World End
□第8話 「調査A」
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第8話 「調査A」
「あ゛〜…」
実治は読んでいた本を閉じると、背もたれに体を預け、目頭を押さえながら天井を見上げた。
「目がしぱしぱする〜」
調査を開始してから、既に、一週間が経っていた。
その間四人は、図書館に泊まり込み、一日中資料を読み、疲れたら寝る、というのを繰り返していた。
幸い、別棟にシャワールームと食堂があるので、風呂や食事には困らなかった。
「さすがに疲れた…」
将汰も眼鏡を外し、こめかみを揉みほぐしながら呟く。
「そうだな。少し休憩しようか」
「賛成〜」
周臥の提案に、実治は力無く手を挙げた。
機密資料がある部屋なだけに、窓などは無く、入り口が一カ所あるのみ。
何度か休憩を入れないと息が詰まってしまう。
それでも、床から天井までが五メートル程あり、部屋の中心にある本棚を囲むように、ぐるりと回廊が巡っていて、空間的にゆとりがあるのが救いだった。
* * *
資料室から程近い休憩室。
テラスに出た四人は、周臥の入れた紅茶を飲み寛いでいた。
「はー…。
あと、どれくらいで終わるんだろう…」
実治がティースプーンをいじりながら呟いた。
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