10年経て

□大人の初対面
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12月になった。
季節はすっかり冬に移り変わり、寒い日が続いた。



私は結局メガネじみこのままだ。
ただ、マラソンの日の一件から私のバックには雲雀恭弥がついているという噂が出て、誰も私と関わりたがらなかった。
お陰でとても過ごしやすかった。


「あ、あら.....」


昼休み。
鞄を開けると朝入れたはずのお弁当が入ってなかった。
入れたはずって言ったけど、よくよく思い出してみると...........入れるの忘れた気がする。
つまりお弁当、忘れた...。


今日のお昼は抜きか、きついなぁと思いつつ気を紛らわそうと席を立った。
すると教室の外から声がした。


「ランボ!こっちだよ!あぁもう寄り道しないで!」
「ランボさん中学校また来ちゃったもんねー!」


なんと.....。



「ランボ!?」

私は急いで教室を出た。



「お!じみこ〜!」
「良かった会えたー」

どうやら綱吉がランボをここまで案内してくれてたらしい。


「綱吉、どうしたの?.....あ!」


ランボは私のお弁当を持ってきてくれていた。
私はランボからお弁当を受け取った。


「ありがとランボ〜!良い子だね!」
「えへへへへ、えへ、えへへ」

頭を撫でてあげると気持ち悪いくらいに照れてた。


「綱吉もありがとう」
「良かった、なんとかなって」

ランボを相手にヘロヘロな声出して返事をした。


ぐうぅぅうぅぅう〜〜


「ふふ、ランボ、お腹すいたの?」
「ランボさんもお昼食べる」


ランボは頭の中から自分のおにぎりを出して地べたに座った。

「あぁー、ランボここに座るなよ」
「綱吉、一緒に外で食べようよ」
「そうだね」


私たちはランボを連れてグラウンドに出た。
野球部が昼の練習してる中、脇にあるベンチに座る。

私はウェットティッシュを取り出してランボの手を拭いてあげた。

「綱吉も使う?」
「あ、ありがとう」


綱吉にも一枚取り出してあげる。


「なんか昔思い出すなぁ...」
「うん、そうね」
「俺、じみこに何でもやってもらってたと思う......」
「綱吉の事、弟だと思ってたからね」


こうやって何か食べる時にウェットティッシュで手を拭いてあげてたのも良い思い出だ。


「あー、ちっちゃい綱吉、可愛かったなー!」
「え"」
「今会ったらわしゃわしゃしちゃいそう」
「犬じゃんそれー!!」
「まあ今も可愛いけどね」
「な"っ」


なんか複雑ー!とお弁当食べてる綱吉。
やっぱり可愛い。
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