10年経て

□目立ちたくない
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私の美貌を明かしてしまって皆さん驚いているでしょう。
じみことか言っててすみません。
本当は美少女なのです。



でも私はなりたくてじみこをしている。
なので安心してください。

昨日あんな事があったけど、今日も地味な格好して学校へ通っています。



「ねーじみこ。ノート貸してくんね〜」
「宿題見せて〜」


前に校舎裏で雲雀恭弥にボコされた2人は相変わらずだった。
ちょっと大人しくなったかなと思ったら1ヶ月程度でこれだ。

私は大人しく2人に宿題を見せる。
「サンキュー!」
「助かるわ〜」


こんな休み時間はいつものことだ。
気にしない。
こいつらの頭がどんどんバカになっていくだけだ。



「おー山本〜!」
「おつかれっス先輩」


山本?ん?



野球部の人たちが教室の扉前に集まっていく。


「どうしたんだ?」
「あ、あのー、人探してて」
「誰だ??」


女の子達も集まりだした。

「山本くんじゃないー!」
「どうしたのー?」

あ、彼女達は野球部のマネージャーか。
それにしても山本は人気だなぁ。

キャーキャーとどんどん人が集まっていく。



「じみ先輩ってこのクラスっスよね?」
「「「は???」」」


え。私?



クラスメイトが私の方を向く。

「ちょ、あのじみこに何の用なの〜!?」
女子が騒ぐ。

や、やめてくれ、、、。
お願いだ、それ以上私を見ないでくれ、、。



私は男子に「じみこー!呼ばれてるぞ!」と言われた。
仕方なく山本の方へ行く。



山本の前に出ると
「おっ、ツナの言ってた通りだなー」
と笑った。


クラスは騒ついている。


「な、何の用ですか....?」
「昨日.....うぉ!?」


お ま え な ん の は な し を し よ う と し て る



私は山本を教室から猛スピードで人気のない校舎まで連れ出した。





「ゼェッ....じみこって....足、速ぇーのな....」
「こう見えて体力には自信があるんで.....」


山本は一瞬で呼吸を整えた。
スポーツマン、流石だなぁ。

「ごめんね、教室だと色々厄介だから...」
「そっか、わりぃ」

山本はポリポリと頬をかいた。


「で、何で教室きたの?」
「あ、そだ」


ゴソゴソとポケットからイヤリングが出てきた。
小鳥のデザインでとても可愛らしい。
しかし片っぽだけ。


「イヤリング...?」
「これ、10年後のじみこが落としてったんだ」
「じゃあこれ、私のなんだ」


かわいい。未来の私、センスあるなぁ。


イヤリングを受け取ろうとすると山本は「ちょっと待って」と言ってイヤリングを開いた。
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