エピソードまとめ
□エドワール・ルキエ
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ep.2 英雄の条件
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「エドワール、これがマイシュに伝わる国宝だ」
白い編み込んだ髭の男が、そう言って青い石の付いたネックレスを取り出した。
「これが……」
幼きエドワールは父の手の中にあるその宝石を見つめた。
「お前も知っての通り、マイシュの王族だけが力を引き出すことができる。この力を使えば、リアクター使いなどたやすく撃退できるだろう」
「帝国が攻めて来ようとも恐れるに足りません」
「うむ。もし余になにかあった時は、エドワール」
名を呼んで、父王は手をエドワールの頭に置いた。
「お前が民を守るのだ」
「はい」
幼き自分はそう強く返事をした。
「父上、オレは…………」
大人になったエドワールは、宿の壁に背を持たれて、父から受け継いだ、その宝石を眺めるのだった。
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【CHAPTER1 オズカルドの危機】
999Y.C. オズカルド嶺峰国 山都ドルガノーア
「……お、やっとお目覚めか」
宿を出ると、ラウルが待ち構えていた。
「珍しいね、エドが最後に起きてくるなんて」
ラウルが最後だと行ったのに彼の周りに子供たちはいなかった。
「……あいつらは?」
「先に行っちゃったよ。軽く街を見てくるってさ」
「また勝手なことを……」
護衛対象が勝手にウロウロする事にエドはため息を吐いた。
「お兄さん達も行くかい?」
「……そうだな。三人と合流しよう」
そう言って、エドワールとラウルは2人で街中へ向かって歩き出した。
「さてさて、みんなはどこかなっと」
「とりあえず店がある方へ行ってみるか」
階段を登りながら、露店の方へ向かっていると、
「うわあー!」
と、悲鳴が聞こえてきた。
「なんだなんだ?トラブルとか勘弁してくれよ?」
「チッ!街の入り口でなにか起こったようだな。そっちへ向かうぞ!」
「ええ……。兵士に任せればいいんじゃないかねえ……」
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〔街中会話 青年〕
「おい、なにが起きてるんだ?」
「わ、わからない!こっちが知りたいよ!」
〔街中会話 若い女性〕
「この下で女の子が獣に襲われてたわ!早く助けてあげて!」
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街の入り口へ向かうと、獣の群れと戦うピンクと水色の混じったツインテールの女の子が居た。
「リディ!」
エドワールは双剣を握り飛び込んだ。
「遅い」
「これどういう状況?」
ラウルも槍を持って参加する。
「わからないわ」
「騒ぎになってる方へ来てみたら獣がいたの」
「街に入り込んだのか」
「いったいどこから……」
「とにかく殲滅するぞ!」
「そうね」
そう言って3人は、街に現れたフランジャ、エルジュ、オタレドを蹴散らして行った。
「大体、片付いたみたいだね」
そう言ってラウルが息をついた。
「う……うう……」
呻き声に当たりを見れば、付近にいた民間人が怪我をしていた。
「見せて。応急手当ならできるから」
そう言ってリディが民間人に駆け寄る。
「ぬわあーっ!?」
また、違うところから悲鳴が上がる。
「おいおい……次はなんだ?」
「今度は酒場の方で出たぞ!」
「チッ。リディ、ラウルここは任せたぞ!」
そう言ってエドは入り口広場の先にある階段を登って行った。
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〔会話 ラウル〕
「どこからか獣が街に入り込んだみたいだねえ」
「ああ。また来るかもしれない。気を付けてくれ」
「了解」
〔街中会話 倒れている屋台店主〕※屋台のホットタコスサラダのレシピ
「ドルガノーア名物のホットタコスサラダだぜ。アゴのラインが気になりだしたら、これを食うのが一番だ!ウチのは噛み応え抜群だからな!食うほどにアゴの筋肉が発達して、余分な肉が落ちるんだよ。疑うならレシピをやるから試してみな!」
〔街中会話 若い女性〕
「今、男の人に、兵士を呼びに行ってもらったわ!だから早く酒場の方に行ってあげて!」
〔街中会話 連邦兵〕
「さ、酒場と広場どっちに行けばいいんだ!?」
〔街中会話 西広場前 おじさん〕
「酒場の前にも獣が……。頼むみんなを助けてくれ……!」
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「アナマリア!シャルル!」
街の左側にある酒場へ到着すると、そこには獣と戦うブルーグリーンの髪の少女と少年の姿があった。
「あら?エドも来たんですわね」
「今さら到着ですか。呑気なもんですね」
「悪い遅れた分、働いてみせる」
そう言ってエドワールは参戦する。
「ボクとお嬢様だけでも余裕でしたけど、まあそこまで言うならキリキリ働いて下さい」
「ああ。一掃するぞ!」
「了解ですわ!」
そう言って3人はフランジャ、エルジュと戦うのだった。