マ第6巻マ

□第152話 宿命の対決!
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バキッ!!

「おごぉっ!!!」

私は突然の出来事に思わず跳び起きる。

「ア、アリスさんじゃないですか?突然何をするんですか?」

「私に黙って腕相撲大会を開催した罰よ。」

「それはセフィリアが・・・・」

バキッ!!!

「おごぉっ!!!」

今度はセフィリアのダイナマイトパンチだ。

「おはよう、馬鹿ハンター。私が何?」

アリスさんの背後でセフィリアが睨みをきかす。

「いえ、私が腕相撲大会を開催しました。」

「本当に酷い話よね?アリスさんに伝えないなんて。」

セフィリアの責任転嫁のほうが酷い話だ。

「エバンスさん、とにかくこの話は朝食後にゆっくりしましょう?」

「・・・・は、はい。」

私達は食卓へ向かう。

「おはよう、エバンス。いつものように私一人でアーサーさんの店に情報を仕入れてきたわよ。」

いつも?一人で?

「何を言って・・・・」

バキッ!!!

「おごぉっ!!!」

「何か?」

「い、いえ、いつもありがとうございます。」

ニーナが仕入れた情報によると沼地にショウグンギザミがいるらしい。
私達は朝食を済ませ沼地へ向かう準備をする。

「アリスさんも来てくれますか?」

「いやよ。」

まだスネているようだ。本当に子供みたいな人だ。

「わかりました。腕相撲の件は何とかしますから機嫌を直してください。」

「本当?約束よ。それじゃあ、さっさといきましょう。」

アリスさんはあっさりと機嫌を直す。

「お師匠様、すみません。お母さんに代わって謝ります。」

どっちがお母さんだ?メアリーのほうがよっぽど大人だ。

「エバンスさん、何か言いました?」

「いえ、早く出発しようと・・・・」

「そうね、行きましょう。」

私達は沼地へと向かう。

「それじゃあ、アシュリーはシビレ罠を頼む。」

「わかりました。お任せください。」

私達は沼地の洞窟へ入りショウグンギザミを発見する。

「危ない。」

ショウグンギザミは私達を発見するなりカニ走りで突進してくる。
私はアシュリーを抱え、アリスさんはメアリーを抱え避ける。

「ニーナ、頼む。」

「OK!」

ニーナはショウグンギザミをメッタ斬りにする。

「いつ見てもニーナさんの攻撃は惚れ惚れするわね。」

「あ、ありがとうございます。」

アリスさんに褒められてニーナが油断する。

「危ない、ニーナ。」

私は飛び込みニーナを掴んでショウグンギザミの攻撃から脱出する。

「大丈夫か?」

「え、ええ。ありがとう。」

ニーナが照れながら感謝の言葉を口にする。

「師匠、シビレ罠の準備ができました。」

アシュリーの仕掛けたシビレ罠にショウグンギザミを誘導する。

「掛かった。今だ。」

私達は情け容赦なしの全員攻撃を開始する。

「全員、離れろ。シビレ罠の効果がきれる。」

双剣乱舞の途中だったアリスさんは少し逃げ遅れてかすりを負う。

プチッ!!

「な、何の音だ?」

「お師匠様、ニーナさん。逃げてください。お母さんがキレました。」

「なに〜〜〜!!?」

アリスさんの周りには殺気のオーラが漂っている。

「な、なぜキレたのだ?ただのかすり傷だぞ?」

「おそらくプライドを傷つけられたのだと思います。今のお母さんに近づくと巻き添いを喰らいますよ。」

私達はメアリーの言葉を聞き更に距離をとって避難する。

「私の体に傷をつけたことを後悔しなさい。雑魚のくせに。」

ほ、本当にかすり傷程度でキレてる。
もしかして初めてアリスさんの本気を見ることができる?

「死になさい。」

一瞬の出来事だった。
アリスさんが消えたと思った瞬間にショウグンギザミが真っ二つになっていた。

「あ、あのアリスさん?近づいても大丈夫ですか?」

「ええ、もちろんよ。でも私もまだまだ未熟ですね。あの程度でキレてしまうなんて。」

「とにかく帰りましょう。アリスさんも一応治療をしておいたほうが良さそうだし。」

「そうだな。」

私達は帰路につく。

・・・その途中。

「エバンスさん、腕相撲の件はどうなりました?まさか、その場しのぎのウソだったということはないでしょうね?」

アリスさんが先程のとてつもないオーラを出す。

「だ、大丈夫です。ちゃんと考えています。帰ってから言いますから。」

「そう、良かった。」

良かったのはこっちだ。考えていなければ間違いなく私は死んでいただろう。

「ただいま。セフィリア、マリー。ちょっと協力してくれないかな?」

「何よ?」

「何ですか?夕食の準備がもうすぐ終わりますから待ってください。」

マリーが夕食をテーブルに並べ終えるのを待つ。

「お待たせしました。」

「実はセフィリアとニーナとマリーとアリスさんで腕相撲大会をしようと思うのだが・・・・」

「私は賛成よ。村長にリベンジができるし。」

「私も問題ないわ。マリーにリベンジできるわ。」

セフィリアとニーナは即断で賛成する。

「私もいいですよ。」

マリーは単純に楽しそうだからという理由だろう。

「エバンスさん、ありがとう。で、組み合わせはどうするの?」

私は2本の紐を取り出す。それを半分に折り、折れた部分を隠す。

「これを引いて同じ紐を持っているもの同士で勝負する。勝ったら決勝だ。」

4人は紐を引く。
ニーナとマリー。セフィリアとアリスさんで最初の対決だ。
まずはニーナとマリーだ。

「レディ・・・ゴー!」

ニーナは少し粘ったがやはりマリーには敵わなかった。

「村長にリベンジできなかったわ。」

「ニーナさん、落ち込まなくても大丈夫よ。どのみちセフィリアさんも決勝には行けないから。」

アリスさんは凄い自信だ。セフィリアは何とも言えないオーラを出す。挑発に乗ったようだ。

「レディ・・・ゴー!」

アリスさんの自信通り、白熱した戦いだったがアリスさんが勝利する。

「決勝はマリーとアリスさんだな。」

「私も見たいですね。」

フローラが観戦する。

「私も見たいです。」

メアリー、アシュリーも見たいということで広い食卓へ移動する。
念のため食事を二人から離す。

「これだけ離せば当たることはないだろう。
では・・・・・
レディ・・・・ゴー!」

二人の腕はピクリとも動かない。

「さすがマリーさんね。でも、まだ本気じゃないでしょ?」

「アリスさんこそ本気じゃないですよね?」

「そろそろお互い本気でいきましょう。」

「そうですね。では・・・・・」

バキッ!!!

二人の本気に耐え切れずテーブルが真っ二つになる。

「す、凄いな。」

「関心してる場合じゃないわよ。夕食どうしてくれるのよ?」

「あ・・・・・・・」

夕食は見事にぐちゃぐちゃになってしまっている。
フローラを除く女性陣が私を睨む。

「ま、待て。私の責任では・・・・・」

「問答無用!!!!」

「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」


・・・・つづく。

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