マ第6巻マ

□第155話 体調不良!
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「お師匠様、起きてください。」

何故、朝というのは毎日訪れるのだろうか?一日中夜の日があっても良いではないか?

「ブツブツ言ってないで早く起きてください。マリーお姉さんに殴られますよ。」

マリーよりも先にニーナに殴られるだろうな。

「わかった。起きるよ。おはよう、メアリー。」

私は起き上がり食卓へと向かう。

「おはよう、馬鹿ハンター。」

「ああ、おはよう。」

いつもならここでニーナが出て来て私を引きずり出すはずなのだが・・。

「ニーナはどうしたのだ?」

「そういえば今日はまだ見ていないわね。寝坊じゃない?様子を見に行ってきてよ。」

なぜ私が?お前が見にいけば良いではないか?
私はあくまでも心の中で呟くだけにして口では正反対の言葉を出す。

「わかった。後で様子を見てくる。」

「今すぐ行きなさい。」

「今、行くとマリーに殴られるではないか。」

「大丈夫よ、私は殴られないから。早く行きなさい。」

あ、悪魔だ。こんな時、フローラが居てくれたら私を守ってくれるはずなのに。フローラは研究室に入ったままだ。

「あら、ハンターさん。お出かけですか?また、マリーに殴られますよ?」

私はフローラに経緯を説明する。
これで助かったと思った。
しかし・・・・

「それは大変ですね。もし風邪などひいていたらきっと辛いはずですからハンターさん、すぐに様子を見てきてください。」

希望の光を失った私は仕方なくニーナの家へ向かう。

「お師匠様、私も一緒に行きます。」

メアリーもついてくる。

「ニーナさんの部屋って初めてですね?どんな感じなのでしょう?」

そういえば家を作る時もあの頃のニーナは私達を避けていたから手伝ってもいないし謎だな。

「私の予想ですけど、きっと武器などを飾って格好良い部屋ですよ。」

「確かにニーナらしいな。真っ白な壁に武器が並んでいるような。」

「楽しみですね。」

私達はニーナの家に到着する。

コンコンコン!!
「ニーナ、私だ。エバンスだ。」

「・・・・・・・・・」

「返事がありませんね。・・・まさか、倒れているなんてことありませんよね?」

メアリーの言葉で心配になった私はドアを叩き破る決心をする。

「どうりゃ〜〜〜!!」

「お師匠様、鍵開いていますよ。」

私はおもいっきり出鼻をくじかれた。

「お〜い、ニーナ、大丈夫・・・・」

私は部屋に入るなり言葉を失う。

「うわ〜、可愛いお部屋ですね。」

メアリーの言うように部屋の壁は一面ピンクで部屋中にぬいぐるみが飾られている。

ベッドで眠っていたニーナはメアリーの声に気付き慌てて起き上がる。

「な、エバンス、な、なんで・・・・」

私に驚いたニーナは言葉が言葉にならない。
私もニーナの可愛いデザインのパジャマを見て言葉にならない。

「なんでエバンスがここにいるのよ?」

バキッ!!!

「おごぉっ!!!」

ニーナのフルスイングパンチが私の顔面をとらえる。

「家に来ないから心配で見に来たのだ。」

「風邪をひいたのよ。マリーさんには伝えたわよ。平気だから見舞いもいらないと言っておいたはずよ。」

「マリーは厨房で朝食を作っていたから私は聞いていないぞ。」

私は目の前に映る光景がまだ信じられずにいた。

「あ、あんまりジロジロ見ないでよ。・・・・・あと村長は絶対に連れてこないでね。」

「なぜだ?」

「エバンスは私の部屋のイメージをどんな風に想像していたの?」

「部屋中に武器が飾ってある格好良い部屋を想像していた。」

「おそらく村長も同じイメージだと思うわ。だからこそ連れてこないで。」

ようするに恥ずかしいのだな。

「あと、エバンスとメアリーには見られたから仕方がないから他は誰も連れてこないで。話すのもダメよ。」

「わかった。私達は一度帰るから。食事時に食事を持ってくるぞ。」

「ありがとう、お願いするわ。
あ〜あ、とんだ誕生日ね。」

「今日、誕生日なのか?」

「そうよ。別に何も期待していないから無理しなくていいわよ。」

ニーナはああ言っているがプレゼントくらいは用意したほうが良いだろう。

「わかった。お大事に。」

私とメアリーは一度家に帰る。

「ただい・・・・」

「エバンスさん、ニーナさんが風邪をひいたというのは本当ですか?家はどこですか?」

私はピーターさんの勢いに押されて家を教える。

「あ〜、びっくりした。それにしてもピーターさんはニーナのことになると人格が変わってしまうな。」

今回は事情が事情ということでマリーも許してくれて殴られずに済んだ。

「ところでニーナの食事は用意してくれているのか?」

「はい、もちろんです。エバンスさん、ニーナさんに届けてくれませんか?」

私とメアリー以外は入室禁止だから仕方がないだろう。

「わかった。」

私はニーナの食事を受け取りメアリーと一緒にニーナの家へ向かう。

「お師匠様、ここからは私がニーナさんの食事を持ちます。」

ニーナの家の前で突然メアリーが言う。

「なぜだ?すぐそこではないか?」

「じきに解りますから。」

メアリーが強引に食事を受け取る。

コンコンコン!!!
「お〜い、ニーナ・・・・・・」

ガチャ!! バキッ!!

「おごぉっ!!!」

ドアが開くなりニーナのフルスイングパンチが私の顔面をとらえる。

「あなた達以外入室禁止と言ったでしょ?なのにどうしてピーターさんに家の場所を教えたのよ?」

メアリーが食事を受け取った理由が今、解った。

「とにかく、これ以上私の家の場所を教えたら殺すわよ。」

「は、はい。すみません。」

・・・・・翌日。

「おはよう、エバンス。昨日はありがとう。おかげですっかりよくなったわ。」

「ニーナ、誕生日おめでとう。これ、プレゼントだ。」

「ニーナ、誕生日なの?一言言ってくれたら私もプレゼントくらい用意したのに。」

「ありがとう、エバンス。村長も気持ちだけで十分よ。開けてもいい?」

「ああ、いいぞ。プレゼントはこれしかないと思っていた。」

ニーナが包みを開けると中から可愛いクマのぬいぐるみが。

「ニーナってそういうのが好きなの?意外ね。」

セフィリアが嬉しそうにからかう。

「エバンスのバカ〜〜〜〜〜!!!!」

「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」


・・・・つづく。

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