海賊-

□シガレット・ビター
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「意味深に視線を向けてくるナミに、ゾロは咄嗟に「買いたいものなんて別に無ぇ」というつもりだった言葉を飲み込んだ。
思い出したのだ、2日前にナミに教えて貰った『バレンタイン』のことを。
訝しげに自分を見つめてくるサンジの視線を無視して、ゾロは舌打ちして呟いた。

「…そういや、そうだったな。んじゃぁ、さっさと陸に降りようぜ。もう話は終わったんだろ?」
「そうね、いいかげんルフィも限界みたいだし。じゃ、解散。ウソップ、くれぐれもルフィを頼んだわよ!」

解散、とナミが言うなりウソップの腕を掴んだルフィが、脱兎のごとく飛び出していく。
「ぎゃあああああぁっ…!」というウソップの悲痛な悲鳴を残して、あっという間に影も形も見えなくなった2人に、ナミが呆れたようにため息をついた。

「…はぁ。じゃ、私たちも、上陸する準備しましょうか、ロビン」
「そうね…」
「?準備?まだるっこしいな、さっさとしろよ」
「…いつでもどこでもオヤジルックのあんたには言われたくないセリフだわね。どうせだから、あんたも着替えたら?良さそうな服、買っといたのよ私vほら、いらっしゃい」
「買っといたって、お前…、」

ぶつぶつ言いながらもナミに腕を引かれるままに女部屋に入っていこうとするゾロの腕を、サンジが
慌てて引っ掴んできた。

「ちょっ、ちょーっと待て!待ちやがれ!」
「何よサンジ君、急いでるんだけど」

引き止められたゾロではなく、ナミが睨んでくる。

「ああ〜目つきの悪いナミさんも素敵だvでもこのマリモを女部屋に入れるのはどうかと思うのですが…せめて、お2人の着替えが終わってからでいいのでは?」
「別にゾロになら見られたって構わないけどね…サンジ君がそこまで言うなら仕方ないわ。着替え終わったら呼ぶわね、ゾロ」
「ああ」



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