エピソードまとめ

□ファルク
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ep.2 亡霊を喰らう鷹
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【CHAPTER2 獲物を追え】
999Y.C. ジルドラ帝国 帝都内帝国軍兵舎

※この時期は右階段がファルクが破壊したまま


「くだらねー夢見ちまった。食事場で飯でも食うか」

そう言ってファルクは部屋から出て、続く廊下の先を歩く。

「あ、クロードくん……!」

「ここにいたのか」

食堂の前にアメリーとユーゴがいた。


「なんだ?オレは今から昼飯を………」

「新しい任務が、下ったんだけど?」

「よっしゃ!早く話せ!」

ユーゴの言葉にファルクは食らいつくようにそう言う。

「……本当に仕事熱心だな。食事はいいのかい?」

「んなもん二の次だ。手柄のチャンスは逃したくねえ」

「なるほど、さすがだね」

「では隊長、お話を………」

「はいはーい!え〜っとね。今回の任務はね……」

「まどろっこしいから行きがてら話せ!」

そう言ってファルクは歩き出す。

「ええっ〜!?」

アメリーは驚きの声を上げるのだった。

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〔兵舎内会話 上官室前〕
「今は会議中だ。用があるならあとにしてくれ」


〔兵舎内会話 2階廊下〕※2色ソースの覇道バーグのレシピ
「はあ……。満腹満腹。お前も食った方がいいぜ、今日のオススメ!」

「メニューは?」

「ハンバーグだよ!二つのソースが肉と絡み合って、んん〜最高!」

「ハンバーグか……。そういや、ジョイスが好きだったな」

「行きつけの店で飽きもせず毎日食べて……。チッ!」

「ヒッ!?」

「今日は嫌なことばっか思い出すぜ……」

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999Y.C. ジルドラ帝国 帝都ハイガルデン

ロランス隊の3人は駅を降り、街へでた。

「……ってことで、今回の任務は盗賊団の討伐だよ。なんか、元々は帝国が雇った傭兵団だったらしいんだけど、作戦中に略奪とか暴行をしてたんだって!」

「ド三流ほどやるんだよなあ……。傭兵の恥じ晒しどもだ。で、そういう界隈に顔の利く オレ様の出番ってワケか」

「そういうことでーす!活躍のしどころだね!」

「……とりあえず、あいつらに話を聞くか」

ファルクがそう言うとアメリーは首を傾げた。

「あいつら?」

「路地裏の路上生活者達だ。裏の話は大体あそこに入ってくるからな」

そう言ってファルクは、駅から噴水広場の先を目指すのだった。


〔街中会話 女性〕
「ハイガルデンはいい街だけど、危ない場所も多いから注意した方がいいわよ。特に大通りから左の宵闇通りと、右奥の方にある路上生活者達のたまり場は、この街に住んでいる人間さえ近付かないわ」


〔街中会話 食事処前おじさん〕
「この通りは食事処が多いけど、あんまり奥には行かない方がいいぞ」

「まあの路地裏は普通のヤツが、行くトコじゃねえよな」

「そうそう!あそこは治安が悪いからね」

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〔道中会話〕
「それでなんてえ名の連中だ?その盗賊団ってのは」

「ええと、なんか怖い名前だったような……。あそうだ!"亡霊戦団"だ!」

「ああ!?」

「な、なに……?」

「そいつはなにかの間違いだぜ。亡霊戦団はとっくの昔に壊滅してる」

「……でも、彼らはそう名乗っていたそうだよ。亡霊は滅びない……といったところかな」

「……面白え冗談だぜ」

「クロードくん……?」


〔イベント〕
「この先が路地裏だ」

「……いかにもって感じの雰囲気だね」

「ちょ、ちょっと怖いけど……。安心して二人とも!いざとなったら……隊長の私がバシッと守ってあげるから!」

「ハッ、守られるのはオメエだろうが」

「そ、そんなことないもん!」

「おら、とっとと行くぞ」

「う、うん。絡まれないように注意しようね……」

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「おいおい。随分小綺麗な御一行様じゃねえか。ここがどこだか知ってんのかあ?」

路地裏に入ったら直ぐにごろつきに絡まれた。

「テメエこそ誰に喧嘩売ってんだ?」

「ちょ、ちょっとクロードくん……」

アメリーが慌ててファルクを引き止める。

「話が通じるような相手ではなさそうです。ここは応戦するのが得策かと」

「ユーゴくんまで……」

「おう。わかってんじゃねえか。ま、こんな雑魚一発で終わりだがな」

「ガキが……舐めやがって!」

ファルクの言葉に逆上したごろつき達は手にした剣を振り下ろしてきた。


〔戦闘中会話〕
「死ねや、オラア!」

「ハッ、どいつもこいつも弱えクセによく吠えやがる」

「……ファルクもよく吠えてると思うけど」

「ああ!?」

「コラッ!戦闘中に喧嘩はいけません!メッだよ!メッ!」

「馬鹿にしてんのか!ガキじゃねえんだぞ!」

「テメエら……余裕かましてんじゃねえ!」


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「一発は無理だったね〜」

ごろつき達を倒してアメリーがそう言った。

「勝ちゃいいんだよ!」

「というかなんでいつも、すぐ揉めちゃうかな〜」

「喧嘩売られたらフツー買うだろ。それにユーゴの野郎だって乗り気だったじゃねえか」

「いや別に、そういうわけじゃ……」

「あーっ!」

ユーゴが否定する後ろで、男の子の驚いたような声がした。

「やっぱりファルク兄いだ!お久し振りですっ!」

そう言って、金髪の後ろをちょんまげのようにちょこんと結んだ男の子がファルクの元に駆け寄った。

「まだここにいたのか」

「お友達?」

アメリーがそう尋ねる。

「ただの知り合いだ。オレがこの辺りで、のたくってた頃からのな」

「初めまして!サーリムっていいます!帝都や付近の村を回る行商人をやっています!」

「一人で?すごいね!」

「ファルク兄いに比べればまだまだです!」

「……随分とキミを尊敬しているようだね」

「……勝手に引っ付いてくんだよ」

「もしかして"亡霊戦団"の調査で来たんですか?」

「……なんか知ってんのか?」

「あ、ええっと……。一緒に連れてってくれたら教えます!」

「……なんだと?オレ相手に交換条件かいい度胸じゃねえか」

「だってだって、久し振りに会えたんですよ!」

サーリムは子供らしく駄々をこねる。

「絶対役に立ちますから……!どうかお願いします!」

「話にならねえな。行くぞテメエら」

そう言ってファルクが1人先に行こうとする足に、サーリムが引っ付いた。

「そんなあ!待って下さい兄い!」

「ん〜…、一緒に行ってあげてもいいんじゃないかな?」

「は?」

アメリーの言葉にファルクは、ぽかんと口を開けた。

「僕もその方が良いと思う。いずれにせよ今のままでは手掛かりが少ないし、手分けして調査できるならその方が良い。幸いにもサーリムくんは、この辺りのことに精通していて、一人で行するほどの度胸もあるようだし」

「なんか情報も持ってるっぽいしね!」

「僕達はこの辺で別の線がないか探ってみるよ」

「ということで上官命令です!ファルク隊員はサーリム仮隊員と一緒に調査をするように!」

「やった!よろしくお願いしまーす!」

アメリーの言葉にサーリムは大喜びして、ファルクは肩を落とすのだった。
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