第1巻
□第8話 密林の変化aそして・・・
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これほどまでに単調な生活は経験したことがない。セフィリアが言っていた雨期は本当にきた。雨期に入り1ケ月。雨が4〜5日続くと1日晴れる。そんな天候が1ケ月続いている。そして晴れた日には必ず・・・・・
「ほら、馬鹿ハンター起きろaさっさと調査に行くのよ。」
このパターンは以前に話したが今ではもう一人・・・・・
「はやく起きて下さいエバンスさん。セフィリアさんの言うことはちゃんと聞いて下さい。」
口調はセフィリアよりは優しいがセフィリアが二人いるような感覚が・・・・・
「おい、セフィリア。マリーはいつになったら帰るんだ`」
「あら`少し変なだけで苦にならないんじゃなかったかしら`」
この女・・・そんなところはよく覚えてやがる。
「ああ、苦にはならないな。」
私は強がって言う。この女に弱みを見せるとトコトンついてこられそうな気がする。
「なら、問題ないじゃない。」
あれだけ嫌がってたのにいつの間に手なずけたんだ`
「それよりセフィリア、なぜこの村には密林があるのに草食種のモンスターがいないんだ`」
私は以前から持っていた疑問をぶつけてみた。
「それは簡単なことよ。
密林の林の密度が濃すぎて草食種のモンスターが入れないのよ。」
なるほど。確かにあの密林は人が一人通るのが精一杯の広さだ。
「それなら密林を調査する必要は全くないじゃないか`」
セフィリアはその発言を馬鹿にしたように鼻で笑い言った。
「この村の林はね、既に樹齢数千年という木が相当あるのよ。そんな老木がこの雨期の雨に耐えられると思う`」
言っていることはもっともだがもう少し優しく言えないのか・・・・・
「そんなこと常識ですよ。」
マリーが横から口を出す。
ヤあんた絶対知らなかっただろヤ`
「そうだったんですか、勉強不足でした。」
「はい、わかったら調査に行きなさい。」
セフィリアに背中を押され私は仕方なく調査に向かった。
確かに初めて密林に来た時よりは通りやすくはなっている。セフィリアは口は悪いが学者としては優秀なようだ。
まあ、今日の収穫は以前よりは密林が通りやすくなったということだな。
私は村に帰ることにした。・・・・が以前にも話したようにこの村はとてつもなく広い。不覚にも村の中で迷子になった。
「お〜〜い、兄ちゃん」
どこからか声がする。
「そこの背中にバカでかいもん背負ってるオメエだ。」
間違いなく私を呼んでいる。どうやらそこの家の中から呼んでいるようだ。
なぜ人を呼びながら家から出てこないヤ
「あの〜、何か御用ですか`」
私の問い掛けにおそるおそる男が答える。
「オメエの背中のものオラにちょごっと見せてくれねえべか`」
私は少し驚いた。私の大剣にツッコミをいれた人はいたがここまで興味を示した村人はこの人が初めてだ。
果たしてこの村人はエバンスの大剣をどうしようというのか`そしてこの村人は一体何物なのか`
・・・・・つづく。