淡い恋物語
□第五章
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―門の前―
「君は何処の娘なの?」
とか
「私と付き合ってほしいな」
とかのアプローチだった。
「私には、夫が…」途中で遮られる未夢。
彷徨が未夢を引っ張ったからである。
「私の妻に何か用事でもあるんですか?」と周りにいた人達を睨みつけながら言った。
「いいえ。すいませんでした」とそそくさと逃げるのであった。
皆はびっくりしていた。
それもその筈である。
彷徨には許婚がいるだけしか聞いていないからである。
だが、これは二人の作戦である。
頃合を見計らった作戦である。