World End

□第15話 「be alive in the another world」
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青く晴れ渡る空。
白い雲。
照りつける太陽。
どこまでも続く一面の砂。

「あ゙ーーー!!」

マントのフードを目深に被り、足を引きずるように歩いていた人物は、突然の大声を上げてその場にバタリと倒れた。
その拍子に被っていたフードがずり落ち、長い髪が砂の上にさらりと落ちる。
あらわになった髪は輝くばかりの金色で、陽の光をうけて透き通って見えた。

「ちょっと、ミハ。こんなところで寝ないで」

やはりフードを被り、数歩先を歩いていた人物が振り返る。
華奢な体格や少し高めの声の質からして、少女のようである人物は、非難の言葉を口にしつつも一つ溜め息をついて、一度は通り過ぎた場所に引き返した。
少女は腰に手を当て、倒れた人物を脇から見下ろす。

「だってさぁ…どこまで行っても、すな、すな、すな!!」

自分を呆れたように見下ろす少女を恨めしげに見上げ、実治は情けない声を上げた。

「当たり前でしょ。砂漠なんだから」

言いながら、少女は腰に当てていた手を横に移動し、ベルトから下げられた水筒を実治に差し出した。

「ほら。あと少しで町に着くから」

実治は水筒を受け取りながら体を起こし、あちこちに付いてしまった砂を払う。
水筒の水を一口含んだ後、タオルを少量の水に浸し顔を拭った。

「ありがと。ウツギちゃん」

実治はにこりと笑って、少女─ウツギに水筒を返す。

「…どう、いたしまして」

実治の爽やかな笑顔にほんのりと頬を染めつつも、ウツギは水筒を受け取った。

「ウツギ、ミハル。早くしろ」

実治がフードを被り直していると、前方から二人を呼ぶ声。

ウツギが実治の所へ引き返す前に居た場所に、二人と同じようにフードを目深に被った人物がこちらを向いて立っていた。
声や体格から男であることがわかる。

「兄さん。今行くわ」

ウツギの返事に、兄と呼ばれた人物は踵を返すと、さっさと歩いて行ってしまった。
ウツギと実治は慌ててその後を追いかける。

どこまでも続く砂の上に三人の足跡だけが残り、時折吹く風が、その跡を少しずつ消していった。



第15話 「be alive in the another world」

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