07/31の日記

12:06
ちょっと説明
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待ちきれなくて、小倉百人一首の第一首を載せました。

映えある第1回目は「星宿姫伝」の、しろがね〜に出てくる暁(アカツキ)でっす!!

白雪の育ての親であり、のちに白雪を殺そうとする人です←


時間軸は過去で、このとき白雪は10才です。






アカツキは白雪を憎んでいるわけではなく、白雪の中に流れている血を憎んでいるのです(ややこしい…)

白雪の先祖であり、この国(神杖国)をつくった人物(男)を憎んでいるんです。それはもう、彼の血と少しでも繋がっている人を皆殺しにするくらいに。
ここまで言えばわかると思いますが、アカツキは何百年も生きています。
正確には死んでもまた生き返る、ですが。(詳しいことは原作を読んでください)

約束の時っていうのは、白雪の母、白鷺(しらさぎ)との約束で「16まで白雪を無事に育てること」ってこと。
つまり、約束の時は16才の誕生日までってことですね。
てか、白鷺も自分の娘を殺そうとしている人物に子供を預けて、約束まで取り付けるって凄いですよね。
それを律儀に守っているアカツキもアカツキですが。




話の最後の、秋の田の〜は、題材にした歌です。ちなみに読んだのは天智天皇。
その下のは意味です。



話を歌にそってマンマ書くのは大変なので、的をしぼって書いてます。

今回は「我が衣手は 露にぬれつつ」、つまり、自分の袖が濡れてしまうっていうことです☆(うぜぇ)

それをいろんなシチュエーションに当てはめて書くという、なんともバカな挑戦です。←



シリアス風味が多くなるやも。(・ω・;)





気長に付き合ってやってください……。

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11:34
小咄【秋の田の】
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【秋の田の】



「あ…雨…」

ふと、隣を歩く白雪がボソリと呟いた。
見上げると、分厚い灰色の雲が、空一面を覆っていた。そして、見上げてから数秒もしないうちに空が泣きだした。
それは勢いを増して、バケツをひっくり返したような大雨になる。

「白雪、こっちだ」

俺はまだ小さい白雪の手を引いて、近くの古い小屋に入った。小屋はいまにも潰れそうなほどボロいが、一時凌ぎには十分だろう。壁は所々崩れ、かすかな隙間から外の景色が見える。小屋の一角に腰を下ろし、その隣に白雪を座らせる。突然の雨で少し濡れてしまったが、これくらいなら風邪をひくこともないだろう。

「……っ」

白雪が小さく震えた。どうしたんだと目を向けると、白雪の頭上からポタポタと水滴が落ちてきている。それが、白雪目掛けてふりかかる。小屋を見回すと、同じような光景が広がっている。どうやら激しい雨漏りが起こっているようだ。俺は白雪を引き寄せる。そして、その小さな身体を腕の中へ。

「と、父さん?」

戸惑ったような、白雪の声。

「なんだ」

「父さん…濡れちゃうよ?」

白雪の言ったように、実は俺の上にも雨漏りは強襲していた。と、いっても服の袖のほうだけれど。

「別にいい」

これくらい、どうってこと、ない。

「……うん」

白雪は微かな返事をすると、なにやらもぞもぞと動きだし、時間をかけながら身体を反転させた。そして背中を俺の胸に預け、小さく縮こまる。胸に、身体に、子供特有の温かさが広がった。

俺の腕の中にすっぽりと納まる小さな小さな白雪。あの白鷺の娘であり、憎い憎いアイツの血を受け継ぐ少女。

この娘も、約束の時がきたら自分の手で殺してやる。アイツの穢らわしい血を継ぐものなど、根絶やしにしてやる。

そう思いながらも、なぜか胸がモヤモヤする。それに気付かないふりをして、いつか殺す、目の前の娘・白雪を強く抱きしめた。
天井から落ちる水滴が、俺の袖を徐々に濡らしていく。


―――約束の年まで、あと6年。

その時まで、己の中の「怨み」と「憎しみ」が薄れないことを、祈る。



外は、いまだに激しい雨が降っていた。





秋の田の 仮廬の庵の 苫をあらみ 我が衣手は 露にぬれつつ

――秋の田に作った仮小屋にいると、屋根をふいてある苫の目が粗いので、私の袖は夜露にしっとりとぬれるよ――






あとがき

思ったより長くなった。

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