エピソードまとめ
□ファルク
12ページ/18ページ
ep.2 亡霊を喰らう鷹
─────────♢────────
「それじゃまずは、宵闇通りに向かいましょう!」
そう言ってサーリムは、先陣切って歩き出した。
「か……手に決めてんじゃねえ!」
ファルクが怒鳴っても、サーリムは気にせず楽しそうに先へと進んでいく。
「ただ、こいつはなにか情報握ってんのか……。しゃーねえ、ひとまず一緒に行くとするか……」
仕方なくファルクはサーリムと共に帝都を歩くのだった。
〔道中会話〕
「知ってると思いますが宵闇通りは……」
「……ここを進んで左の道だろ」
「はい!そこに手配屋がいるので、話を聞いてみましょう!」
「……は?お前が情報持ってんじゃねえのか?」
「手配屋がいるって情報を持ってますよ!」
「お前な……」
────────────────────
〔街中会話 帝国兵2人〕
「なんか昨日そこの道で、騒ぎがあったらしいですよ」
「……そういや、お前はまだ、ここに来たばかりだったな。宵闇通りのトラブルは日常茶飯事だ。だが、俺達が介入することもない。あそこは腕の立つゴロツキが多くて、下手に関わると殺されかねないからな」
「そ、そんな所が帝都に!?覚えておきます……」
〔街中会話 女の子〕
「お兄ちゃん達、左行っちゃダメだよ!」
「あ?」
「こっから先は近付いたら死んじゃうの!こわ〜い顔の人がいっぱいいたり、わる〜い人が剣を振り回してたり……、すっごくすっごく怖い場所だってパパが言ってた!」
「……まあ、間違ってねえな」
〔街中会話 老人〕
「ヒッヒッヒッ、こんなとこに若者がおる。迷子かあ?それとも怖いモン知らずかあ?」
「そんな怖いモンがいるなら今すぐ出てきて欲しいもんだな。ぶっ飛ばしてやるからよお」
「ヒャッヒャッヒャ!威勢がいいのお!そんな若いのが、ここで潰されるのを見てると……最高に酒が美味いんじゃ!」
「……クズだな」
〔街中会話 立ち話をする2人〕
「この辺りに手配屋がいるって聞いたんだが………」
「知らねえな」
「頼む金はあるんだ!居場所を教えてくれ!」
「……その話が本当なら教えてやってもいいぜ。今日は良い酒を飲みたい気分だったんだよなあ」
「……いくら出せばいい?」
「有り金全部だ…金はあるんだろ?」
「そ、そんな……!」
────────────────────
宵闇通りは、名の通りの薄暗い通りで、ごろつきたちがウロウロしていた。
「おいおい、道に迷ったか?あんたらが来る場所じゃないと思うけど、どうよ?」
現れた子供と軍人にごろつき達はオラオラと群がった。
「あ?」
「ドゥーハンに用があるんです。この先の酒場にいるって聞いたんですが……」
ごろつき達に全く物怖じせず、サーリムがそう尋ねる。
「そんな手配屋知らねえなあ。よそ者はとっとと帰りな」
「そんなはずは……!だって確かな筋から……!」
「テメエが知らねえなら、そこをどいてもらおうか。自分で探すからよ」
「えっ!?」
「……ほお、俺達とやろうってのか?」
「後悔するのはテメエらの方だぜ?会わせてもらうさ……強引にでもな」
そう言ってファルクは双剣を構った。
〔道中会話 ごろつき戦闘1〕
「そのドゥーハンってのが、さっき話してた手配屋のことか?」
「はい!盗品の売買とか仕事の斡旋とか色々やってて、この奥の"ガイスト"って酒場にいるって聞きました。でもこの人達、知らないって……」
「んな情報呑みにすんじゃねえ。こいつらはたぶんそいつと繋がってる。用心棒としてここで張ってるってトコだろ」
「でも例の話、おかしいですよね。だって、亡霊戦団は……」
「落とし前はつけさせるさキッチリとな。どこの誰だか知らねえが騙りは見過ごせねえ。……ブッ殺してやる」
「兄い………。やっぱ、かっこいいですね!」
〔道中会話 ごろつき戦闘2〕
「オレも兄いみたいに、強くなれればいいんですけどね」
「バーカ、千年早えよ」
「それじゃあ、千年生きて追いつきます!………なるべく!」
「言ってろ」
〔道中会話 ごろつき戦闘3〕
「兄いとまた一緒に行動できる日が来るなんて……オレ感動でちょっと泣きそうです!覚えてますか?路地裏で暮らしてた時、毎日ヤバい橋渡ってましたよね。捕まった時用に秘密の暗号とか作ったりして!」
「……んな昔のこと覚えてねえ」
「へへっ……、このクールな態度が、またカッコいいですよね!」
〔道中会話 ごろつき戦闘4〕
「おし、次だ!」
「例の酒場はもう少し先です」
「ってことはまだまだ湧いてくるかもな。怖気付くんじゃねえぞ」
「兄いがいれば大丈夫です!」
〔道中会話 ごろつき戦闘5〕
「やっぱ兄いは強いですね!軍人になるのも納得です!」
「そうかよ」
「あ、そういえば、あの優しそうな女の人、上官なんですよね。ってことは兄いよりも強……」
「勘違いすんな!オレ様より強いヤツはいねえ!」
「そ…そうなんですか?でも兄いより立場は……」
「たまたまそうなってるだけだ!っつーかそれ以上、アイツの話しやがったら……」
「わ、わかりました!もうしませんっ!」
〔道中会話 ごろつき戦闘6〕
「虫みてえに湧いてきやがる」
「宵闇通りですからね……」
「この辺も昔から変わらねえな。マヌケは金や持ち物をブン盗られやすいし、わめいても助けは来ねえ。……あの路地裏もここも、時間が止まってるみてえだ」
〔道中会話 ごろつき戦闘7〕
「あ、兄いオレも一緒に……!」
「テメエはただの商人だ戦う理由はねえ」
「り、理由ならあります!兄いの役に立ちたいんで……!それに兄いがいるのに負けるはずありません!」
「だったらオレー人でも充分だろうが。すぐ終わらせっから、そこで見てな!」