第1巻
□第18話 束の間の休息aデート`不思議な猫アイルー登場a
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「ふ〜、今日はモンスターも現れなかったことだし久しぶりにのんびりしよう。」
私は家に戻りセフィリアとマリーがいないこともありのんびり休む。
つもりだった。
「エバンスさん、お帰りなさい。今日は早かったですね`」
あんたはセフィリアではなく私のストーカーになったのか`
「どうして私が帰ってきたことを知っている`」
「はい。セフィリアさんの家から出た時に偶然エバンスさんを見かけたんです。」
なるほど。私のストーカーになったのではなかったのだな。
私はホッと胸をなでおろす。
「ということは今日はマリー一人か`珍しいな。どうしたんだ`」
「はい。セフィリアさんに村を案内して下さいってお願いしたらエバンスさんに頼めって言われたので・・・。」
あの女・・・私に厄介事を押し付けたなヤ
「やっぱりダメですよね`エバンスさん最近はモンスター討伐で疲れてますしね。」
確かに私は疲れている。しかしマリーの淋しそうな顔をみていると疲れなどどうでもいいと思ってしまう。
「よし、行くか。マリーには肉を焼いてもらった恩もあるしな。」
「ほ、本当ですか`でもエバンスさん大丈夫ですか`疲れてませんか`」
この娘は本当にいい娘だ。といっても私より年上だが・・・。セフィリアもマリーの半分でも優しさがあればなぁ・・・
「ああ、大丈夫だ。私は鍛えているから、このくらい疲れているうちには入らないぞ。」
「はい。有難うございます。セフィリアさんもエバンスさんの半分でも優しさがあれば良いんですけどね。」
今日の私とマリーは以心伝心のようだ。
「そうと決まれば早速行くとするか。マリーは村のどこまで行った事があるのだ`」
「はい。一番遠くに行ったのはセフィリアさんと一緒にアルバートさんの所まで行った時ですね。」
ああ、あの時か。そういえば私もアルバートさんの所より東に行った事はないな。
「それではアルバートさんの所からさらに東に行ってみるか`私も行った事はないが。」
「はい。でもそれじゃあ案内になりませんよ`でも面白そうですね。」
というわけで私達は東へ向かう。ついでなのでアルバートさんの所に顔をだす。
「お久しぶりです。アルバートさん。アルバートさんの作った剣、かなり役立っていますよ。」
「おお、あの時の兄ちゃんだべか`なんだべ`今日はデートだべか`若いってエエべな。」
この村はよっぽどこういう話題が好きなようだな。ここはしっかり否定をしておかなければまた誤解される。
「はい。今日はデートです。エバンスさんがこの村を案内してくれているんです。
aaaaこらこら、この村の人達にそういう事を言うな。
「おお、そうだべか。今日のドンパの酒場での酒の肴ができたべ。」
はあ〜、だから言っただろう。
「あの、アルバートさん。これはデー・・・・```居なくなってる。」
「アルバートさんなら出て行きましたよ。何だかとても嬉しそうに出て行きましたけど。」
あんたのデマが原因だヤ
しばらくはドンパさんとは顔を合わせないようにしよう。
「それでは行くとしよう。主のいない家にいても仕方がない。」
「はい。ところでどこに行くのですか`」
あんたが案内しろと言ったんだろヤヤヤ
「マリーはここより遠くには行ったことがないんだろ`だから私が案内しているんだろ`」
「はい。そうでした。でもエバンスさんも行った事ないんですよね`」
しっかり覚えているではないかヤヤヤ
「そんなことより早く行こう。」
私とマリーが外に出ると、どこからか声が聞こえる。
「そこのあんた、俺を雇わないかニャ`今なら格安にしておくニャ。」
なんだ`この耳に残るような言葉遣いは`それにどこから聞こえるんだ`
「下ニャ、下を見るニャ。ここだニャ。」
マリーが甲高い声をあげる。
「あ〜、猫さんです。猫がしゃべってます。」
私はそんなバカなと下を見る。
「本当だ。本当に猫がしゃべってる。」
突然現れたしゃべる猫。そして雇用を願い出る。果たしてエバンスはこの猫を雇うのか`
・・・・・つづく。