第1巻
□第10話 セフィリアの新学説a
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雨期に入り1ケ月。時々私は調査という名目でポントさんの山菜採りに同行する。
「オメエさんも大変だべな。完全にセフィリアちゃんの尻に敷かれてるべ。」
この村の人達はなぜ私とセフィリアをくっつけたがる`
「あの〜、ポントさん`私とセフィリアは別に何もありませんよ。」
「ん`ホントだべか`トンバがオメエさん達が結婚するとか何とか言ってたべ。」
やっぱり・・・・原因はトンバさんか・・・・。
「あのですね、トンバさんの情報で正しかったことはありますか`」
「そういえば1つもねえべさ。」
あんたは私よりトンバさんとの付き合いが長いだろ`気付けよヤヤヤ
「ところでオメエさん、調査っつうのはいいのか`」
別に調査といっても今までと何か変わったことがあるとセフィリアに報告するだけだから調査というほどの事ではない。
「ええ、大丈夫ですよ。ちゃんと調査してますから。」
「そうだべか。しかしセンターっつうのも大変だべな。毎日あちこちに調査だべ`」
私は既にポントさんのこのボケにツッコミを入れることは諦めている。ただ調査は別にハンターの仕事ではない。
まあ、見たところこの辺りに変わった所はない。
帰ろうとポントさんに近づくとポントさんは不思議そうな顔をしている。
「どうしたんですか`」
私はポントさんに尋ねる。
「いんや、このキノコ初めて見るべ。なんだべか`」
山菜の専門のあんたがわからないものを私にわかるわけがない。
「一応セフィリアに報告しますので私に預けて貰えませんか`」
「ああ、いいべ。オラも得体のしれないもんを売るわけにいかないべ。」
今日の収穫はこのキノコか・・・・。私とポントさんは村に戻る。
「ただいま帰りました」
私が家に戻るとマリーだけがいた。
「あれ`セフィリアはどうした`」
「あ、はい。何か慌てて出て行きましたけど。何か天候がどうのとか言ってましたけど。」
「そうか・・・・、セフィリアに報告したいことがあったんだが帰って来るまで待つか。」
しかし一体どうしたんだ`天候`あいつの言った通り今は雨期じゃないか。
私が考え事をしているとマリーが突然、
「あ〜〜、このキノコどこで見つけたんですか`」
どうやらマリーはこのキノコを知っているようだ。詳しく聞いてみよう。
「ポントさんが見つけたみたいだ。知っているのか`」
「はい。私が働いていた喫茶店で店長がよく料理に使っていました。店長は特産キノコって言っていましたけど。」
なんてアバウトな名前だ・・・・・。いったいどこの特産だヤヤ
何にせよ、このキノコが食用だということはわかった。
「馬鹿ハンター帰ってるaa```」
突然セフィリアが大声をあげて帰って来た。
「ああ、帰ってるぞ。どうしたんだ`そんなに慌てて`」
「あなたは私の自然現象のデータの確実性を信じるわね`」
確かに雨期もしっかり当たっているし信用はできる。
「ああ、一応信用はしてる。」
「よく聞いて。この雨期が終わるとポッケ村の一部で全く雨が降らない地域がでるわ。気温も半端なく上がるわ。」
おいおい、めまぐるしいな。
「そうなると私の予想ではその地域は砂漠化するの。早くおばあちゃんに言ってその地域の人を避難させなきゃいけないのよ。」
だったら私に言わずに村長に言えばいいじゃないか。
「ほら、行くわよ。グズグスしないa」
な、何`私も行くのか`
勘弁してくれよ・・・。
突然のセフィリアの新学説。本当にポッケ村の一部は砂漠になってしまうのか`
・・・・・・つづく。