第5巻マ
□第145話 謎!
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「と〜〜〜う!!!」
「おごぉっ!!!!」
メアリーが予告もなく私のベッドに飛び乗る。メアリーの足が私の腹部をまともにとらえる。
「おはようございます、お師匠様。」
「お、おはよう、メアリー。」
なぜだろう?全く怒る気にならない。まあ、慣れたからだろう。
「お師匠様、ニーナさんが呼んでいましたから早く行ったほうが良いですよ。」
恐らくアーサーさんの所に早く行きたいだけだろう。
私はすぐに食卓ヘ向かう。
「おはよ・・・・おごぉっ!!!」
「遅い!!!」
私は食卓へ着くなりニーナのフルスイングパンチを顔面に受ける。
「す、すまない。」
私はそのままニーナに引きずられてアーサーさんの店へ向かう。
「おはようございます、エバンスさん。今日はラージャンが雪山で目撃されていますよ。」
すでにニーナが契約書にサインをしている。もちろん私の名前も勝手に書いている。
「ほら、早く情報料を支払いなさい。」
私は情報料を支払い家に戻る。
「ただい・・・おごぉっ!!!」
家に帰るなりマリーの剛腕パンチを喰らう。
「どこに行ってたのですか?朝食が冷めるじゃないですか?」
「す、すみません。」
なぜ私ばかり殴られるのだ?それにどうして私は彼女達を怒らないのだろう?
「師匠、早く食べないとまたマリーさんに殴られますよ。」
アシュリーに促され私は朝食を食べる。
「それじゃあ、行くわよ。」
ニーナの号令で私達は雪山へ向かう。
「お師匠様って、どうして殴られても怒らないのですか?お師匠様は悪くない時でもお姉様に殴られる事ってありますよね?ガツンと言ってはいかがですか?」
「私が?セフィリアに?冗談ではない。私はまだこの歳で死にたくはない。」
「そんな大袈裟ですよ。」
「想像してみるのだ。もし私がセフィリアに文句を言ったらどうなると思う?」
「・・・・・・確実にボコボコにされますね。」
「だろう?そういうことだ。」
メアリーは心の底から納得したようだ。
「来たわよ。それじゃあ、お先に。」
ニーナがラージャンを発見し猛然と向かっていく。私とメアリーが後を追う。
「エバンス、顔面を攻撃して。」
「ラージャンの顔面を?恐ろしくて出来ないぞ。」
「ごちゃごちゃ言わずにやりなさい。」
「は、はい。」
ニーナの迫力に押されて私はラージャンの顔面を攻撃する。
「どっひゃ〜〜〜!!」
ラージャンが左右のパンチを連続で打ってくる。
私は決死のダイビングでかわす。
「みなさん、シビレ罠を仕掛けました。こちらです。」
アシュリーが仕掛けたシビレ罠へラージャンを誘う。
ラージャンはシビレ罠にかかり身動きが取れなくなる。
「よし、今だ。」
私達は怒涛の全員攻撃を仕掛ける。
「ガオ〜〜〜〜!!!」
ラージャンが雄叫びをあげ毛が金色になる。
「もしかして怒りました?・・・・そりゃ〜、怒りましたよね。」
ラージャンの攻撃は先程までとは変わってえげつなさを増す。
口から金色の光線を出す。
「にぎゃ〜〜〜〜!!」
私は間一髪かわす。
「エバンス、囮になりなさい。金色の光線を出している時は無防備になってるわ。」
「そ、そんな無茶苦茶な。喰らったらタダでは済まないぞ。」
「づべこべ言わないの。早く囮になりなさい。」
「は、はい。」
私はラージャンの気を引くように目の前をちょろちょろと動き回る。
ラージャンは完全に私に的を絞り金色の光線を連発する。
「ぎえ〜〜〜!!助けて〜〜〜!!!」
「もう少しよ、頑張りなさい。」
私は必死に避ける。
そのうちにラージャンの毛は黒色に戻る。
「みなさん、今度はこっちです。」
アシュリーが再びシビレ罠を仕掛ける。
私達は再度ラージャンをおびき寄せる。
「よし、一気にいくぞ。
必殺!1日1回限定適当大剣振り回し」
「いきます、必殺!1日1回限定、超双剣乱舞。」
「必殺!貫通弓の舞。」
「うおりゃ〜〜〜。」
最後のはニーナだ。容赦なく顔面を斬り刻んでいる。
ラージャンはシビレ罠に掛かり為す術なく絶命する。
「ふぅ〜、終わった。」
「さすがに疲れましたね。」
「お疲れ、エバンス。あなたが囮になってくれたおかげよ。」
「死ぬかと思ったぞ。」
「さあ、帰りましょう。」
「まだ話は終わってないぞ。」
しかしニーナ達は関係なく帰っていく。
「・・・・まあ、いいか。」
私もニーナ達の後を追って家へ帰る。
「ただい・・・おごぉっ!!!」
私は帰るなりセフィリアのダイナマイトパンチを喰らう。
「馬鹿ハンター、シャワーのお湯が出ないじゃない。」
そ、それは私の責任ではないぞ。
「お兄さんって絶対Mですよね。」
「何をバカなことを。何を根拠に?」
「何をって?」
アレックスは周りを指差す。
セフィリアをはじめ大人達は静かに頷いている。
「ねえ、アレックス。Mって何?」
アシュリーがアレックスに尋ねる。
「そ、それは・・・・・お兄さんに聞くといいよ。」
私に押し付けるな。
「そういえばアレックスってお母さんのことをSって言っていたけど何なの?」
メアリーもアレックスに尋ねる。
「それも、お兄さんに聞くといいよ。」
私は目でセフィリアに助けを求める。
しかし、セフィリアは目をそらす。
「ねえ、師匠。Mってなんですか?」
「お師匠様、Sって何ですか?」
私はヤケクソで答える。
「Sは攻めるのSでMは守るのMだ。」
「それじゃあ、私は攻めるタイプだからSですね。」
メアリーがとんでもないことを言い出す。
「メアリー、子供がそういうことを言ってはいけないぞ。」
「どうしてですか?攻めるタイプだがらSじゃないですか。」
「子供に何て教え方をしているのよ!!」
バキッ!!!
「ぎゃぴ〜〜〜〜!!」
「お兄さんは間違いなくMですね・・・・・。」
・・・・つづく。