傷を癒す三人
□出逢い
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「今日こそは兄さんのように・・・」
修行用に作った的に目掛けて、クナイなどのありとあらゆる武器を使い、当てる。
が、的の真ん中に当たらなかったり、的をギリギリに当たったりしていた。
その時、気配を感じて、その場から退き、木の枝へ移った時、敵の忍1人がキョロキョロと辺りを見渡していた。
その後から、数人ほど、現れた。
「間違いない。まだ、温かい。この辺一帯を探し出せ!うちはサスケを・・・」
あぁ、写輪眼が欲しいから、俺を狙ってきたのか。と納得して、俺は敵のど真ん中に姿を出した。
「ほぉ、いい度胸だな。うちはサスケ」
だが、捕まる訳にはいかなくて、俺は敵を倒していく。
そんな事が毎日のように続いていた。
原因は分かっている。
「ふぅん、コレ、君がしたの?」
その声がした方を振り向き、上を見る。そこには白いコートを着て、フードも深く被り、白狐の面を付けた、俺と同じぐらいの身長の暗部が木の枝にいて、木にもたれ掛かる様に立っていた。
目立った筈なのに、気配も感じられなかった。
「でっ、君がしたの?」
その者は木から、軽やかに俺の近くに降りてきた。
倒れている敵の忍の事だろうと思い、頷いた。
「任務に失敗したけど、君が強いなら、訳なかったかな?」
要するにこの敵の忍は、何十人といたのを、1人で倒していて、隙を見て、俺が狙われたと?
「どこからか、君の隠している写輪眼を知って、襲ったんだろうね。うちはサスケ君」
俺の事を知っていた?
写輪眼が開花している事を知っているのは、三代目と家族だけの筈。
「君はイタチ君の弟だよね?なら、イタチ君から聞いた事ない?蒼炎って」
俺は驚いた。兄さんから、蒼炎という暗部を聞いた事があった。暗部の中では、否、木ノ葉の中では最強の忍だと言っていた。そんな忍と自分は2人1組【ツーマンセル】だと。
「後は僕がなんとかするから」
印を組み始めたかと思ったら、倒れていた忍は消えていた。
「兄さんから聞いていたのか?」
思わず質問してしまった。
「暗部を纏める為にはその家族を知る事が大事なんだよ。それより、夜の森は危ないから、送ってあげるね。サスケ君」
夜である事をこの時、知ったのだった。
蒼炎は印を組み始めた、それは今さっき、見たものではなかった。組み終わった瞬間、グイッと引っ張られたかと思ったら、目の前にうちは家の門があった。