傷を癒す三人

□出逢い
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此処は、火の国の忍びの隠れ里、木ノ葉の里から離れた場所。一般の里人、忍が迷ったは最後。戻れないと言われている、通称“迷いの森”と呼ばれている。
そんな森の中にひっそりと家?というか、屋敷がそこにある。
ある理由から、建てられた屋敷と言っておこうか。

俺は表も裏も、任務がない日は、ソファーに座り、書物を読むのが日課になってしまった。
いつもなら、隣りにはナルトが座っている筈だが。
三代目の要請があり、出払っている。

あれから、数時間は経つだろう。
帰ってきていない。

ナルトがいないだけで不安になるのは重症だな。

そんな事を考えていた時、誰かが来たのだった。
気配からして、サクラと木ノ葉丸である事が分かり、態と気配を消す。

「やっぱり、ここにいた!サスケ兄様」
入ってくるなり、第一声がそれだった。

あぁ、そういえば、俺の名を言ってなかったな。

俺はサスケ。そして、暗殺戦術特殊部隊、通称、暗部。暗部の名は黒炎。立場的に総副隊長だ。謂わば、2番目に暗部を動かす事が出来る。
俺を引き入れたのは、ここにはいない、ナルトなんだよな。暗部の名は蒼炎。
俺にとっては、上司に当たる存在。真っ先に暗部が動かせる。総隊長である。

「ムゥ、サスケ兄様。聞いていましたか?」
そんな言葉をかけられて、俺はハッとする。

「あっ、いや、何か言ってたか?」
そう云う言葉しか、出てこなかった。俺はナルトがいなければ、不器用になってしまう。

サクラは益々、苦虫を潰した顔になっていく。

「サクラ姉ちゃんは、ナルト兄ちゃんとの出逢いを聞きたいって、言ったんですよ」
木ノ葉丸はサクラの言葉を代弁してくれた。

「はぁ?サクラ、お前、ナルトに聞くって、言ってただろう?」
いつだったか、ナルトと俺との出逢いを聞いてきた事があった。
俺達は忙しくて、話す事はなかった。
だが、諦めていなかったようだ。

「ナルト兄様、逃げるの上手いんだもん」
要するにナルトに聞けないのなら、俺に聞きに来たという訳だ。

「僕も聞きたいのだ。コレ!」
隠れ家だから、口癖は言わないでおこう。

「あれは・・・」

そう、あれはまだ、俺が忍者学校【アカデミー】に入ったばかりの頃だった。

いつもの様にアカデミーが終わったら、修行をする為に森の中へと入っていく。

その日は暗くなってきた事に気付かなかった。
 
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