第2巻ユ
□第31話 疑惑の村長a`
1ページ/1ページ
私を助けたのは村長だった。衝撃の言葉を受けて我々は村長の家をあとにする。
「まさか、村長だったとは・・・・」
「あなた本気で信じてるわけ`馬鹿じゃないの`あんなのウソに決まってるじゃない。」
「なぜウソだとわかるんだ`そもそもウソをつく必要がなぜある`」
私はセフィリアに問い掛ける。
確かに疑う余地はあるかもしれないがセフィリアはウソだと断言している。その理由を私は知りたかった。
「ウソをつく必要がなぜあるのかはわからないけどウソをついていると断言できる理由はいろいろあるわ。」
「そうですね。私も村長さんがウソをついていると思いますね。」
フローラまでもが村長はウソをついていると言う。
「いい、よく聞きなさい馬鹿ハンター。まず第一におばあちゃんが火山まで行けるはずがないわ。あの歳で火山までたどり着いたらバケモノよ。」
確かに・・・・。
「次に弓ってそこそこ重いわよ。おばあちゃんが仮に持てたとしてもせいぜいそこまでよ。弓を放てないわよ。」
なるほど・・・・
「最後に何度も顔を合わせているあなたに何かを飲ませて顔も見ているはずなのに今あなたに火山の出来事を話されてようやく「オメエさんだったべか`」なんておかしすぎるわよ。」
そういえばそうだ。村長はさっき初めて私だとわかったようなことを言っていた。
「ということは、なぜ村長はウソをついた`ということになるな。」
「もしかしてエバンスさん以外にもハンターがいることを知られたくないんじゃないですか`」
マリーの発言にセフィリアはやれやれといった表情で
「それこそなぜ隠す必要があるのよ`他のハンターなんて隠しても隠しきれるものではないわ。」
それはそうだろう。弓を背負った人間なんてすぐに目撃されてしまうだろう。
「それならどうして村長さんにその疑問をぶつけなかったの`」
村長の性格を知らないフローラが尋ねる。
「もし、セフィリアがウソをついていてフローラがウソに気付いたらセフィリアに聞いてみるか`
それと同じことだ。」
フローラは納得と大きくうなずく。
同時にセフィリアのダイナマイトパンチが私の顔面をとらえる。
「とにかく、おばあちゃんが何も話さない以上は私達で調べるしかないということよ。わかったわね`馬鹿ハンター。」
「は、はい。」
「わかったのなら早く行動しなさい。密林、火山、どこでもいいわ。弓矢が落ちてないか調べてきなさい。」
私達って言っておきながら結局は私1人ではないか・・・・ブツブツ・・・
「何か言った`ヤヤヤ」
「いえ、やり甲斐があるなぁって・・・・」
「あっそ、それならいいけど。」
こうして私は第一現場ともいえる火山の調査に向かうが弓矢の一本も見当たらない。それだけならまだしも、ランゴスタに刺されて麻痺し、ガブラスには追い掛け回されると散々な調査だった。
「あ、エバンスさん。お帰りなさい。どうでした`」
「一本の弓矢も落ちてなかった。まあ、明日からも地道に調べていくよ。」
エバンスを助けたのは村長ではなかった。村長はなぜウソをつくのか`このウソは本編にどうつながるのか`本当につながるの`
・・・・つづく。