エピソードまとめ

□Final
9ページ/25ページ

ep.Final 英雄の雛鳥達
─────────♢────────



〔獣の群れ〕オタグリ、ワービー、ウリドン
「獣ですね……!」

「ああ……。お前達三人は同郷の出身だったな」

「ええ、そうです。いわゆる"幼馴染み"ですね。ほとんど家族と言ってもいい」

「家族同然の幼馴染み……か。確かお前達の故郷は……」

「え?なにかおっしゃいましたか?」

「ああ……すまない。戦闘中に話すことではなかったな。さっさと終わらせるぞ!シモン!」

「了解です!」

獣討伐後。
「よし、片付きましたね。えっと……村へ行くには、この五差路を左に行けばいいですよね?」

「ああ。そのはずだ」

────────────────────

999Y.C. 森国シルヴェーア アンスワン森林

〔道中会話〕
「それでなんの話でしたっけ?」

「ああ……。まあたいした話じゃないさ……。お前は常にフルカード達を最優先に考えているのだな」

「はい。大事な家族のようなものですから、なにを犠牲にしても守りますよ」

「そうか」

「すみません。軍人たるもの、やはり大事なものを問われたら……、"法王聖下"や"源獣様"と答えるべきでしたか?」

「構わないさ。個人の感情に根ざした信念は強いからな。……ただ、シモン。身内最優先の考え方は時に祖国への失望にも繋がるぞ。私やガスパルのように………」

「ん?」


〔獣の群れ〕オタオタ、ガルル、クランチャ、ガルグラン
「そういえば教官とガスパルさんって、どういったご関係なんですか?」

「関係だと?」

「あ……いえ、答えづらいなら別に……」

「そんなことはない。お前やフルカードと同じ、昔馴染みというヤツだ」

「へえ、そうだったんですね。ということはお二人も同郷の……」

「ああそう……いや、シモン。今は戦闘中だ。悠長に話している場合ではないぞ!」

「そ、そうでしたね!」


獣討伐後。
「邪魔者は消えたな行こう。腹を割って話すというのは、意外と難しいものだな………」

「教官大丈夫ですか?なんだかお疲れのようですけど……」

「……気にするな」


〔道中会話〕
「それで?ガスパルさんとは……」

「ああ、その話か。お前が言っていた通り同郷の人間だよ。子どもの頃は妹のアニエスと共によく遊んだ仲だ」

「へえ。教官って、妹さんがいらっしゃるんですね」

「ああ。アニエスは………、この世に自分の居場所などないのだと主張するガスパルに、花畑を作ってやるような優しい子だったよ」

「だった……?」

「……亡くなったよ幼い頃にな」

「え……」

「こんな時世だそう驚くことでもあるまい。……まあ、私とガスパルにとっては最大の転機だったがな。お前が気にすることじゃない」

「教官……」

「……少々喋り過ぎたな。忘れてくれ」


────────────────────


コルテン村の門の前に、ガルルやガルグランなど、大量の獣が群がっていた。

「な!あれは……!」

「まずいな……。村に侵入される前にここで片付けるぞ」

「はい!」

2人は武器持ち、獣の群れへと走った。

〔戦闘会話1〕
「こいつが村を襲っているという、獣でしょうか?」

「どうだろうな。だがいずれにせよ、放置するわけにはいかない。まずは、こいつを倒して村の安全を確保するぞ」

「了解です!」


〔戦闘会話2〕
「なかなかしぶといですね……」

「どうした?逃げ帰りたくなったか?」

「いえ、それはないです。教官が一緒だと思うと何者にも負ける気がしませんから」

「そうか……。今はそれでもいいが、お前ももっと剣を磨き、この程度の相手、一人で叩けるようにならねばな」

「そうですね………。いつかそうなれるよう、教官の下でもっともっと学ばせて下さい!」

「ふっ」

────────────────────


「とりあえず片付きましたね」

獣を倒し終わり2人は武器を収めた。

「ああ。だがこれで一件落着とは思えん。村で状況を確認しよう。……時にシモン。……お前は私の顔に覚えはあるか?」

「え?……すみません、なにを尋ねられているのか……」

「……そうか」

「逆にお尋ねしますが、教官は僕になにか覚えがあるんですか?」

「それは……」

「おいそこのあんたら!ちょっといいかい」

リゼットが言い淀んでいると、後ろから大声で話しかけられた。

「あ……、村の方でしょうか。僕達のこと呼んでいるみたいですね。行きましょうか教官」

「そうだな………。……シモン」

「はい?」

「お前の疑問に関しては、改めて説明する機会をくれ」

「……ええ、楽しみにしています」

「ああ……。では、行こうか」

複雑そうな顔をして頷き、リゼットはユーゴ共に、声をかけてきた男の元へ向かうのだった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ