World End

□第16話「gatekeeper」
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《クレンティア》
建国二千年を誇り歴史と伝統を重んじる帝国は、広大な国土のほとんどが砂漠であり、砂の大地にあっては命綱ともいえるオアシスを多数有する、一大軍事国家である。


クレンティア暦1300年。
長年、広大な砂漠地帯をその軍事力と叡智によって治めてきた前国王を襲ったクーデター。
国王とその家族は惨殺され、近しい家臣はみな僻地へと追い遣られた。
これによって、千年以上続いた軍事国家は終わりを告げる。


建国当初から代々王家に仕える一族がいた。
一族の者はみな特異な能力を持ち、それを以って王国を支えてきた。
時には巫女となり国家の行末を占い、時には騎士となり自らが盾となった。

そして、代々一族の嫡子のみに引き継がれる不思議な能力。
それは使い方を誤れば、国どころか世界をも闇に変えてしまうもの。

その力を崇め、また畏れた初代国王は、異端の一族を守る代わりに契約と使命を与えた。

『常に王の傍に仕えよ。
 そして、その能力を使う事は許されない。
 しかし、異端を恐れる民から未来永劫、一族を守る事を約束しよう。
 
 ただし、有事の際には王の印を以ってその任を解除し、世界を混乱から救う事を使命とする』

この契約により、一族は安寧を手に入れ、同時に飛び立つ自由を失った。
しかし、この大地が出来て数百年もの長きにわたり異端と迫害され続け、ひっそりと暮らしてきた一族にとって、安寧を手に入れる事は自由を手に入れるにも等しい事であった。
クーデターにより安寧を失った一族は、代わりに手に入れた翼でその力を利用せんとする者達から逃げ延びた。
そして勅命を果たすべく、「力」を封印した。

人々が畏れた、光にも闇にもなり得る、その力。

異世界への扉。

その一族の名は、


第16話 「gatekeeper《ゲートキーパー》」



門を管理し、守る者。

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