エピソードまとめ

□ラウル
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ep.2 最年長者の頑張り
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日が暮れてぱちぱちと焚き火が燃える前で、ラウルとエドとリディは話をしていた。

「シャルルのやつ、さも当然って顔して、アナマリアちゃんと寝に行きやがったなあ」

「まあ、あんま目くじら立ててやるなよ」

「大人ね」

「二人もついでに少し寝たらどうだい?不寝番はお兄さんがやるからさ」

ラウルがそう言えば、エドは眉間にシワを寄せた。

「……朝から動きしで夜も寝ずに……だと?おっさんあんた本当に何者なんだ?」

「だから、考古学者だって、ちょっと体力に自信のあるね。それに体が知れないって意味じゃ、シャルルの方がそうじゃないかい?」

ラウルの言葉に、リディはそれもそうというように頷いた。

「……源獣に干渉する力があるのは確かみたい。本人にも制御できてないみたいだけど」

「そいつは問題だな」

「おっと……」

ラウルはすっと立ち上がって槍を持った。

「本当に大問題発生だ。人の気配に引き寄せられたかな?」

「かもな」

エドも双剣を構え、リディもあとに続くように銃を取った。


〔LUSH1〕ガルル、ガルグラン
エ「テントには近付けさせるな」

ラ「りょーかい」

エ「リディは無理するな」

ラ「お兄さんの後ろにいな」

リ「え」

ラ「そこで嫌そうな声出されると傷付くんだけど!」

リ「冗談よ」

エ「油断すんな」

リ「ん、ごめん」

ラ「エドが相手だと素直なのに……この差は……」


〔LUSH2〕ガルル、ガルグラン、ガルバ
ラ「うわわわっ、なんだいこりゃ!?」

リ「もしかしたら……、獣の巣にテントを張ってしまったのかも」

ラ「なんだって!?」

エ「……前にも似たようなことがあったな」

ラ「そうなのかい?」

リ「いつの話?」

エ「いやなんでもない」


〔LUSH3〕ガルル、ガルグラン、ガルバ
ラ「一体一体はたいしたことないけど、こう何度も向かってこられると面倒だねえ」

エ「もう一人くらい手が欲しいところだな」

ラ「シャルルを叩き起こそうか」

リ「賛成……と言いたいところだけど、アナマリアが起きると良くないわ。明日の活動に響きそうだもの」

エ「……確かに」

ラ「この三人でやるしかないってことか………」


〔LUSH4〕ガルル、ガルグラン、ガルバ
ラ「このままじゃ、今夜は一瞬もできそうにないねえ」

エ「最悪そうなるな。良いのかリディ」

リ「良くないって言っても、どうにもならないでしょ。こんな状況を放置して寝れるわけもないし」

エ「……まあそうだな」

ラ「せめてこれが最後だと祈るしかないねえ」

リ「そういうことを言ってると永遠に終わらない気がするけど」

エ「……どういうことだ?」

リ「天才のカンよ」

ラ「いやどういうこと?」


〔LUSH5〕ガルル、ガルグラン、ガルバ
ラ「ああっもう、いい加減にしてくれないかなあ!」

リ「だから言ったでしょ。これで最後とか言うと絶対にそうならないのよ」

エ「なんだそのジンクス的なやつは」

リ「でも当たってるじゃない」

エ「……確かに、じゃあもう最後って言うのやめる!」

ラ「どんどん来い!何度でも来い!」

リ「それはそれで……」

エ「本当に来たらどうするんだ」

ラ「なにが正解なの!?」


〔Final LUSH〕ガルル、ガルグラン
ラ「おっと、これは……」

エ「デカいのが出てきたな」

リ「いよいよって感じするわね」

ラ「最後とは言わないぞ……」

リ「でも、なんとなくこれで終わりな気がするわ」

ラ「えっ、リディちゃん……」

エ「自分で最後って言っちまっていいのか?」

リ「これも天才のカンよ」

エ「……なるほど」

ラ「よーし、信用しようじゃないか!全力でやってやるぞお!」


〔LUSH終了〕
ラ「お……終わった〜!」

エ「片付いて良かったな」

リ「少しは眠れそうね」


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「しかし、こんだけ騒がしくしたのに、起きてこなかったねえ」

そう言いながら、ラウルは戦闘で消えた焚き火をつけ直した。

「それだけ疲れてたってことだろ。リディも もう休んでおけ」

「そうさせてもらうわ」

そう言ってリディはテントの方へ走っていく。

「おっさんは?」

「ちょっと疲れたけど、この程度ならまだ大丈夫さ。お兄さん、できる考古学者だからね」

「こんな超人で得体の知れない考古学者がいてたまるか。だが、まあ、リディの人を見る目の話じゃないが、悪い人間じゃないことはわかる」

「そう言ってくれるのなら、なにより」

「……憐れな人」

話をする2人を、そう言って見ながらリディはテントの中に入っていくのだった。
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