Novel

□「ドってなに?」「最上級だ」
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「これあと30分で出来なかったら正座1時間な」
「うぇ゛え……」

リボーンの課題を片付けていると、あまりの進まなさに見兼ねたリボーンは無茶な注文をしてきた。
そりゃないよ、と文句を言えばギロリと睨まれる。しかも黒い物体が握られている。
無言の脅しに慌ててシャーペンを握る。
それに満足そうに頷いたリボーン。




―30分後―

机に突っ伏して絶望している綱吉に、リボーンはニヤリと笑って死刑宣告を下す。

「正座1時間な」
「うぅ…」

楽しげに笑うリボーンに、悔しそうに睨みながら渋々正座をする。
しかも課題は続行。
次第に痺れてくる足に根を上げそうになるが、ここで弱音を吐いたらリボーンの思う壷である。
我慢しながら、課題を片付けていく。

が、1時間なんて正座したことのない綱吉だ。我慢出来て15分がせいぜいである。
それを知っているリボーンは、ニヤ
ニヤとしながら綱吉が根を上げるのを待っていた。

もぞもぞと体を動かしながら、どうにかこうにか痺れをやり過ごしていた綱吉だが、それにも限界はある。
しかも動くから余計に痺れる。
そろそろ限界かも、と思いリボーンを見れば優雅にエスプレッソを飲んでいる。

「ん?なんだ限界か?仕方ねぇな」

カチャリと机にカップを置いたリボーンに、正座が解放される!と喜んだ綱吉に、リボーンはニヤリと笑う。

「誰が辞めていいと言った」
「え…?」

足を崩しかけた綱吉は、ピタリとリボーンを見る。
物凄く上機嫌に笑うリボーンなんて貴重だ。

「“赦して下さいリボーン様。明日からは制限時間内にしますから、足を崩させて下さい”って言ったら崩していいぞ」
「…………は?」
「あと、何でも言うことを聞くからっつったら満点だ。勿論色っぽくな」

目薬あんぞ、と取り出したリボーン。

「言う
か馬鹿!!」
「じゃあ後1時間そのままな」

けろりと目薬を出したまま言うリボーンに、痺れと呆れと、とにかく色んなもののせいで震える綱吉に、リボーンは言う気になったか?と楽しげに言う。

ああそうだ、こいつは人を虐めるのが大好きな奴だったんだ……。

「誰が言うか」
「チッ。ダメツナの癖にいい度胸じゃねぇか。よし、じゃあ後1時間45分はそのままな」

目薬をしまいながら、告げるリボーンに明日は足が死んでるかも、とか、このドSが!!とか思いながら、痺れと葛藤していた。
痺れ過ぎて涙目になった綱吉を見た瞬間お許しが出たりもするのだが、それはあと何10分後の話だか。



END
 

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