エピソードまとめ

□ファルク
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ep.2 亡霊を喰らう鷹
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〔道中戦闘 亡霊戦団員〕
「ニセ亡霊どもがうようよ!雑魚どもが!」

「チッ……なんでこんなとこに軍人が………。ガキを救いに来やがったか!」

「……おい、そいつはどこにいる?」

「ハッ、今頃団長のとこで、くたばってんじゃねえか」

「手を掛ける所は見てないってことか」

「まだ間に合うってこと?」

「急ぐぞ!」

「させるかよ!テメエらもガキもここで死ね!」


戦闘後。
「ロランス隊に敵うものなしっ!」

「よし、このまま奥に向かうぞ!」

「サーリムくんの情報が得られて良かったね」

「急ご急ご〜!」


〔道中会話〕
「やっぱり帝都の建物とは違って、こちらは手応えがあるね。向かってくる数も多いし、本拠地って感じがするよ」

「獣もいるから大変だよねえ〜。……しかも、なんでかわからないけど、さっきからこの辺の獣……ちょっと雰囲気違くない?イライラしてる感じがするっていうか……」

「洞窟にはマナ溜まりもあるので、そのせいかもしれないですね」

「ううう……やっぱ、厄介だよ〜」


〔崖っぷち〕
「ううう、胸がこすれるう〜」

「そ、それは……」

「ノーコメントだ」


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「ひゃあーっ!」

「チッ、獣か!」

ガルルにガルグラン、ジャフラにオタパプと大量の獣がいた。

「……よーし、ファルク曹長!ここは私とユーゴくんに任せて、サーリムくんの救出に行って!」

隊長としてアメリーが命令する。

「はあ?馬鹿野郎、数を見ろ!」

「だからだよ。今こんな敵に時間を費やす余裕はないはずだ」

「くっ……わかった。お前ら、勝手にくたばんじゃねーぞ!」

「キミこそね!」

互いにそう言って、ファルクはひとり先へと急いだ。


「サーリムの野郎……手間かけさせやがって。ホント、昔から変わんねえ。……そうでもないか。一人で商人やるなんざ、前のアイツじゃ考えられねえ。盗賊のアジトに突っ込んでくことも………。…ま、馬鹿には違いねえか」

そう言いながら道中の獣を蹴散らし、進んだ先に、金髪の小さな背中が見えた。その周りには亡霊戦団員達と、そのボスらしき女が居た。

「見つけたぜ……!」

ファルクは全速力で駆ける。

「動けるヤツは好きなんだけど、ウチの傭兵にならないってなら仕方ないね」

女がそう言い、周りの亡霊戦団員たちがサーリムににじりよっていく。

「く……!」

「待ちやがれ!」

割って入り、サーリムに近寄っていた亡霊戦団員をぶっ飛ばす。

「な……ファルク兄い!?」

「……へえ。そうかあ……坊やが"ファルク"かあ……!」

女は上から下まで舐めまわすようにファルクを見た。

「帝都のアジトで随分暴れてくれたようだね」

「ゴミ掃除に来てやったぜ」

「言うねえ、"暴君"。でも、かつての亡霊の出番はないんだよ!」

「できるもんならやってみやがれ!」

「お前達、恐れることはないよ。今の亡霊戦団はアタシ達だ。過去に囚われることはない……。むしろこの手で伝説を、打ち倒してやろうじゃないか」

「はい!カリン団長!」

女─カリンによって士気の上げられた亡霊戦団員たちが剣や銃を構え、ファルクに向かっていく。

「名を騙られた挙句、クソみてえな茶番を見せられるとはな。反吐が出るぜ!」

そう言って、ファルクは容赦なく亡霊戦団員達を蹴散らしていった。

1人で戦うファルクの後ろから2人分の足音が聞こえてきた。

「クロードくん!」

「遅くなったね」

そう言ってアメリーとユーゴが隣に立つ。

「アハッ。軍人さんが増えたかい」

「偽りの亡霊戦団……いえ、盗賊団!乱暴狼藉はそこまでです!」

アメリーが、カリンに槍を向ける。

「くっ……どうします、カリン団長」

亡霊戦団員が、カリンへ判断を仰ぐ。

「始末するに決まってんだろ。金で見逃しちゃ、くれないだろうし」

「たりめーだ。亡霊を綺麗サッパリ、始末しに来たんだからよ」

「そっかそっか。なら……答えはこれだ!」

そう言ってカリンは長剣を抜いて、その剣を振るった。
3人も負けじとそれに応戦する。

「もう逃げ場はありません!覚悟して下さい!」

「なかなか姿見せねえわ部下に戦闘任せるわで、どんだけ臆病な団長様かと思ってたが。そこそこ実力はあるらしいな」

「そうだね。いくら野卑を装ったとしても 真っ当な剣筋は隠せていない」

「……どういう意味だ?」

ユーゴの言葉にファルクは首を傾げる。

「……おや、バレるなんてねえ。それなら隠しても仕方ない。聖痕騎士の義務として実力を見てやろう!」

そう言って、カリンはエンブリオの力を使い蔦や花を咲かし毒を撒き散らす。

「連邦の騎士様が野盗を装って、せこせこ破壊工作かよ!」

「育ちが良いものでね。下賤と共に暴れるのは…………。実に痛快だったあ!新しい自分の発見さ!上から与えられるのではなく、己の才覚で掴み取る。なにより亡霊は、つまらないしがらみや肩書きから自由だ!」

「チッ、イカレてんぜ。だがんなこたどうでもいい。テメエは亡霊戦団の名を騙りやがった。それだけで死ぬ理由には充分だ!」

ファルクは全身全霊をかけて、双剣に力を乗せるのだった。
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