傷を癒す三人

□賭け
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「あぁ、やってられないよ」
火影の家では、就任したばかりの五代目火影が叫んでいた。

「綱手様ぁ。暗部が来ないと報告書は溜まる一方ですよ」
付き人兼側近であるシズネは火影室の惨状に青筋を浮かばせていた。

床一面に報告書が有ったのはいうまでもない。が、足の踏み場がない状態だった。

「このままじゃ、どうしようもないね」
綱手は頭を悩ませていた。

「どうにかしないと、崩れますよ」
シズネは綱手にしっかりするように言う。

『蒼炎が来ないと何も出来ないんだな?』
いきなり男の声がして、2人はビックリする。

「誰です?出てきなさい!」
シズネは仕込みを出す。
綱手を護る為である。

「忍として、合格だ。けど、相手の気配に気付かないのは致命的だ」
声の主はシズネの後ろを取っていた。

その者は黒いコートを羽織り、フードを深々と被り、黒色の面で狐を描いたモノを付けていた。

綱手はビックリして、何も出来ないでいた。

「どこの者だ?」
シズネは綱手を護る為に必死だった。

「蒼炎に近し者だと言えば、分かるだろう?」
その者は、火影室の周りを見るかのように見渡しながら、綱手に言った。

「お前が・・・暗部の総副隊長・黒炎なのか?」
綱手はその者の名を呼ぶ。

「何故、早く現れなかったのです?」
シズネは黒炎を責める。

「責められる謂われはない筈だ。蒼炎と俺とて、人だ。暗部の任務以外の事で忙しいんだ!」
黒炎はシズネを睨みつける。

「そんな奴が、どうして、ここに来る?」
綱手は話せるようになった。

「俺は気紛れで来ただけだ。これは持って行くぞ?三代目がこんな量をこなせると思うか?俺達が三代目に渡る前に回収していたからだ」
黒炎は三代目時代の事実を話す。

「何故、私の時もしない?」
疑問に思い聞く綱手。

「俺達はまだ、五代目として、認めた訳じゃない」
黒炎は言った後に、報告書と共に消えてしまった。

「アイツは何者なんだ!」
窓のそばに行くと綱手は叫んだ。

「綱手様。ナルト君が来たようですよ」
自来也のお気に入りであり、綱手を改善させたものだから、シズネは気に入っていた。

「どうしたんだってばよ。綱手のばぁちゃん。廊下まで聞こえたってばよ?」
ナルトは入るなり、綱手に言った。

「ナルトに言った事じゃないよ」
綱手はナルトを抱きしめる。

「どうしたんだってばよ?」
ナルトはビックリする。
 
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