第1巻
□第1話 辺境の村 ポッケ村
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「あんだ何物だ`」
村に入ると一人の老人が私に話し掛けてきた。
「私はエバンスと言うものでハンターをしています。」
私は老人の問い掛けに答える。
「ハンター`何だいそりゃ`」
「主にモンスターを倒して報酬を貰い生計を立てる言わば傭兵です。」
「傭兵`んだば他を当たったほうがエエべ。」
「失礼ですがあなたは`」
「オラはこのポッケ村の村長だべ。」
そう、この老人はこの村の村長だった。しかしそれ以上に驚いたのはこの村にはハンターがいないのだ。今から5年程前この世界に突然モンスターが現れ今ではどの村にもハンターは当然のようにいるのだ。
「この村にはモンスターは来ないのですか`」
「モンスター何だべ`それは`そげなもん知らん。」
モンスターすらも知らない。確かにお世辞にも栄えているとは言えない村だが、だからこそモンスターの標的になると思うのだが・・・・。
「ところでオメエさん、背中に背負ってる物騒なもん何すんだ`」
私の愛用の大剣を指差して村長が尋ねた。
「これはモンスターを倒す為の武器です。」
「この村にゃ必要ねえ、この村さ住むならそげなもん捨てれ。」
誰もこの村に住むとは言っていないが・・・・。
しかし、私もハンターとしてはイマイチぱっとしないしモンスターのいないこの村に住むのもいいかもしれない。
「ところで村長、ここに住んでもいいと言うなら私の家はどこになるのですか`」
「そげなもん、こんだけ広い土地だ好きな所に造ればエエべ」
なんてアバウトな村長だ。住んでもいいと言いながら家は自分で建てろとは・・・・。まぁ、時間はたっぷりある。村の人に挨拶して手伝ってもらうか。
「あの、すみません。今日からこの村に住むエバンスです。」
「おおオメエさんが村長が言ってだセンターか`」
「ハンターです。あの、あなたは`」
「オラは山菜を採って売り物にしてるポントだ」
「山菜を採りにいくという事は山に登りますよね`」
「あたりめえだろ。山に採りに行かねえと山菜になんねえべよ。」
「いえ、そういうことじゃなくて山でモンスターに会わなかったかと思いまして」
「モンスター`なんだべ`あぁ、あれか、オメエさんの仕事のタンカーと関係するもんだべか`」
「ハンターです。まぁ、そんなところです。」
やはり、この村にはモンスターはいないのか。
「あの、今日から住むと言う事で私には家がないのですが造るのを手伝って貰えませんか`」
「おお、エエべよ。ただし、これからはオラの山菜を買ってくれ。」
「それは勿論です。有難うございます。ところでポントさん、この村は何をして生計を立てているのですか`」
「オメエ知らねえべか`この村の農作物は有名だべ。ポッケ農場つって、世界中から買い付けにくるべさ。」
「農業ですか、やったことないなぁ。」
「心配することねえべ。オメエさんその背中に背負ってるバカでかい剣を振り回せるならピッケルなんて軽いもんだべ。」
「ピッケル`農業と関係ないですよ。」
「この村は鉱産物でも有名だべ。でもオメエさんの仕事のダンサーはいねえべよ。」
「ハ・ン・タ・ー・です。」
鉱産物を掘る事なら出来そうだ。何とかこの村で生活が出来ると思う。
こうしてエバンスはポッケ村に住む事を決めたが本当にエバンスはハンターを辞めてしまうのか`
・・・・・つづく。