エピソードまとめ

□ラウル
3ページ/15ページ

ep.1 自称考古学
─────────♢────────


〔採取イベント〕※マッチョタケの姿漬け レシピ
「おっ、こんな所にキノコが生えてるぞ。……ふうむ。遺跡の空気を吸って育ったキノコか……。悪くないねえ。そういや酒場の女の子から、いいレシピを教わったんだっけ。……せっかくだし少しいただくとしますか」

────────────────────


進んでいると、また道幅の広い階段があり、ラウルはそれを登って行った。

「……あれが、むっふっふ!大発見の予感!」

部屋の中に入ると、正面の壁に源獣アグライアの顔の象があり、その前の台座のような物の上に白く輝く宝石の様なものが置いてあった。
ラウルはそれを調べる為に近づいた。


「お待ちなさい!」

後ろから女の子の声が聞こえた。
振り返るとブルーグリーンの長い髪の女の子がこちらに刀を向けて立っていた。

「遺跡を荒らし!宝物を盗み出そうとする盗掘者!その所業!このわたくしが許しませんわ!」

「ええ!?」

「どう!?」

驚くラウルを置いて、女の子はくるりと後ろを振り返った。

「今の最高に決まっていたのではなくて!?」

「はい!さすがお嬢様です!」

パチパチと、女の子の後ろにいた彼女と同じ髪色の水兵のような服を着た子供が拍手をした。

「ええ…?」

「では、参りますわ!」

女の子は、もう一度こちらを向き直し、彼女の後ろの子供も杖を取り出し走って向かってきた。

「ちょっ!?待っ!?待って!お兄さん盗掘者じゃないから!」

ラウルは一応、槍を構えた状態で2人から距離をとる。

「笑止!お兄さんなどと偽称をのたまうの言うことなど聞く価値もありませんわ!」

「お兄さんは痛いですよね……。せめておじさんとか」

「おじさんっていう年齢じゃないからね!?」

「え!?……ではおじい様?」

「なんで加齢させたし!?」

「おじい様……自分の年齢もわからなくなってしまうなんて……」

「お兄さんの年齢知らないよね!?」

「また自分のことお兄さんとか言ってる……」

「しっ!そう信じたいお年頃なのですわ」

「あれ?これお兄さんマジ切れしても許されるんじゃないか?」


怒りに任せ、ラウルは2人を大怪我させない程度にボコボコにした。

「ふしゅう…ぐるるる!」

「正体表しましたわね!」

「誰だってあんだけ馬鹿にされたら怒るにきまってるでしょ!何度も言ってるように盗掘者じゃありません!改めて、自己紹介しようか」

そう言ってラウルは、2人の顔を見た。

「考古学者のラウルだ」

「考古学者ですって?」

「怪しいことこの上ないです」

「学者という顔ではありませんものね」

「はい。盗掘者と言われた方が、納得の顔です」

ヒソヒソと話す2人にラウルのこめかみがピクピクとした。

「喧嘩売ってる?」

「でしたら、証明できますの?」

「証明って……」

ラウルは少し考える。

「……じゃあ、この遺跡について少し講釈しようか」

そう言ってラウルは歩いて、祭壇に置かれた宝石に手を乗せる。

「たとえば、この祭壇だが700年前の源獣崇拝文化の………」

そう話してる最中だったが、急に床が無くなった。

「「「え?」」」

「嘘だろおおおお!?」

3人は重力に従って、下に空いた穴に落ちた。


────────────────────


【CHAPTER3 出口を探して】
999Y.C. 森国シルヴェーア 鏡鉄遺跡

「……はー、真っ逆さまに落下じゃなくてよかったー……」

「滑り台のようで楽しかったですわ!」

「ですね!」

「お兄さんは二度とごめんだよ……」


どうにか無事だった3人は起き上がって、歩き出す。


〔道中会話〕
「そう言えばキミらは?」

「自己紹介がまだでしたわね!わたくしアナマリアと申しますわ!」

「アナマリアちゃんね」

「お嬢様を気安くちゃん付けするなんて……」

「あー、キミは?」

「シャルルです」

「シャルルくんね。うん?シャルルちゃん?どっち?」

「どっちでも。呼び捨てでも構いません。どうせ短い付き合いでしょうし」

「そうトゲトゲしなさんな。短い付き合いでも円滑なコミュニケーションっていうのは大事だよ?」

「爺くさい」

「張っ倒すぞ、こら!?」

「トゲトゲなさらないで下さいませ!」

「ええ……」


〔イベント 火が吹き出る仕掛け〕
「火とはまた……派手な仕掛けだねえ」

「恐れることはありませんわ!冒険に火はつきものです!」

「はい。進みましょう、お嬢様!」



〔道中会話〕
「……こりゃ、元の場所に戻るのは無理そうだねえ。どんだけ深い所に滑り落ちてきたんだか」

「冒険の匂いがプンプンしますわー!」

「お嬢様!活躍のチャンスですよ!」

「脱出できなかったらここで、干からびなきゃならんかもしれないんだけど、わかってんのかねえ?」


〔道中会話〕
「まさか、あの祭壇自体が罠だったとはなあ」

「自称考古学者のくせに迂闊に触れるからですよ」

「触れただけでこんな大掛かりな仕掛けが発動する遺跡が、そうそうあってたまるかい」

「……本当に考古学者なんですか?ボクら二人と戦えてる時点で只者ではありません」

「ですわよね?学者にしては強すぎますわ」

「ええ。学者というからには、もうちょっとマシな言い訳を考えてほしいものです。頭が足りない証拠です」

「また喧嘩売ってるのか!?」


〔道中会話〕
「マシな言い訳ってもなあ……。そりゃ悪魔の証明なんじゃないのかい?」

「悪魔の証明ってなんですの?」

「証明するのが難しいってことだよ。いくらお兄さんが身の潔白を告げても、それは盗掘者じゃない証拠にはならないし。盗掘品を持ってなくても、未遂ってだけかもしれないから、盗掘者じゃないって証拠にはならないだろう?」

「なるほどー?」

「あんま、よくわかってなさそうだね……」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ