雲の上のピアニスト
□目覚めの感情
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「如月、昨日遅くまでピアノ弾いてただろ!大丈夫だったか?」
「怪我してない!?」
「あ。山本くん、沢田くん、おはよー」
朝教室に行くと、山本くんに突然心配された。
「おはよー!...じゃなくて!.......お、大丈夫そう、だな?」
私の元気そうな姿を見て判断したのか、安心していた。
「あはは、なんの心配?」
「昨日、雲雀が下校時間前に暴れてたって言うから...!!」
「え?ヒバリさん、昨日一緒にいたよ」
「え〜!?!?」
沢田くんがまたガーンという音付きで面白い驚き方してたので少し笑ってしまった。
「あ、でも、20分くらい別々だった」
「その時だー!!」
え、で、その20分でヒバリさんがなんだって?
「昨日それで10人くらいボコボコにされて....如月はなんとも無かったの....?」
「うん。でもヒバリさんじゃないと思うよ。20分で10人って有り得ないでしょ」
「あの人はあり得るのー!」
沢田くんはいちいちオーバーリアクションで面白いなぁ。
でも、20分で10人は有り得ないよねぇ。思い返してみてもヒバリさん、息上がってなかったし.....。
もしかして、私が会ってた人ってヒバリさんじゃないとか、、、?その可能性は否定できないなぁ。名乗られてないし。
ん?でも
「そういえば、咬み殺せない理由がなんたらって言ってた......」
「「え!?!?」」
どゆことー!?ってまた沢田くんが声を上げる。
すると聞きなれない声がした。
「雲雀は美玲を咬み殺さないのか?」
「ん?」
「リボーン!」
いつの間にか私の机に赤ん坊が立ってた。
え、赤ん坊なの?この子?
「ちゃおッス」
って挨拶してきた。
喋れる赤ん坊?
「リボーン、何で教室いるんだよ!」
と沢田くんがまたやかましくツッコむ。
「雲雀、お前の事が相当気に入ってるらしいな」
「え、いや、なんていうか、多分、ピアノ...?」
「なるほど、ピアノか」
何で私普通にこの赤ん坊と会話してるんだろう。
「お前いいから帰れよ早く!」
「俺にもピアノ聴かせてくれ」
「え、うん」
リボーンは沢田くんに追い出された。
なんだったの今の!
赤ん坊がいきなり出て来て喋って......。
ビックリした。
何でだか、名前知られていたし、、、。まあ良いけど。