マ第6巻マ

□第151話 風と炎の狂想曲!
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「お師匠様、起きて下さい。起きないと跳びますよ。」

メアリーはついに脅迫を覚えたようだ。まあ、予告なしに跳ばれるよりはよっぽど良い。

「わかった、起きるから跳ぶのだけは勘弁してくれ。」

私は嫌々起き上がる。

「おはようございます。それじゃあ食卓に行きましょう。」

メアリーは私の手を引いて食卓へ連れていく。

「おはよう、行くわよ。」

私は寝ぼけ眼のままアーサーさんの店へ向かう。

「おはようございます、エバンスさん。今日は久しぶりの大物ですよ。」

別に私は大物は望んではいない。望んでいるのは・・・・・私は横目でニーナを見る。
ニーナの目はイキイキしている。

「それで大物というのは?」

「砂漠でクシャルダオラが目撃されています。行きますか?」

「行くも何もニーナを見てください。」

ニーナは既に契約書にサインをしている。

「相変わらず即断ですね。それでは気を付けて行って来て下さいね。」

私はステファニーさんに情報料を支払い一度家に戻る。

「ただい・・・・」

バキッ!!!

「おごぉっ!!!」

マリーの剛腕パンチが炸裂する。

「何度も言わせないでください。朝食が冷めるじゃないですか。早く食べてください。」

「なぜ私だけなのだ?元はと言えばニーナが・・・・・」

マリーがパンを口に運びながら私を睨む。

「・・・すみません。すぐにいただきます。」

【食】が関わるとセフィリア並に恐ろしい。普段は優しいのに何故だ?

「エバンスさん?」

考え事をしていて食が進まなかった私を見てマリーが怖い口調で私を呼ぶ。

「す、すみません。」

私は急いで朝食を食べる。

「ゲホッ、ゲホッ!」

「急いで食べるからですよ。はい、水です。」

私は水を慌てて飲む。

「ふぅ、助かった。ありがとう、マリー。」

朝食を終えて私達は砂漠へ向かう。

「お師匠様、あそこにいますよ。ってニーナさん、行っちゃいましたね。」

ニーナは既にクシャルダオラに斬り掛かっている。私達もニーナに加勢する。

「きゃあ。」

メアリーがクシャルダオラの風に吹き飛ばされる。
私はメアリーを捕まえて守る。

「大丈夫か?」

「はい、ありがとうございます。」

私達は態勢を立て直し再びクシャルダオラに斬りかかる。

「どうりゃ〜〜〜!!」

私は力の限り大剣を顔面に振り下ろす。
クシャルダオラはたまらずダウンする。

「よし、今だ。」

私達が全員攻撃をしようとした時、アシュリーが叫ぶ。

「師匠、何かモンスターが来ました。」

私は上空を見上げる。

「テ、テオ・テスカトル!?なぜ?」

私はパニックになる。

「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ。」

「エバンス、あなたがしっかりしないでどうするのよ?」

ニーナの言葉で我に返る。

「よし、3人は引き続きクシャルダオラの討伐を頼む。私は1人でテオを討伐する。」

「大丈夫なの?」

「心配はいらない。前回痛めつけたテオのようだ。」

私は顔面が破壊されたテオを指差して言う。

「本当ね。じゃあ、お願いするわ。」

「ニーナこそ、メアリーとアシュリーを頼むぞ。」

「わかったわ、任せて。」

ニーナの力強い返事を聞き、私はテオ討伐に集中する。

「お前の相手は私・・」

「お師匠様、そっちにクシャルが・・・・」

「え?・・・・にぎゃ〜〜〜〜〜!!!」

私は半泣きでクシャルの突進をかわす。

「し、死ぬかと思った。こ、今度こそは格好良くキメる。お前の相手・・・・」

テオは炎塵をあげていた。

「ぎょえ〜〜〜〜!!」

私は完全に涙を流しながら逃げる。

「はあ、はあ、はあ。こ、殺される〜〜〜!!」

この2頭を同時に相手をするのは無茶苦茶すぎる。

「ここは一旦引き下がるべきだろう。」

私はニーナ達に撤退を告げる。

「どうしてよ?エバンスが囮になってくれているから順調よ。」

確かにニーナ達はクシャルダオラをかなり痛めつけている。
しかし、囮になっている私の身にもなってくれ。というかそれ以前に私は囮になった覚えなどない。

「お師匠様、危ないです。」

クシャルダオラがウインドブレスを吐く。

「なのにどうして私ばかりを狙うのだ〜〜!!」

私は必死に避けるが目の前にはテオが・・・・

「うひゃ〜〜〜!!!」

私は驚いて大剣を落としてしまう。完全に丸腰だ。

「た、助けて〜〜!!」

攻撃手段を失った私にはもはや逃げるしかない。
テオが私を追い掛ける。

「これは死んだな。」

私が諦めかけたその時、拡散弾がテオの顔面をとらえてテオは絶命する。

「あ、ありがとう。謎のハンター。」

私は姿の見えない謎のハンターに感謝し大剣を拾いクシャルの討伐に加勢する。

「お師匠様、もうすぐ顔面が破壊できそうです。お願いできますか?」

「任せろ。」

私は渾身の力でクシャルの顔面目掛けて大剣を振り下ろす。
クシャルの顔面は破壊されクシャルは上空に舞い上がり退散する。

「お、終わった〜。」

「疲れましたね〜。」

全員その場に座り込む。

「まさか、クシャルダオラとテオ・テスカトルが同時に現れるとは思わなかったわね。」

「全くだ。今度こそ死ぬかと思ったぞ。」

私達はしばらく休んでから帰ることにする。

・・・・・・・・・・・

「そろそろ帰りましょうか?」

ニーナが立ち上がり、メアリーとアシュリーも立ち上がる。

「そうだな。」

私も立ち上がったが思っていたより疲労がありフラつく。

ガシッ!!!

私は何かに捕まり難を逃れる。・・・・訳はなかった。
掴んでいたのはニーナの胸とお尻だ。

「こ、この・・・・・・ドスケベ!!!」

「ぎゃぴ〜〜〜〜!!!久しぶりにこのオチが来たか〜〜〜〜!!!」


・・・・つづく。

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