エピソードまとめ

□エドワール・ルキエ
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ep.1 旅立ち
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アルサハッサの巨大がマナに還っていく。


「終わったわね」

「ああ。あとはこいつらを……」

エドは倒れている三人の元へ向かった。

「た、助かった……」

唯一意識のあるブルドがゆっくりと体を起こす。

「恩に着るぜ」

「……勘違いするな。お前らに死なれると官憲に引き渡せないからな」

「へ?」

エドの言葉にブルドは間抜けな顔を晒した。

「あれだけやらかしたんだ。引き渡せば少しは賞金がもらえるだろうさ」

「へええ!?」

ブルドは更に間抜けな叫び声を上げるのだった。






ウールハル村の官憲に三人を突き出したエドは、手に入った小銭袋を手のひらに乗せお手玉のようにぽんぽんと揺らす。

「……しけてるな」

「そんな小金のために獣と戦うなんて。故郷で暮らしてた時は、苦労なんてした事なかったでしょうに」

どういう意味だと、エドは静かにリディを見つめる。

「マイシュの王子……エドワール・ルキエ殿下?」

リディから放たれた名前に、エドは驚いたように目を見開いた。

「……どこで知った?」

「情報の出どころは黙秘させてもらうわ」

リディの言葉に、エドは盛大なため息を吐いた。

「……で、それを知ってるからなんだって言うんだ?」

「力を貸して欲しいの」

リディはエドを真っ直ぐ見据えた。

「なぜ、オレなんだ?」

「エドならあたしに共感してくれると思ったから」

「……なに?」

「王子でありながら国を滅ぼされ、故郷を追われた。さぞ、絶望したでしょ?だからきっとこう思ってるはず」

リディは淡々と話を続ける。

「"こんな世界、壊れてしまえ"って」

リディは息を吸う。

「だから証明するの!こんなクソったれな世界が壊れることを!」

リディは前のめりになりながら珍しく、感情的に叫ぶ。

「……落ち着け」

「あたしの計算だと……この世界、もう滅びてるわ」

「はあ?」

「でも、それは確定ではないの。だから、その証拠を得るために、源獣を調査したいの」

「はあ」

「その間の護衛……お願いできるかしら?」

「それは追加の依頼と受け取っていいのか?」

「……そうね」

「……わかった。その依頼受けよう」

「エドならそう言ってくれると思ったわ」


リディは満足そうにそう言った。

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〔エピローグ〕

2人はウールハル村の中を歩いていく。

「それじゃあ、まずは、シルヴェーアの獅皇アグライアを目指しましょ」

「……ああ」

ふと、エドは足を止めた。リディは気づかず先にいく。

「……想像以上にやべーのと関わっちまった。なにをどうしたらあんなガキに育つんだ?」

先行くリディの背をエドはじっと見つめる。

「……なんにせよ。あんな危なっかしいガキ、放っておけねーだろ。いやいや、心配だからじゃない」

エド小さく頭を振るった。

「これも報酬のためだ」

そう言ってエドは、離れた事に気づき足を止めて待つリディの元に歩み寄って行くのだった。


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〔次回予告〕
次回 テイルズオブルミナリア
エピソード エドワール

ep.2 英雄の条件

次は、もう少し金になるといいんだがな
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