第1巻

□第16話 火山は蟹が旬の季節`
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「エバンスさん起きて下さい。もう朝ですよ。」

私はいつものように起こされる。しかし今日はマリーだけだ。

「ん`セフィリアはどうした`マリーがセフィリアと一緒ではないとは珍しいな。」

「はい。セフィリアさんは朝早くから火山の様子を見に行きましたよ。私は危ないから来ちゃダメって言われました。」

おいおい、セフィリアも十分危ないだろ。なぜ私を連れていかない`
私は急いで準備して火山へと向かう。

「エバンスさん気をつけて下さい。・・・・あ、そうだ、これ持っていって下さい。」

そう言って私に渡したのはセフィリアが作ったあの怪しい色の薬だ。

「これは例のハチミツ入りの方なのか`」

「はい。もちろんです。・・・・・たぶん。」

私は火山へ向かう。火山といってもまだ噴火したわけではない。しかしこの山一体の気温は以前に比べ随分上昇している。

「お〜い、セフィリア。どこだ`」

私の声に答えるようにセフィリアが返事をする。

「あら`何しにきたのよ`よくここだってわかったわね`」

「マリーに聞いたんだ。あんたこそいつ噴火するかわからない山に来て危ないだろ。」

「あら`心配してくれるの`でも大丈夫よ。もう調査も終わって帰る所だから。」

そう言ってセフィリアが下山しようとした時、ガミザミがセフィリア目掛けて走ってくる。

「危ないaaaa」

私は必死にセフィリアを突き飛ばす。幸いにもセフィリアはかすり傷程度で済んだ。

「早く逃げろaaここは私に任せるんだaaa」

私の言葉にセフィリアはただ頷いて言うとうりに逃げる。

さて後はこいつか。私はガミザミに剣を構える。

「この程度なら楽勝だろう。」

私にはブルファンゴ戦より余裕があった。
しかし・・・・噴火していないとはいえここは火山だ。

「しかし・・・・熱い・・・・うわぁaa汗が目に〜〜〜。ちょ、ちょっとタイムaaa」

もちろんガミザミにこの言葉が届くわけがない。
ガミザミの容赦ない攻撃。
私は逃げる・・・しかしガミザミが追い掛ける。

「し、しつこい。しかもカニ歩きのくせに速すぎるだろ。」

しかも汗が目に入り私は戦いどころではない。
私は威嚇目的で大剣を適当に振り回す。

「グギャ〜〜〜・・・・」 バタッaa

「ん`何か手応えがあったが・・・・」

見てみるとガミザミの死体が転がっている。

「・・・・・・・勝った・・・・のか`」

私はガミザミの死体をつついてみる。・・・・反応なし。

「ものすごい偶然だが・・・・助かったようだ。」

私は意気揚々と村へ帰る。私の家には無事逃げ帰ることができたセフィリアもいた。

「あ、馬鹿ハンター・・・・あの・・・よく死ななかったわね。あれで死なれたら私も目覚めが悪くなるからね。」

・・・・有難うのつもりか`まあこのほうがセフィリアらしいか。

「あれくらいのモンスター、私の相手ではないぞ。」

私はセフィリアを気遣い
余裕に振る舞う。

「まあ、所詮ガミザミだし馬鹿ハンターでも大丈夫よね。」

いつものセフィリアに戻ったようだ。

「しかし、火山にもモンスターが現れるようになったな。他のハンターはまだ来ないのか`」

「そうね。未だにゼロよ。・・・・・・そ、それと・・・今日は・・あ、ありがとう。」

「ん`私はいつものように調査に行ってたまたまあんたが居ただけだが`」

私はセフィリアをからかうように答える。

「それでも私は御礼を言いたいの。素直に聞きなさいよ。」

セフィリアは顔を赤らめて言う。

「わかったよ。でも私もブルファンゴ討伐の時にあの薬に助けられたからこれであいこだ。」

私とセフィリアはお互い照れ隠しで笑う。
しかし今回は運良く助けることが出来たが今後はどうなるかわからない。だから私はセフィリアに無理をしないように注意をした。




ついに火山にもモンスターが現れた。しかしハンターはエバンスひとり。
大丈夫か`エバンス`


・・・・・つづく。

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