エピソードまとめ

□Final
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ep.Final 英雄の雛鳥達
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「いやあ、お二人さん。獣を狩ってくれてありがとよ!」

門の前で村人がそう話しかけてきた。

「礼には及びません。任務ですから。私は騎士学校より参りました、リゼット・レニエです」

「同じく、ユーゴ・シモンです」

「おお!そうでしたか!」

「獣被害の報告があったのですが、今の獣のことでしょうか?」

リゼットが問えば、村人は首を振った。

「いや……ヤツだけじゃありません。少し前から次から次へと獣が現れるようになり……」

「ふむ……」

「詳しい話は村内の人間に聞いて下さい。そっちの方が状況を把握しやすいかと」

「了解しました。行くぞ、シモン」

「はい」

リゼットはユーゴと共にコルテン村の中へ入って行くのだった。


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999Y.C. 森国シルヴェーア コルテン村


「さて、村人達から話を聞いて回るか」

そう言って、村の中を歩き始める。

〔村内会話 青年〕
「村を襲う獣は川の方からは来ないようなんだ。だからみんなを湖まで避難させようと思ってたけど……」

リ「村人全員……というのは難しそうだな」

「そうなんだよ……どうしたものか……」

リ「これ以上被害が出ないよう我々も尽力する。だからまずは自身の安全を確保してくれ」

「……わかった。じゃあ頼んだぜ」


〔村内会話 武器屋前、若い女性〕
「あなた達、今村は危険だから逃げた方がいいわよ」

リ「我々は獣から村を救いに来た者だ。そちらこそ早く逃げた方がいい」

「そ、そうだったの?じゃあ遠慮なく……。あ、お礼の前払いってことで、これ食べてね!」

リ「ああ、すまない。感謝する」


〔イベント会話1 川辺りの男性〕
「最近なんでこんなことばかり起こるんだ……。それまでは平和でのどかな村だったのに……」

ユ「確かに獣の問題はありますが、なんだかこの辺りの雰囲気は落ち着きますね。もしかしたら故郷の空気に近いのかも」

リ「お前の故郷……。確か……トレアン村…だったか」

ユ「ええ……そうです」

リ「……その村の前に住んでいた場所はないのか?」

ユ「どういう意味でしょう?」

リ「……いや。ただお前の幼少期の記録が薄いのが気になって」

ユ「………田舎の子どもに特筆すべき、経験なんてそうないですよ」

リ「……そうか」

ユ「そうですよ。それより早く獣の対処をして、また村に被害が出ることだけ 絶対に避けましょう。獣だろうと人間の手によるものだろうと、あんな惨劇は二度と起こさせたりはしない……」

リ「シモン…………。もしこいつがあの時の子どもだとすれば……ブレイズへの採用などあまりに悪手。なにをしているんだ私は。最悪、すでに上がこいつを…………」



〔移動台詞〕
リ「もう少し話を聞いてみよう」


〔イベント会話2 東門前民家 女性〕
ユ「すみません。少しお話を伺えますか?」

「ああ、いいよ。おたまで獣と戦った話を聞かせてやろうか?」

ユ「おたまで!?」

「実際は戦う前に助けられちまったがね」

リ「ほう。どなたにですか?」

「颯爽と現れた旅人のにーちゃんだよ。えらい腕が立つもんだから、そのまま用心棒として雇ったんだ」

ユ「その方は今どこに?」

「ここで守り続けてても埒が明かないとか言って、獣達がやって来る森の方へ行っちまったね」

ユ「……一人でですか?」

リ「随分腕に自信があるようだな。それかただの命知らずか……」


〔移動台詞〕
リ「もう一人くらい聞いてみるか」



〔イベント会話3 薬屋前 ドロテ、マルク〕
ド「うーん……。ブレス草は咲いているのにどうしてだろうねえ……」

マ「大丈夫だよ、おばあちゃん!獣は僕がやっつけるから!」

「こらマルク!お前はまたそうやって……」

ユ「マルク……?キミもしかして、レオが言っていた……」

マ「へ?」

ド「なんだい?お前さん達は?」

ユ「以前ここへ獣討伐に来た、ブレイズの仲間と……」

リ「その教官です」

マ「ブレイズ!?じゃああの二人も来てるの?」

リ「すまないが、今回は我々だけだ」

マ「なんだ……」

ド「お前さんも仲間ってことは、村を守りに来てくれたのかい?」

リ「ええ。なんでも獣被害に困っているとか」

ド「ああ……そうなんだよ。獣達はブレス草の花の香りを嫌うから、村まで来ることは 少ないはずなのに、まるでなにかに追われるようにやって来てねえ……」

リ「なにかに追われる…か」
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