エピソードまとめ

□ラウル
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ep.2 最年長者の頑張り
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「で?次の目的地は?」

みんなが集まった宿屋の一室でリディがそう質問する。

「オズガルド嶺峰国」

端的にエドが答える。

「新しい国ですわ!楽しみですわね!」

「……今さらだが、リディの口車に乗せられて良かったのか?」

「大丈夫ですわ!世界中を見て回りたいというのは、わたくしの本音ですもの!」

「ボクはお嬢様が行く所、どこへでもついて行きます」

キラキラと目を光らせるアナマリアの横で、シャルルがそう言った。

「おっさんは?」

そう言ってエドは、ラウルを見上げる。

「お兄さんもついて行きたいです!」

お兄さん、の部分を強調してラウルはそう答えた。

「オズガルドに行くのはやっぱり源獣が目当てなんだろう?源獣っていうのは、いわば歴史の生き証人だ。考古学者としては、ぜひ話を聞きたい相手さ」

「ついてくるのは構わないけど、相応の働きはしてもらうわよ?」

「任せておきなって。最年長としてできるところを、たくさん見せてあげようじゃないの」

ラウルは自信満々にそう答えるのであった。



【CHAPTER1 初めてじゃないお使い】
999Y.C. 森国シルヴェーア 森都ルディローム


「さて、オスガルドに行く前に、手分けして買い出しに行きましょう!」

宿屋に出てすぐリディがそう言った。

「アナマリアとシャルルは、これに書かれている物をお願い。資金はこれを使って」

リディは小さなメモ紙とガルド袋をアナマリアに手渡した。

「任せて下さいませ!」

「楽勝ですね」

受け取ってアナマリアとシャルルはそう言う。

「ラウルはこれね」

「はいよっと」

ラウルも同じようにメモ紙とガルドを受け取った。

「じゃ、買い出しが終わったら東門のところに集合ね」

「わかりましたわ!早速行ってきます!」

アナマリアはダッシュで駆けていく。

「お嬢様ー!待って下さーい!」

慌ててシャルルが追いかけて行く。

「……アナマリアちゃん達、大丈夫かなあ?」

心配そうにラウルは、去っていく2人の背中を見つめる。

「激しく不安だが。やらせてみないことには成長もしないからな」

「それもそうだねえ。変な物買ってお金、すっからかんにしなきゃいいけど」

「その時は、その時よ。なくした分は体で支払ってもらうから」

真顔でそういうリディを見て、ラウルは持ったガルドを見つめた。

「……この金、返していいかい?」

「あくまで無駄遣いしたらの話よ」

「持ち逃げも厳禁だぞ」

釘を刺すようにエドが言う。

「お兄さんのこと、なんだと思ってるんだ……」

「大丈夫よ。持ち逃げなんてできない」

「え?なんか仕掛けが?」

「さあ?ご想像にお任せするわ」

知らん顔してリディはそっぽを向いた。

「じゃ、エド。行きましょ」

「ああ」

「……最近のお子様は怖いねえ」

そう言ってラウルは買い出しに行くエドとリディを見つめるのだった。

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〔移動台詞〕
「リディちゃんがくれたメモによると、必要なのは虫よけと寝袋とテント……」

「あと食料と……鉄くず?……もしかして実験用か?」


〔イベント会話 青果店〕
「食料と書かれてるものの、なにを買おうか悩むな……」

「いらっしゃい!なにを探してるんだい?」

「あ、えーっと……調理が楽な食材ですかね……」

「ふふん、なるほど……。アンタ旅人さんだね?じゃあ切って茹でるだけの野菜がオススメだよ。ほらまとめて安くするから買ってお行き!」

「おおっ、助かります!」


〔移動台詞〕
「これで一つ達成っと!」


〔イベント 花屋〕
「ここに虫よけって売ってたりします?」

「ええ、こちらです。どうぞ」

「ありがとうございます!」

「この商品、効果は絶大なのですが、大量に使うと肌に悪いので注意して下さいね」


〔移動台詞〕
「次は……どこから行こうかな」


〔イベント 雑貨屋〕
「テントと寝袋って置いてますかね?」

「ええ、良いのがありますよ!アルコニス製の高級布を贅沢に使用した寝袋と、組み立てラクラクな撥水に優れたテントです!」

「おお!いくらですか?」

「セットでお買い得の100万ガルドですね!」

「高っ!!そんな高級品、気軽に使えないよ!普通の……っていうか、一番安いのでいいんですけど!」

「そ、そうですか……。では、こっちの物を……」


〔移動台詞〕
「よし順調だな」


〔イベント 防具屋〕
「鉄くず……ってここで買えますか?」

「ん?欲しいならやるが、鍛冶の合間に出たゴミだから金はいらねえよ」

「いいんですか!?」

「むしろ引き取ってくれる方がありがたい。処分するのも面倒だからな」

「良かった……。リディちゃん喜ぶぞ!……でも変な実験に使われるのも怖いし、持ち帰るのは少なめにしておこう……」


〔移動会話〕
「さてと、これで全部揃ったかな。よし、いい時間だし、集合場所に向かうとしますか」

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〔マーケットエリア会話 婦人〕
「ここは大きな街だから外から来る人も多いんだけど、ここ数年は減ってるそうよ」

「それはやっぱり戦争のせいで?」

「そうみたい。獣のせいで街を渡るのも楽じゃないから、お客さんが減って経営が立ち行かなくなって潰れちゃった所も多いのよ」

「それは……悲しい話ですね」

「でしょう?戦争に勝ったら幸せになれるっていうけど、そのせいで苦しめられてる人が 多いのはどうなのかしらね……」


〔マーケットエリア会話 老人〕
「昔、防具屋で鍛冶をやっておったんじゃが、毎日とんでもない数の鉄くずが出てのう。処分するのも大変じゃったよ」


〔マーケットエリア会話 マーボーカレー飯店前〕
「店から漏れてくるスパイシーな香り……これだけでメシ10杯は食べられそうだぜ!」

「ああ……、早く食べたいな……」

「お前、今日何辛いく?」

「7かな!この間10食べてヤバかったから、さすがに10は口ん中火傷するレベルだろ」

「とはいえ、7も相当ヤバいと思うけどな……」


〔街中会話 橋の上 女の子〕
「ねえねえ、イーディスって知ってる?」

「ああ。この街にある騎士学校のことかな」

「そう。すごいんだよ!図書室にすっごくたくさん本があって、おいしいごはんが毎日出てくるんだって!だから私大きくなったら、絶対イーディスに行くの!」

「そっか。なら騎士になるため頑張らないとね」

「ん?なんで?」

「え?騎士学校に行きたいんでしょ?」

「イーディスに行きたいけど、騎士にはなりたくないよ!たくさんの本と、おいしいごはんが欲しいだけ!」

「それは……なかなか難しそうな夢だねえ……」


〔街中会話 荷車を引く女性〕
「ホント困っちまうよ。夕飯の買い出しに来ただけなのに、安かったからって150個も、じゃがいもを買っちまったよ。これじゃ使い切る前に芽が出ちまう……」


〔マーケットエリア会話 スパイス屋〕
「あーっとそこのお兄さん!このスパイスが、気になっちゃった感じですね?」

「は、はあ……」

「絶妙な刺激が病みつきになるって大評判!若返りの効果もあるって女性にも大人気なんですよ!」

「なんですと!?」

「ささ、どうしますか、お兄さん」

「……ちょっと考えさせて下さい」


〔マーケットエリア会話 八百屋〕
「んあ〜、なんじゃねなんか用かね」

「いや、商品を見てるだけです」

「ほお……そうかそうか」

「オススメとかあるんですか?」

「特にないなあ」

「ええ……」

「ま、なんか欲しくなったら声かけなさいよ」

「……商売っ気のない店長さんだなあ……」
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