エピソードまとめ
□Final
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ep.Final 英雄の雛鳥達
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〜数日前〜
【CHAPTER2 原罪の記憶】
999Y.C. 森国シルヴェーア イーディス騎士学校
〔操作キャラ:リゼット〕
「・・・ユーゴ・シモン。やはり、どうも引っかかる」
ステンドグラスの貼られた天井からキラキラと光が落ちる聖堂でリゼットはひとりでそう呟いた。
「資料に書かれた出身は、あそこではなくトレアン村とあったが……。上に追加調査を掛け合うか?」
考えリゼットは首を振る。
「……いや、そんなことをすれば藪蛇になりかねない。私は構わないが、あいつらを危険に晒すわけには……。……できることなら避けたかったが"ヤツ"を頼るとするか」
そう言ってリゼットは聖堂の外を見た。
「今日は学校に来ていたはずだ。少し探してみよう」
そう言って歩きだすのだった。
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〔校内会話 聖堂 男女生徒〕
「リゼット教官って優しいよねー」
「いやいや……、そんなことはないだろ。厳しいし……怖いし……。俺の足りてない所もズバッと指摘されるし……」
「でもそれってさ、私達生徒のことをちゃんと見てくれてるからじゃない?」
「それはまあ……。……でも俺にはやっぱ怖い存在だな……」
〔校内会話 聖堂 男子生徒〕
「すまない。ガスパルを見なかったか?」
「え?ガスパ……?」
「知らないなら気にするな」
「は、はあ……?教官。別件ですが、女子生徒を手当たり次第にナンパする、顎髭の男がうろついているという情報がありまして……」
「……ふむ。ヤツが学校に来ていることは、間違いないようだな」
〔校内会話 食堂厨房 料理長〕※チーズハットグのレシピ
「おや、先生。なにか食べてくかい?今日のメニューは……」
「いや、すまない。これから任務なんだ、そうなのかいつも大変だねえ。ただ食べられる時に食べとかなきゃダメだぞ?あんたが倒れちまったら生徒さん達も悲しむだろうからさ」
「そうだな……」
「あっ、そうだ!これ持って行ってくれよ。この前あった文化祭の模擬店で出したんだけど、好評だったから定番メニューに入れたんだ」
「ああ、獅皇祭の。私も気になってはいたが……」
「手軽に食べられて腹持ちもいいからな。道中にでもしっかり食べて、任務、頑張ってくれよ!」
「……わかった。ありがたくいただくとするよ」
〔校内会話 食堂 ミシェル、イェルシィ、ヴァネッサ〕
リ「ん……?」
イ「さーて、今日はなに食べよっかな〜!」
ト「ぷい〜!」
ミ「メニューが多いので迷ってしまいますね」
ヴァ「……ふと思ったのだが、イェルシィ達はアムル天将領の出身だろう?異国の料理ばかりで寂しくないのか?」
イ「そりゃあ……故郷の味が恋しい時もあるよ?」
ミ「アムルカガンの料理、美味しいですもんね」
イ「ねー!でも寂しいってカンジはあんまりないかな〜。あたしこの学校、大好きだし!もはや第二のふるさと!」
ミ「私も同じ感覚です!」
ヴァ「それは意外だな……。てっきり厳しい授業に、辟易していると思っていたが」
ミ「あはは……確かに毎日凄く忙しいですもんね」
イ「まあね〜。でもさ、それ以上に、楽しいこともたくさん経験できるからなあ。任務でいろんなとこに行けるし!」
ミ「その度に誰かのお役に立てることも貴重な経験ですよね」
イ「そうそう!あとはもちろん……ヴァネっさんやミーちゃん達と出会えたし、そんな場所サイコーに決まってるじゃん!」
ヴァ「確かにその通りだな。短い期間ながらここで過ごす時間は濃密で、とにかく……その…なんというか……、私もこの学校が、大好きだ」
ミ「ふふっ……良かったです」
イ「ありゃ〜?ヴァネっさん照れてる〜?」
ヴァ「そ、そんなことはない!……さあ食事にしよう。我々は次代の騎士となる身……。しっかりと体力を付け授業に挑まねばな」
イ「うい!」
ミ「はい!」
リ「……いい友人を持ったようだな。それは将来、お前達にとってかけがえのない糧となる。決して手放すなよ」
〔校内会話 ロビー 男子生徒〕
「ちょっといいか。ガスパルを探しているんだが……」
「ガスパルさんって確か……。入学式の時によくわからない話をしていた?」
「ああ。くだらないトークで滑り倒していた男だ」
「その人なら校舎の外へ出て行くのを見ましたよ」
「そうか。ありがとう」
〔校内会話 ロビー 校長〕
「おや、リセットさんどうされましたか?」
「いえ……」
「なにかお困りのご様子ですけど?」
「……生徒のことで少々気がかりがあるだけです」
「そうでしたか。先生も生徒と同じ人間ですし、互いに悩みながら良い結果に辿り着くといいですね」
「はい……。そうなれるよう尽力いたします」