10年経て

□お見舞い
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次の日の朝、洗面所の前で10分くらいつっ立ってしまった。
すっかり忘れていたけど、私が熱を出す日に綱吉とグラウンドのベンチで話したこと。

あの時、私の容姿で綱吉を心配させてしまっていた事に気付いた。
だからと言って、メガネを外して髪を解くと自分でもビックリするくらい人が変わる。


んーーー.....。
メガネを外すのはなんか恥ずかしい...。
まあ、いきなり変えなくてもいいか!


私は沢山悩んだ結果、前髪だけ下ろして三つ編みメガネにした。
前髪作るだけでも少し印象は変わるなぁ...。

私は時間が無いことに気付き家を出た。

「! 何かの人たち!?」


家の前には黒スーツの集団が。
銃を持ってる人もいる。
マフィア.....?



「ボンジョルノ ボンゴレ10代目」
「あっ....どうも、ディーノさんでしたら...」
「綱吉!」
「じみこ!」



黒スーツの男が綱吉に話しかけていた。
その感じを見ると敵意は無さそうだ。


「なんだお前ら。迎えなんて頼んでねーぞ」
「あっ...!!」


綱吉の家から昨日の金髪男が出てきた。

「......ん?」


あぁ、そうだ、私メガネして三つ編みしてるから私のこと誰だか分かってないんだ。

「ディーノさん、ほら、あの、隣の.....」
「え!じみこ!?」
「はい...」


メガネを外すとディーノさんは思い出してくれたようだ。

「ええぇ!お前絶対その方が良いって!なんでメガネなんかかけてんの!」
「ボス〜、女の子に失礼だぜ〜」


黒スーツのおじさんがディーノさんを茶化す。
え?ディーノさんがこの人たちのボスなの??

「ロマーリオ、だから何でいるんだよ」
「散歩してブラついてたらここについただけだぜ」
「オレもだ」
「オレも」

黒スーツのおじさん達は口を揃えて言った。
すると聞き覚えのある声がした。


「おはよーございます10代目!!」


獄寺だ。


「早起きしたのでブラブラしてたらここについちゃいました」

綱吉が心の中で何か叫んでいる。
そういえば綱吉もボスなんだった.....。


「じみこさんも!元気になったんスね!」
「あ、ありがとう。お陰様で」


なんだかんだ獄寺と話すのは初めてだが慕ってくれてるみたいだ。


「何やってんだおめーら。遅刻するぜ!」
「わ!山本!」

山本が突然私たちを後ろから肩組んできた。

「おはよー!じみこも退院おめでと。前髪、良いじゃん」
「ありがとう」


綱吉も獄寺も言わなかった事を山本はサラッと言ってきた。これがモテるところなのかしら。

「さっさと行こーぜ」

と言って、山本は私たちを連れ出した。
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