エピソードまとめ
□アメリー・ロランス
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ep.1 ラック ハードラック ガール
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〔5th LUSH〕
「ううう、攻撃しすぎて腕が痺れてきた一」
「おう、休んでろや。あとはオレ様が独り占めだ」
「そ、それはダメ!お手柄欲しいもん!そういえば会わなかった間のこと、まだ聞いてなかったよね。なにしてたのかとか、どうして軍に入ったのかとか……」
「だあああ。今する話かよ!戦ってる最中だろが!集中しろや!」
「だって……気になるし。それじゃあ少尉から曹長へ命令!養護院を飛び出てからのことぜーんぶ話せ♪」
「ンな命令が聞けるかっ!」
〔6th LUSH〕オタオタ
「おうおう、雑魚が飽きずにワラワラと!」
「もしかして私達を疲れさせるのが、あいつらの作戦とか?」
「ハッ、そんな知能あるかよ。あの妙ちくりんな顔を見てみろ」
「うーん………見ようによってはかわいいかも?」
「……オメエの頭脳も妙ちくりんだったな」
「サバイバル訓練思い出した!野生の獣を食料にするの!よーし、クロードくんの晩御飯のために頑張るぞ!」
「なんで、オレが食うこと前提なんだよ!」
「よっしゃ終わりっと!」
「クロードくん見て見て。オタオタのミルクだよ!」
「んなもんどうでもいいわ!」
〔7th LUSH〕
「クロードくん!無事!?」
「おうよ!……ククッ、面白いもんだ。オレら揃ってどんどん動きが良くなってやがる」
「……それって………私のこと褒めてくれてるの!?」
「あ?」
「だって"オレら"って言ったよ?やったやった、クロードくんに褒められた〜!アメリー少尉はやればできる子!まだまだ頑張るぞ〜!」
「……単純なヤツ………」
〔8th LUSH〕
「アメリー少尉、任務達成しました!」
「……いやまだだ。キリがねえな……。あー……クソダリいな……」
「ダメですぞクロードくん!私達は帝国軍人として市民をお守りしなければ。そのために今は戦わなきゃいけないんですぞ!」
「なんだよその口調。うぜえぞ」
「あ、それもダメですぞ!上官への態度がなっとらん!少し注意してあげますぞ!」
「へいへい。わかりましたですぞ。ぼさっとしてると、ほれ。新手がいやがるですぞ」
「へぐっ!?わわわ〜!」
〔9th LUSH〕
「……そろそろ終わりが近いかも」
「またお得意の"カン"ってやつかよ。オメエのそれはいったいなんなんだ?」
「んー、わかんない。ただそういうふうに、なんとなーく思うっていうか。あ、あれと同じ!風で飛ばされた洗濯物が、屋根に引っかかりそうみたいな」
「全然共感できねえわ!とにかくそろそろ終わりってんならありがてえ。さっさと片付けるぞ」
「よっしゃあ、終わりだ!」
「これで……倒しきれたかな……?」
「こう。他には見当たらねえ。ったく、雑魚どもが手間かけさせてくれたぜ」
ホッと、息をつけるかと思ったその時、ファルクは船の外の異常に気づいて目を凝らした。
「おい、ちょっと待て!ありゃなんだ!?」
ファルクが指した海面からぴょんと飛び出てきたのは体長10メートルは優に超える大型のイカのような獣。
「このおっきいヤツ、きっと親玉だよ」
「マジかよ……」
流石のファルクも焦ったような顔をしていた。
「ここに来てこんなデカいのが出てくるとはな……」
「……これより、我々帝国軍は市民を守りつつ、巨大獣への総攻撃を開始します!」
アメリーはぎゅっと、槍を握り直す。
「総員、準備はいいか!」
そう言ってアメリーは槍を前に掲げた。
「は、たった二人で総員もクソも……」
「準備はいいかっ!」
顔をキリッとさせたアメリーが低く唸るように叫ぶ。
「……なんだよ。プルプル震えてるくせに、逃げようともしねえで………しゃーねえ!」
そう呟いてファルクもしっかりと双剣を握り直した。
「おうよ!準備、よーし!」
「そ、それじゃあ…………かかれえーっ!」
そう叫んでアメリーは突進して行く。
〔FINAL LUSH〕サヴァテンタ
「チッ……図体がでけえくせに動き回りやがる」
「水の中に逃げられたら攻撃できないよ!」
「んじゃあ、いつが攻撃してくるとこを、こっちも狙ってやりゃあいいだろ」
「なるほど……返り討ちってことだね!」
「そういうこった。……ま、さっきの雑魚よりは楽しませてくれんだろ」
「よ、よーし。頑張ろー!えいえいおー!」
甲板を貫く触手攻撃。
「ぎゃっ!なんか出てきたー!」
「チャンスだな。根こそぎぶった切ってやる」
「……じゃあ、今日の晩御飯は、"焦がしバターの香ばしゲソ焼き"だね!」
HP残り3分の1
「あんにゃろう、船をブチ壊す気か!」
「……ファルク曹長」
「だからファルクだと……ん?いいのか」
「ファルク曹長!」
「……お、おう」
「一気に勝負をかけよう。二人の全力を叩き込むの」
「ハッ。そいつアわかりやすい作戦だな。了解だ!」