第1巻
□第6話 雨期`会議`モンスター`
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私は密林で拾ったフィリアという女性と共に村に戻った。
「はい、調査してきました。異常なし。」
私はいつもの単調な報告を済ました。しかし何故かセフィリアの顔は青ざめている。
「ど、どこが異常なしよ。う、後ろの女、どうしたのよ`」
ん`やきもちか`いや、そんな感じではない。明らかに怯えている。
「ああ、密林で迷子になってたから拾ってきた。」
私は有りのまま話した。
「こ、この馬鹿ハンターヤヤなんでそのまま捨ててこないのよヤヤヤ」
この女、正気か`まぁ、普段から正気ではないような気はするが、ここまで取り乱すのは初めてだ。
「そんなこと、できるわけな・・・・・」
私の話しを遮るようにフィリアが叫ぶ。
「セフィリアさ〜〜ん、会いたかったです〜〜〜〜〜。」
フィリアの突進をセフィリアをひらりとかわす。
返すかたなでセフィリアが怒鳴る。
「なんであなたがここにいるのマリーヤヤヤ」
やっぱり知り合いじゃないか・・・・・ん`マリー`フィリアじゃないのか`
「おい、セフィリア。彼女はマリーではなく、フィリアという学者見習いだと言っているが・・・」
「あんたまた勝手にフィリアって名乗ってるの`それに学者見習い`あんたは私の研究室の近くの喫茶店のウェイトレスでしょ`」
はぁ、私の周りにはこんなのしか集まらないのか`
「だってセフィリアさんは私の夢の中で私を弟子にしてくれるって言ったじゃないですか`」
はぁ、バカバカしい。私はとても付き合っていられないので外に出ることにした。
外に出ると村長が立っていた。
「オメエさんとセフィリアに話しがあるべさ。後でワシの家に来るべさ。」
話し`何だろう`まあ、ここで考えても仕方ない。セフィリアを呼んで村長の家に行こう。
当然セフィリアが来るということはマリーもついて来る。大人しくしているという条件でセフィリアも同行を許した。
「あの、村長お話というのは`」
「おお、来たか。まぁ、座るべさ。ん`そのおなごは何じゃ`」
マリーを見て村長が言う。まあ、無理もないだろう。
「この人はあまり気にしないで下さい。話を聞きたいということでついて来ただけですから。」
「まあええ、話と言うのはセフィリア、お前の言うモンスターのことじゃ。その草食種とかいうのが来たらほれ、この傭兵に倒してもらったらエエべさ。」
「何百頭っていう草食種をこのバカハンター1人で`絶対無理よ。」
バカという部分は引っ掛かるが絶対無理というのは同感だ。
「んだば、どうすんべ`」
当然、その疑問は生じる。
「簡単よ。他の村と同じようにハンターを雇うのよ。」
なるほど。確かにそうだ。この村ぐらいだからなハンターを雇っていないのは。
「ダメじゃ。よそ者がいっぱい来たらポッケ農場の資源を狙う輩が必ず現れるべさ。」
じゃあなぜ私はあっさりこの村に住むことを許されたのだ`
「あ、そう。わかったわ。それなら別の方法を考えるわ。」
え```あのセフィリアがあっさり引き下がった。
「あの〜〜。」
今まで大人しくしていたマリーが口を開いた。何か名案でも浮かんだのか`
「何だベ`何か思いついたべか`」
「いえ、私もこの村に住んでも・・・」
全てを言い切る前にセフィリアの声がこだまする
「ダメaaa帰りなさい。」
そして村長も同調する。
と思いきや、
「セフィリア、オメエは村長じゃねえべ。村長のワシが許すべさ。」
おいおい、村長さん。よそ者をあまり入れたくないんだろ`
村長の家を出てからのセフィリアは当然、不機嫌だ。正反対にマリーは上機嫌だ、そのマリーの上機嫌がさらにセフィリアを不機嫌にさせる。
そして、その夜。
私はセフィリアにドンパさんの酒場に連れ出された。仕方ない、とことん愚痴に付き合うか。そう思い、酒場に向かった私は普段は見ることのない、真面目なセフィリアを見ることになる。
酒場に呼び出されたエバンス。珍しく真面目な顔をしたセフィリア。
一体彼女は何を語るのか`
・・・・・・つづく。