第1巻
□第13話 フローラからの手紙aセフィリアの決断a
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私がポッケ村にきて2ケ月、当然のように雨期は続いている。セフィリアは怪しげな調合の研究を続け、マリーはそれを楽しそうに見ている。
「マリー、あなた最近あれこれと聞かなくなったわね`どうしたの`」
「セフィリアさん、もしかして淋しいんですか`」
「違うわよ。ただ大人しいから調子が狂うというか・・・・。」
「その調合っていう研究って見てるだけで楽しいんです。」
というような平和な会話を聞いていると本当にモンスターがくるのか`という気持ちになる。
「ところで馬鹿ハンター`あんた今日はどこの調査に行ったの`」
「ああ、今日は遠くの山を見て来たが、あそこ大丈夫なのか`村長の話だと100年周期で噴火するって話だが。」
「ええ、あの山はよく噴火するみたいね。でも大丈夫よ。ここまでは影響は無いから。」
おいおい、どうしてそんなに自信があるんだ`万が一ということもあるだろ`
私の疑惑の目に気付いたのか`セフィリアが言葉を付け足す。
「あなた山の裏側見てないでしょ`あの山の噴火の影響は全て裏側にいくのよ。」
ああ、なるほど。セフィリアの自信と村長の余裕はそこからきていたのか。
「100年周期って以前はいつ噴火したのですか`」
大人しかったマリーが私のセリフを取るかのように質問する。
「ちょうど100年前よ。そろそろじゃないかしら。次の噴火までは。」
aaaa
おい、私が調査してる時に噴火したらどうするんだヤヤヤ先に言っておけ、そういうことはヤヤヤ
「あ、それとここの火山は一度噴火したら後は急激に静かになるけど油断しちゃダメよ。熔岩はずっと出てるから。」
それは先に言ってくれたのは助かる。
「ところでセフィリア。君宛てに手紙がきてるから渡してくれと村長に頼まれたんだが。」
「あっそ、どうせ頭の堅いおじさん学者が私をバカにして出したんでしょ。」
「いや、どうみても女性の名前だぞ。フローラって書いてるぞ。」
セフィリアがものすごい勢いで手紙を奪い取る。
「え〜、フローラさんからですか`何て書いてるんですか`」
私はマリーにそのフローラさんについて尋ねる。
「なあ、マリー。誰`フローラさんって`」
「はい。セフィリアさんと同じ学者さんで過去のデータを元に研究をするプロです。
詳しくは12話の番外編を読めばわかりますよ。」
最後の言葉の意味は全くわからないが学者ということはわかった。
「おい、セフィリア。そのフローラさんっていうのは何て言ってきたんだ`」
「私の論文が学会の偉いさんの目にとまったらしいわ。ポッケ村の雨期と密林の微妙な変化が理由らしいわ。」
「へ〜、よかったじゃないか。認められたんだ。」
私は本心から言ったがセフィリアの顔はなぜか困惑している。
「どうしたんだ`嬉しくないのか`」
「そうじゃなくて学会の議題に取り上げたいから帰って来い。って書いてるのよ。」
「良かったじゃないか。議題に上がるんだろ`」
「一度議題に上がると事実と照らし合わせるとかの作業で実際にモンスターが現れるまで学会に拘束されるわ。」
ようするにポッケ村では調査は出来ないということか・・・・・。
「で`どうするつもりだ`」
「考えたけどここに残るわ。今更私の論文に目を付けておいて偉そうに帰って来いって言われて帰りたくないわよ。」
そのプライドの高さ・・・・私に少しわけてほしい。
「それに・・・おばあちゃんのことも心配だし。」
それが本音だろう。割といいところがあるじゃないか。
これは口に出すと殴られそうなので言わないでおこう。
突然のフローラからの手紙にもポッケ村に残ることを決めたセフィリア。
そして火山の噴火は`
・・・・・つづく。