなさい。」

完全にフローラが場を支配している。珍しい現象だ。

「まあまあ、せっかく来たのですから夕食も食べていってください。」

「やっぱりマリーちゃんは優しいなぁ。」

マリーの言葉に甘えて夕食を食べるtomoさん達。しかし・・・・

「おかわりお願いします。」

マユリさんのおかわりは7回目だ。

「凄いわね。あの体のどこにあれだけ入るのかしら?」

セフィリアは驚きの声をあげる。

「作っている私とマシューさんの立場からすると、こんなに嬉しいことはないですよ。」

マリーが本当に嬉しそうに言う。

「ところでtomo。今日はどこで寝るつもりなの?」

「もちろん、マリーちゃんの隣やん。」

バキッ!!

フローラのパンチがtomoさんの顔面をとらえる。

「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」

「tomoさんとフローラお姉さんも最悪の組み合わせですね。」


・・・・つづく。

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