VOCALOID

□欲しいのは、
1ページ/3ページ



「レンくーん!」
「チョコもらってぇ!!」

レンのもとへは止まることなく女子が群がる。
そしてレンに押しつけられていくプレゼント。
中身は分かり切っている。
「レンくん、私のチョコ食べてよ?」
「心を込めて作ったからね♪」
そう、今日はバレンタイン。
箱の中身はチョコレートだ。
レンの机には大量のチョコレートが積み上げられている。
しかし、当の本人は椅子に座って本を読んでいる。
女子達については完全無視だ。

「レンくん、レンくんってば!」
「…何?」
「ねぇ、鏡音さんから彼女いないって聞いたんだけど本当?」
「…リンに聞いた訳?」
「え?うん、それがどうしたの?」
「…。
一つ言っておくけどさ、まぁほかの女子達もだけど。」
レンは冷たい目で周りを見渡すと、


「俺が欲しいのは、リンのチョコだけだから。」


まわりを一瞥し、そう言った。











.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ