第1巻
□第7話 セフィリアの提案a
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酒場に入ると既にトンバさんは酔っていた。
「よう、兄ちゃんにセフィリアちゃん相変わらず仲がいいべな。」
あんたは普段の私たちをどう見て仲が良いと言える`そもそもあんたは昼間寝てるだろう`どこで私たちをを見ているんだ`
「すみませんがトンバさん、今日は真面目な話なんです。」
「なんだべ`オメエラ結婚すんべか`」
あんたの脳みそを覗かせてくれ。なぜそうなる`
「とにかくトンバさんはそこで飲んでいてください。」
そう言われてはさすがのトンバさんも黙ってスネてしまった。
さて、本題に入ろう。
私がどうしたのか`と尋ねるよりも先にセフィリアが口を開いた。
「あなた、今日のおばあちゃんの言ったことどう思った`」
私は村長の発言よりもセフィリアがあっさり引き下がったことの方が疑問だったがそれを聞く空気ではないことは私にもわかる。
「う〜ん、やっぱり村長だから村人の利益を優先するのは当然じゃないかな`」
私は思ったことを正直に言った。
「でも、モンスターに襲われたら農場どころじゃないし村人にまで危害が加わるわ。」
確かにセフィリアの言うことはもっともだ。現実にはまだモンスターは現れていないが現れてから対策を立てても遅い。
「じゃあ、どうして村長にそれを言わなかったんだ`」
私はずっと引っ掛かっていた事を聞いた。
「私もおばあちゃんの孫よ。おばあちゃんは一度言ったことは滅多な事では曲げないの。」
それってあんたの事じゃないの`
とは心の中だけのツッコミにしよう。
「だからと言ってモンスターが来てからでは遅いだろ`」
私の言葉が終わるか終わらないか程の速さでセフィリアが言葉を返す。
「だからあなたに相談してるんでしょヤヤヤ
・・・ごめんなさい。あなたに怒っても仕方ないわね。」
いつもそれくらい気を使ってくれれば可愛いのだが・・・・・。
「ところで昼から降ってるこの雨はセフィリアが言ってた雨期なのか`」
「ええ、間違いないと思うわ。おそらく1ケ月の大半が雨になる時期が半年は続くわ。」
やっぱりそうか・・・・あとは本当にモンスターが来たらどうするか`
やっぱりこの疑問が残るのか。
「あのさ、そこで提案だけどハンターのあなたがモンスターを倒して私がポッケ村にモンスターが来てハンターが一人しかいないという論文を発表するわ。他のハンターが来るまであなた一人だけどやってくれない`」
さらっとスゴイことを言ったような気がするが今はそれしかないだろう。
「わかった。現段階で思い付く最善の策だろうから。後は村長次第だろう。」
「おばあちゃんには何も言っちゃダメよ。さっきも言ったように一度決めたらよほどの事がない限り曲げないわ。」
村長に内緒って・・・・メチャクチャだが確かにそれしかないみたいだ。
「村長のことはいいとしてマリーはどうするんだ`」
「マリーのことは言わないで。頭が痛くなるから。」
セフィリアが手玉に取られるとは・・・・一体何があったんだ`
「なぜそこまで彼女を嫌う`確かに少し変な娘だがそれ以外は別に苦にならないだろ`」
「学説のレポートをまとめてる時に研究室に入ってきてあれこれ聞いてまとわりつかれてあなたは平気でいられる`それも毎日よ。」
「・・・・・・無理です。」
「でしょ`そんな毎日がまた続くと思えばゾッとするわ。」
ヤ、ヤバイ。危険な話を振ってしまった気がする。
エバンスの予感は的中しこの日は朝までセフィリアの愚痴を聞くことになった・・・・・。
何はともあれひょんなことからハンター復帰を果たすことになりそうなエバンス。半年後にはどうなることか。
・・・・・・つづく。